HONDA CRF250RALLY

連載新車体感 ニューモデルインプレッション

No.
180
連載新車体感 ニューモデルインプレッション

企画を“まる読み”できます!

※公開中の誌面内容はNo.180(2017年3月24日)発売当時のものになります

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国内モデルが発売開始となったCRF250ラリーに徹底試乗。オンロード&オフロードはもちろん、通勤に高速、タンデムツーリングと1週間乗りたおしてみえてきたラリーの魅力をたっぷりお届けしよう!

文:谷田貝洋暁/写真:関野 温

ラリーを出してくれてホンダさんありがとう!

ようやく乗ることができた!という感じのCRF250ラリー。コンセプトモデルが登場したのが15年の春。そして去年のプロトタイプ発表、欧州仕様と続いて、足かけ3年目でようやっとコイツで走り出せた。「お願い作って!」という僕らユーザーの声を聞いてくれたホンダさんにまずはお礼を言いたい。

 

さて、何から書こうか? 従来のCRF250Lとの違い。高速巡航性能。ダート適性などなど…。なにせ3年も待ったのだ。いったいどんな乗り味なのだろう? 開発、関係者から聞き出した言葉に、妄想はふくらみっぱなしだったから書きたいことは山ほどある。

 

やはり、従来モデルのCRF250Lとの違いから書いていこう。試乗会では従来モデルのCRF250LとCRF250ラリーABS、それからABSなしのラリーを乗り比べながらの試乗をしたのだが、従来モデルのCRF250Lから乗り替えた瞬間、出力特性の違いに気が付いた。スペックでは、最高出力が発生回転数を変えずに1psアップした24psになっている。…が正直、最高出力発生回転あたりの1馬力の違いなんてものは高回転すぎてわからない(笑)。感じたのは出足の押し出し感の違い。「ストト…」と希薄だった加速が、「ストットットッ…」と、見事にラリーの方が力強いのだ。従来モデルのオーナーはもうこれだけでくやしがっていい。

 

信号待ちからのスタートだけでなく、ダートセクション、とくに林道でのUターンなどでこのトルクアップの恩恵を感じる。後輪を空転させてのスライドがしやすくなった印象だ。

 

前後のサスペンションも、ものすごく動くようになった。ネタをバラせば摺動抵抗を減らして減衰力を半分くらいにしたらしい。もちろんCRF250Lに比べてもやわらかくソフトなセッティングなのだが、これがまたダートセクションでいい仕事をする。一部のライダーからヤワすぎるなんて言葉も出ていたようだが、それはモトクロスやエンデューロのようなアクション系の動きをするにはという意味だろう。林道をツーリングするにはこのくらいやわらかな足まわりの方が、アクションはしにくいものの、路面追従性が高くてむしろ走りやすい。倒立フォーク特有のカッチリ感はあるのだが、動きはどこか正立フォークのような印象。僕レベルのライダーがフラットから、ちょいアレぐらいの林道を駆け抜けるには、むしろこれぐらいやわらかい足まわりの方がペースを上げやすいってもんだ。

 

それに気をよくして、フラットダートではラリーよろしく6速フル加速もしてみたのだが、やはりここでも実に安定した走りを見せるラリー。ジャンプなどの高負荷を想定して、減衰力が高めに設定された足まわりマシンでダカールラリーよろしくぶっ飛ばすと、地面のギャップをひろってハンドルが触れ出したりすることがある。だがコイツはそんな速度域でも、不安なくアクセルが開け続けられる。残念ながらホンダのラリーレーサーには乗ったことがないので他社になるが、KTMの450ラリーレプリカも、減衰力が低めのやわい足まわりセッティングだったなぁ…なんてことを思い出しながら走るくらいの余裕があったのだ。

 

当然ながら開発者たちは、ダカール・ラリーマシンを触りながらCRF250ラリーを作っている。デザインだけでなく、サスペンションセッティングだって取り入れたっておかしくない。いやむしろ、そうしたくなるのが普通だろう。

デザインや空力に対する考え方は、ダカールラリーで闘うCRF450ラリーから、そのまま踏襲。CRF450ラリーライクなスタイリングを極力くずさない工夫が盛り込まれている

アレ気味で凹凸の多い林道を走るとラリーの足まわりのよさがよくわかる。他のマシンでははじかれてタイヤが浮きそうな場面でも、ソフトにギャップを受け流す。だからアクセルが開けやすい

 

しなやかな足と30mm延長が高速道路を快適に!?

※記事の内容はNo.180(2017年3月24日)発売当時のものになります