滞りない刹那主義者は年末進行の夢を見るのか?

滞りない刹那主義者は年末進行の夢を見るのか?

早いもので2012もう年の瀬。このタンスタスタッフのコラムも今回が年内の最終回。いやぁ、毎年のことながら一年が早い、早い。年々このサイクルが短くなっているのは、自らの歳の分母を着実に重ねているからなのか? それとも気のせいでしょうか? 今年もなんだかんだと忙しかったのには変わりありませんけどね。

さて、忙しいとえば僕らバイク雑誌の編集部員ならず、よのなかの多くの雑誌編集者を悩ませるのが“年末進行”という言葉。まぁ、雑誌業界に限らずどこでもあるとは思いますが今回はこのお話。

年末進行というぐらいだから年末に起こるわけですが、根本的な話をすると雑誌には発売日というのがあり、定期刊行で本屋さんで発売される雑誌はこれを絶対に守らなければいけない。もし守らないと本屋さんへの流通を取り仕切っている「取り次ぎ」さんという業者さんにものすごい迷惑をかけるし、それはもう大変なペナルティを課されるワケです。その発売日の前には“搬入日”というのがあり、これは雑誌が取り次ぎさんによって本屋さんへ配られる日のこと。たいてい発売日の前日ですが、もちろん発売日同様守らなければなりません。さらにさかのぼると雑誌作りには裁断・製版、乾燥、印刷、といったさまざまな行程ががあり、編集部の僕らが締め切りをきちっと守らないと、後ろに控える印刷所や取り次ぎさんが割を食うワケです。

で、僕らもそんなことにならないために、ない頭をつかって逆算し早めの締め切り日を設定するワケですが…。年末はこの締め切り日が異常に早い。だって年末年始ですからね、本を運んでくれる運送屋さんも冬休み、本屋さんも休む、そして印刷所さんも休むワケです。するととどうなるか? 年始明けに発売する本も冬休み前に本屋さんへ届けることになる。例を挙げれば僕が関わっているタンスタの姉妹誌『風まかせ』は奇数月6日が本来の発売日…、なのですがそれがまず年始のお休みの関係で5日発売になる。そして搬入は…なんと年内の本日! さらにさかのぼって編集部の締め切りはというとなんといつもより1週間以上も早く締め切りがくるワケです。たかが一週間と侮るなかれ、月刊誌の場合、約4週間で1冊の雑誌をひーこら言いながら作り上げるわけですよ? それが1週間減ったら、あーた。もう単純計算の4分1。しかもタンスタ編集部の場合は、タンスタの締め切りの直後に『レディスバイク』の締め切りが来たりと、もうてんてこ舞いですわ。いつもより3倍速く動いたって終わらないモノは終わらない。実際「あぁ、このままこの電車に乗ってどこかに旅に出たらどんなにラクになることだろう?」などと、帰る電車の中でふと路線図を見ながら考えてしまう、『取材帰りのJR蒲田駅、午後四時の憂鬱』なわけですよ…。とほほ。まぁ、頑張っている…であろう他の編集スタッフや、ライターさん、デザイナーさんの顔を必死に思い浮かべながら、編集部へと重い足を向けるわけですが…、ねぇ。

ふう。ともかく終わった。ということで年末も押し迫った今の時期、「ああ今年もなんとか乗り切れた…、終わってよかったが一時はどうなることかと…」と、心底ほっとしている編集者が世のなかに何人、何千人いることだろう? うーむ。とにかく無事に新年を迎えられそうなそんなみんなに、お疲れ様! そして読者のみなさん、僕らの血と涙(多くは涙かな…)が、にじんだ誌面を是非とも、おせちに飽きたら書店でご吟味ください。

あ、最後に発売日の都合で毎年正月も返上で頑張らなきゃいけない編集部があることも付け加えておきましょう。…うちでいえば姉妹誌の『カスタムピープル』の編集部だ。ガンバレよ〜。俺は冬休みフルに使って遊んでやるけどな! たとえ正月休み明けに「あれ? 1月も冬休みと年始の挨拶まわりのおかげで1週間以上少ねーじゃん?」と泡を喰うことになってもだ! ぬはは!

滞りない刹那主義者は年末進行の夢を見るのか?

やたぐわぁのプロフィール

「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える43歳。

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