進化してきた

最近は、コンビニにドリップ式のコーヒーマシンがありますよね。レジでお金を払い、カップを受け取り、セルフ式でコーヒーを淹れるというやつ。これがまた挽きたて淹れたてだから香りがよくて、かーなーり、あなどれないのです。編集部の近くにある某コンビニチェーンのやつは、缶コーヒーよりも安い100円という設定。それなのにけっこうウマいのでビックリしてしまいますよ本当に。ボクが学生時代にアルバイトしていた昔ながらの喫茶店では、ブレンドコーヒーが一杯400円でしたよ!? まぁ400円払えばいくらでも長居できたので場所代みたいな意味合いもあったと思いますが…。

それにしても、ここ10年くらいの「コーヒー文化」の進化はすごいなぁと思います。昭和世代にとってコーヒーとは、打ち合わせの場所にある飲み物・なんとなく口さみしいのをまぎらわせる飲み物…といった側面があったと思います。香りや味を楽しむ人もいるにはいたでしょうけど、一部のマニアというか、よっぽどのコーヒー好き。多くの人にとって、町でコーヒーを飲むというのは、ヒマつぶしや休憩・打ち合わせなどが目的だったんじゃないでしょうか。砂糖もクリームもガッツリ入れるのが当たり前でしたしね。しかし最近は「ちゃんと味わって飲む」「香りや味を楽しむ」という文化も広く浸透しました。砂糖やクリームを入れない「ブラック」というのも、一昔前はいかにもマニア的というか、おいおい気取ってんじゃねーよ的な飲み方でしたが、現在では普通になったと思います(ボクもブラックが好きです)。日本におけるコーヒー文化は、いつの間にかすっかり変わったなぁと思う今日このごろ。

もしかしたら、ようやく日本人がコーヒーという味や、コーヒーの楽しみ方に慣れてきたのかもしれない…などと思うのですよ。日本人が初めてコーヒーに触れたのは江戸時代らしいのですが、当時の人が『焦げくさくして味ふるに堪ず』と書き記した文献が残っているそうです。確かにまぁ、焦げ臭いと言やぁ、焦げ臭いです(笑)。でもそれがおいしいんだということが、ようやく民族的にも浸透し始めたのかも…と。

そういやワインが日本に上陸して間もないころは、日本人の味覚に合わないために砂糖を加えていたそうだし、日本で洋菓子が作られるようになって間もないころは、当時の日本人から『バター臭い』と言われて敬遠されたという話も聞きます。いくらおいしいものでも、DNA的に知らない味に対しては「慣れ」が必要なんですよね。でも一旦慣れてしまえば、おいしいモノ好きの日本人のことですから、イッキに広がり文化になっていく…と。

次に文化になるものは何かなぁ。そんなことを考えながら、コンビニで淹れたコーヒーを飲んでいます。

マンボサイトー

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マンボサイトー

「マンボ」というニックネームはマンボウ似であることから名付けられ、当初はかなり嫌がっていたものの、最近ではそれほど気にならなくなってきた。ビッグバイクよりも中小排気量 の方が好き、人気車種よりもマイナー車の方が好き、というあまのじゃくな性格の持ち主でもある。

コメント 1件

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    by 森の人2013/4/22 20:42

    コーヒーはアフリカ大陸エチオピア原産の植物ですが、現在は熱帯の様々な場所で栽培されていますよね。もしかしたら、これってコーヒーの生き残り戦略という可能性もありますよね。何といっても地球上でカフェインをもつ植物はコーヒー以外は茶とカカオだけですから。人間の方がいつのまにかコーヒーに支配されているのかもしれません。まあコーヒーになら支配されてもいいかとも思っちゃいますが・・・あと何といってもコーヒーと日本の銘水との出会い。これが素晴らしい。ツーリング先の地元の銘水で淹れる一杯、最高ですね。

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