スーパーカブで牽引に挑戦してみた

スーパーカブで牽引に挑戦してみた

みなさん知ってのとおり、125㏄までの原動機付自転車、いわゆる原付(1種、2種のことだな?)は、リヤカーなどの軽車両を牽引をすることができる(知らねぇよ!)。原付以上のオートバイやクルマと違って、緊急時以外でも免許や専用ナンバープレートを必要とせずに日常的に牽引ができるのは、原付の特権だからね。ものは試しと、愛機のスーパーカブ110プロあらため“プロスカブ”でリヤカー牽引をやってみました。

 

スーパーカブ110プロで4m弱の折り畳みカヌーを引っぱってみる

 

ただ、この原付での牽引、わりと法的な制度や決まりが複雑というかあいまいで、実質問題として、どうやってナニに気を付ければいいのか非常に分かりにくい。インターネットで調べてみても、なんだかみんなあやふやな感じの牽引しており、「これだ!」という決定版的なケースがない。そこで頼みの自動車六法を紐解いてみても、法律用語で難解だし、結局どうすれば法に抵触しないのよ?って感じの不安がぬぐえないのだ。まぁ、もともとの原動機付き自転車って乗り物自体が、自転車なのかオートバイなのか、実にあいまいな乗り物だからね。だからこそ、なんとなく牽引なんて行為も許されていたりするという法整備状況なんだろう。むしろ、利用者が悩むくらいのファジーな現状というのが、原付っぽいというか、このクラスならではの特権階級的なところなのかもしれない。

 

 

ならば案ずるより産むが易しってことで、とにかく走ってみることにした。ただ、走る場所に関しては、行政区分ごとに可不可の条令があるらしく、関東でいえば神奈川県には牽引が許されない場所もあるらしい。選んだステージは、東京都の小笠原村。はい、いわゆる日本のガラパゴスといわれる小笠原諸島ですね。正確に書くなら父島というところになりまして、編集部のある港区から南へ1,000km。船で25時間ほど南下した場所にある海洋島です(ん? なんだか話がおかしな方に進んでねぇか?)。

 

特別保護区の南島・扇池にカヤックで上陸。その後、クジラを探しながら父島へ戻る。午前と午後で潮の流れが真逆になるので、島間の移動が可能なのだ

 

で、ですね。スーパーカブで引っ張ったのは、折り畳み式のカヌーで、フォールディングカヤックとか、ファルトボートというカヌー。これも内地からカブと一緒に船で運んだんだけど、牽引においては組み上げた状態のカヌーにカートのような2つの車輪を付けて引っ張ってみる。つまり、カブで牽引することで、浜から浜へこぐ場所を変えたりする場合にいちいちカヌーをバラさなくて済み、しかもわりと重いカヌーを担いで歩く苦労がなくなるって算段だ(…わざわざ牽引するために小笠原諸島にカヌーとカブを持っていったのか?)。

 

法的に気になっていたのは、牽引においては、原付1種だろうと、2種だろうと出せる速度は時速25㎞という制限がつくということ。「なんだよそれだけしか出せないのかよ? かったりーなぁ」なんて、最初は思ってたけど、いざやってみると、そもそもそんなにスピードは出す気になれないってことがわかる。もちろん、マシンといっしょにバンクする1輪タイプのリヤカーや、きちんとしたサスペンションを搭載した高性能リヤカーなら話は別かもしれないが、両側車輪がついただけのリヤカーを牽引するなら出せてようやく時速25㎞って印象だ。これ以上の速度域になると、リヤカーが跳ねはじめてしまい、さらに挙動が不安定になりそう。そもそも振動でカヌーを壊してしまいそうでスピードを出す気にならないのだ。

 

また法的な部分で気を付けたのは方向指示。牽引物でウインカーが後方車から見えない場合も多かろうと、手信号を久々に使ってみたのだが、結果的におまわりさんにとがめられることもなし。派出所の前も何度も通ったのだが、声をかけられそうな雰囲気はいっさいなかった。

 

 

いやぁ、いいね小笠原諸島。渡航したのがちょうどゴールデンウィークだったこともあって、さぞかし混んでいるかと思ったけど、そういや交通手段が船しかないから、観光客の数は船に乗ってきた人数以上になりようがない。天下のゴールデンウィークだというのに、白い砂浜がイモ洗いになることもまずないようだ。これで浜からカヌーでちょっと沖合に漕ぎ出せば、ザトウクジラにまで会えてしまう場所なんだから、いやはやすごい所である(要は小笠原でカヌーとカブを持ち込んで遊んできたって話じゃねぇか!)。

 

…お後がよろしいようで。写真奥の“点”がクジラさん。この後潜航し、姿は見えないものの直下までやってきた。というのも、クジラの歌が水中から伝わって来て、それがカヤックのボディで増幅されて、声のする方向がわかるのだ。しかも、どんどんそれが近づいて、カヤックのボディがビリビリと震えるくらいの音量に…。正直ビビった。いま浮上されたらもみくちゃになって沈むんだろうなぁ…。と考えなながら息をひそめていた。このときBluetoothスピーカーで大島 保克の沖縄民謡を聴いていたのは秘密だ

 

スーパーカブで牽引に挑戦してみた

やたぐわぁのプロフィール

「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える43歳。

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