免許更新いろいろ

免許の更新に行ってきた。免許は免許でも、今回のは小型船舶操縦士免許。いわゆるレジャーなどで使うボート用の免許だ。以前、“バイク+船遊び”というヤマハさんとの企画ので小型船舶の2級を取得したのだが、5年が期限で、今回初めて更新時期を迎えたのだ。

おもしろいのはバイクやクルマに必要な自動車運転免許とはだいぶ更新のシステムが違うこと。車の免許には免許センターのような”ここでしか”的な施設があるが、初更新にあたり調べてみると船舶免許は免許の更新は民間に委託されているようで、いろいろな業者があり、それぞれが全国各地それぞれの場所で順々に講習会を実施している。

更新には、やはり視力などを確認する適性検査に加え、正味1時間の講習を受けなければならないのだが、その受講時間もわりとフレキシブルで、「来週ならとなりの新橋で、6時30分の枠があるから会社帰りに行けるな…」なんて感じに申し込むシステムが主流のようだ。

車とは免許保有者の数が根本的に違うし、船舶免許は即日発行するようなものでもないので単純に比較することはできないけど、同じ国家資格の更新でもずいぶんとシステムが違うと感じたしだい。同時に1日にスゴい量の免許証を発行する自動車の免許センターの効率のよさをあらためて意識する。だって誕生日でなんとなくその期間に来る人数はわかっているものの、実際その日にどれだけの来場があるかなんてことは事前にわからないハズだ。そんななかで、来たら来ただけ講習や適性検査を順次行ない、しかも講習を受けているうちに即日発行で新しい免許を発行するのだ。なんとなく、免許センターの人たちが無愛想でどこかあせり気味なのがわかった気がした。彼らは、気分次第でやってくる免許取得者相手に、何人こなせばいいかもわからない仕事を1日中延々と繰り返しているのだ。しかも、当然、歩合制で「私は隣のブースより倍のスピードで視力検査を行なったから、今月の給料期待大♥」なんてはげみもないだろうから、…ねぇ。

話がそれた、船舶免許だ。一方、船舶免許は講習会そのものも少人数制なのか、時間が悪いのか、僕か受けた講習会には10人も満たない規模での講習だった。場所も専用施設というよりは、いろいろなセミナーを行なう貸部屋みたいなところ。来場している人も、仕事で必要そうな人もいれば、趣味っぽい人まで、いろいろ。ひがみ根性もあってなんだかお金持ちにも見える。まぁ、こんな場でなければ決して二輪業界の僕との関わりができそうもない人たちばかりなのは確かだ。

ちなみに講習はテキストを使った法規やマナーの要点のおさらいと、ビデオ視聴。例によってビデオ視聴は、死亡事故例や多額賠償事故の再現映像である。“償いの日々…”みたいな事故を起こした側とおこされた側の悲惨な“その後の生活”を見せられることはないのだが、水上オートバイの後部シートから仰向けに落水し、ジェット水流で内臓破裂。なんていう聞いただけでお腹が痛くなりそうな事例を、たくさん頭にたたき込まれる。


うーん。いろいろ勉強になったけど、僕自身この船舶免許を更新した所で、船を運転するアテはしばらく、…というかまったくないんだよね(笑)。残念ながらクルーザーを買うどころか、維持すらできないだろうし、そんな船を維持できるような知り合いのいるようなコミュニティーともほど遠いところにいるから、過去5年間で船に運転した回数も数えるほど。免許取得レポートの企画で伊豆の初島へ渡ったときと、いつだかのホンダさんの汎用機体験試乗会と、どんなもんかとシースタイルというヤマハさんが行なっているレンタル船舶サービスを利用して木更津から横浜まで無意味に(笑)、全速力ピストンしたぐらい。免許が邪魔になるものではない、とはいうが。…もったいないから、もう少し使うか。

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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