ジーンズ推しの教官

ボクがバイクの免許を取ったころ、服装に関しては『長袖・長ズボンであればOK』という感じだったのでボクは綿の長ズボンを履いて教習を受けていた。すると教官は「そんなペラペラの生地じゃコケたときにすぐ破れてしまうぞ。ジーンズにしろ、ジーンズに」と妙にジーンズを推してきたのである。

 

何も知らなかったボクはその言葉を盲信して『ジーンズはバイク用最強ウエア』だと思い込み、それ以来とにかくバイクに乗るときはジーンズだった。ただ実際にジーンズを履いてバイクでコケたことがある人は知っていると思うけど、ジーンズってアスファルトの摩擦にはあまり有効じゃない。ちょっと考えればわかることなのにボクは「ジーンズならコケても大丈夫っしょ」と転倒も恐れぬメチャクチャな走りをして転倒、ヒザを盛大に擦りむいた。その傷口を見て『ジーンズは短パンよりもマシというレベルでしかないんだな…』と現実を知り、それと同時にジーンズ神話も崩壊した。

 

ただ最近のバイク用ジーンズは、通常の20倍以上の摩擦強度を持つ素材で作られたモノや、ヒザ部分が補強されたモノなどなかなかに安全性の高そうな製品が増えてきている。ボクも先日一着購入してみたんだけど『守られてる感』がスゴイ。そこでやっぱり気になるのは『コケたときにどれほど防護性があるのか』ということ。これでよい結果が得られたときは再びボクの中のジーンズ神話が復活し、教官の教えも真実(?)になるというものだ。

 

何ごとにおいても最初の師というものは特別な存在だし、ボクの場合は卒業後もその教官に何かとお世話になっていたらから今でも尊敬すべき人物なのである。そこで教官が唱えていたジーンズ推しを確かなものにするために、ジーンズの耐久テストを誌面でやってみるのもおもしろいかも知れない。いや、もちろん生身で転倒実験とかはやりませんよ!? もっと合理的な方法で…あれ? 余計なこと言っちゃったかな…。

サブロー

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サブロー

ほめられて伸びるタイプを主張するクセに、ほめられることをやらない36歳。出身地である徳島県の一級河川・吉野川の別名“四国三郎”から、このニックネームに命名された。映画やマンガにすぐ影響される悪癖があり『ベストキッド』を観て空手を始めたり、『バリバリ伝説』を読んでCB400SF(当時は大型二輪免許を持っておらずCB750Fに乗れなかった)を買うなどの単純明快な行動が目立つ。

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