そんな火すぐに消せばいい

交通マナーという言葉をよく使う。マナーとは行儀・作法・礼儀のことであり、スムーズな流れは、交通ルールはもちろん、それに加えてこの交通マナーによっても保たれている。交通マナー、我々ライダーはおそらくよく知っているし守っていることだろう。実際、道路を見ていても、ひどく自己中心的な乗り方をしているライダーというのはほとんど見かけないし、どちらかというと車のほうが横柄で無茶な運転をしている場面に出くわすことが多い。ところが、残念なことに、そのマナーの悪い車に憤慨している(何らかのアクションをおこす)ライダーには出くわすことがよくある。気持ちはわかるのだが、せっかく上手に乗っているのに、何とももったいないなと思う。いつだったか、細い路上で口論になっていた場面があった。「何やってんだ!馬鹿野郎!」ライダーがドスのきいた声で怒鳴っている。これだけで、端から見たら事情はどうあれ(バイク乗りってコワイな~)である。すると、相手の車からおよそ想像のつかない大人しそうな若者が顔を出し、何かボソボソライダーに言い、するとそのライダーは「なに、初心者なの? どうしたの?」と急にやさしいおじさんに変身して怒りをおさめていたときがあった。見ていたこっちは最初ヒヤヒヤしていたが、その結末を見てホッとし、また考えさせられる。たしかにマナーの悪い車への怒りなんて、すぐに消せるものなのだ。そんな些細なことにマナーの良いライダーが心をかき乱されるほど馬鹿げたことはない。じゃあどうやって怒りを鎮めるか? 青いものを見る(精神沈着効果)? 楽しいことを考える? (マナーの悪い車の)何か特別な事情を想像する? 花火を水のバケツに「ジュッ」とつけたところ(鎮火)をイメージする? 頭の中にスプリンクラーでもつけておく? いろいろ方法を考えているうちに別のマナーの良い車と出合えばスッキリ帳消しになりそうだが(笑)。まあ、交通マナーというものはその場の利用者次第であるわけで、ある地域ではいさかいなんて無縁でこのコラムをキョトンと眺めている人もいるかもしれないし、あるいは逆にマナーの悪い人だらけで「そんな甘いコト考えていたら頭にスプリンクラー100個つけたって間に合わない!」なんて地域もあるかもしれない(さすがにそれはないかな笑)。なんとか上手に乗り越えて楽しく乗れるといいなと思う。

チャンカメ

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チャンカメ

タンスタ創刊号の〆切間際に入社した古株女子だが貫禄はまるでナシ。かわいい=へんなものについつい手が伸び、デスク周りは癒やし(?)小物だらけ、少々アク抜きの必要な40代。イラスト担当。愛車は現在Z250。乗るたびに ”最近のバイクはすごいな〜” と可愛さ倍増中☆

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