ライダーの氷雨対策はネオプレングローブ

シトシトシト、や~らしい春の雨が降り続いている関東地方。せっかく咲いた桜もコレでは台無し。水たまりを漂う花びらがなんだかもの悲しい。さてさて、お花見ツーリングに水を差す氷雨ですが、今回はそんな状況で便利なアイテムを紹介します。

 

アウトドアメーカー・モンベルのカヌー用品にラインナップするネオプレン パドリンググローブ(4,012円)

 

ダイビングで使用するウエットスーツなどにも使われるネオプレン。すばらしいのは発泡ゴムを使用しているため、断熱性が革や合皮といったグローブに使われる素材に比べて非常に高いこと。それに密閉性が高く内部が濡れてもその水分が逃げないことで体温低下を効果的に防げる、という2点が大きな特徴。そんな防寒性の高さから、最近はバイク用品店やガテン系ショップなどにもこのネオプレイン素材を使用した製品が置いてあったりするから使ってみたことがあるというライダーも多いだろう。かのいうボクも雨の日にはネオプレインのグローブを使う派の1人。これまでいろいろ防水性をうたったグローブも使ってきたけど、雨の中をバイクで走っていると、どんなに工夫しても結局のところ内部に袖口をつたう雨水が進入してくるもの。だいたいにおいて雨の中で着脱を繰り返せばそれだけで内部は濡れてしまうものである。ならばいっそ内部を濡らしてしまっても暖かいネオプレン製のグローブの方が…、と考えたワケだ。じっさいこれがかなり暖かく、最近では夏場でも雨の可能性があれば旅先に持って行くアイテムになっている。

ただ、このネオプレングローブには弱点もある。断熱のためには生地にある程度の厚みが必要なのだ。これがすこぶる操作性に影響する。それに発泡ゴムである生地そのものにもかなりの弾力があって復元力が高い。…つまり、オートバイのグリップを握り続けているだけでかなりの握力を使い、すぐに手が疲れてしまうのだ。まぁ、指先が冷たくなって千切れる思いをするよりはマシなので使い続けているワケだが…。

 

ハイッ! そこで登場するのがこのモンベルの『ネオプレン パドリンググローブ』。もともと、カヌーやカヤックといったパドルスポーツもやるボク。ちょっと前からこのアイテムが気になって使ってみたかったのだけど、なかなか店頭で実物を触れなくて二の足を踏んでいたのだが、ついに現物を見付けてしまった! はめてみたらこれがなかなか具合がよくて思わず購入してしまったというワケである。

 

はめずともグローブの指先形状がコの字型になっている。この曲がりが、疲労軽減に大変重要なんです。まぁ、見た目はなんだか、雰囲気を重視するバイクとはかけ離れたデザインですがそこは実益をとるということで…
実際に装着してみると、あら不思議! もう自然にバイクのハンドルを握っているような形状に! このピッタリフィットする感じも、なかなかいい感じ

 

甲側は3㎜、平側2㎜とガテン系のショップで売られているものよりもちょっと薄手の造りだけど、やっぱりライダーは操作性重視したいものである。厚みが増せば増すほど保温力が増す反面、素材の抵抗が増えるものだし、握りも太くなって握力の消費もより大きくなる。実際、先日、タンデムスタイルの企画でスズキのジクサーで日本海までちょっと走ってきたんだけど(詳しくは4月24日発売号にて!)、全行程、下道で走ってしまったもんだから、夜の三国峠は0度近くまで気温が下がった。でもそんな状況でも指先がちぎれる思いをしなくてすんだのはこいつのおかげ。まぁ、多少ネオプレン素材独特のブニブニ感は感じるけど、今日みたいな氷雨の中で指先がちぎれるような思いをした後は、とくにこのネオプレングローブの恩恵が強く感じられることだろう。

 

平側は2㎜厚の薄手のネオプレインを採用。平側は滑り止め加工もされていて操作性もそれほど悪くない。縫い目は圧着ではないようだけど、まぁ、完全防水にしたところで結局手首部分から雨水は浸入するからね…
やたぐわぁ

written by

やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

このコラムにあなたのコメントをどうぞ

この記事が気に入ったら
いいね!とフォローしよう

タンデムスタイルの最新の情報をお届けします