カブでウイリーをやってみた

姉妹誌の編集後記でも少し触れたけれど先日、友人のスーパーカブ90に乗せてもらう機会があった。ボクも友人もTV番組の『水曜どうでしょう』が大好きで、カブを囲みながら大泉洋が引き起こした“だるま屋ウイリー事件”の話題で盛り上がっていた。

 

バイク乗りの人には今さらだけどこの事件をカンタンに説明すると…。番組内でカブによる東日本縦断ラリーを行なっていた大泉洋が長い信号待ちのあと、2速発進だと勘違いしてニュートラルのまま大きくアクセルを開け、前進しないことに焦ってギヤを1速に入れたとたんに激しく前輪を持ち上げてしまい、暴走したカブとともに『安全第一』と書かれたバリケードに激突する事件のこと。そのとき大泉洋がカブの荷台にだるまを積載していたことからこの名前がついた。

 

ボクはカブに乗ったらこれをやってみたくてしょうがなかったけれど、なかなかその機会にめぐまれなかった。そのことを友人に伝えるとなんとOKが出たので近くの広場でだるま屋ウイリー事件を再現してみることに。

ギヤをニュートラルにしてそれなりに大きくアクセルを開け、ギヤを1速に入れると…、強い衝撃とともに上がった! 前輪がすごい勢いで上がった! 角度にしたら多分60度は超えていたに違いない! 広場だったので『安全第一』のバリケードに激突するところまでは再現できなかったけれど、一発で見事にあのシーンを再現できた喜びで胸がいっぱいだった。

 

仕事柄、撮影時にフロントアップ(※)のカットが必要になることがあるけれど、ボクはこのフロントアップが下手。カメラマンさんから『もう少し高く上げようか』という感じで何度もリテイクがかかってしまう。自分としては45度は上げているつもりでも実際に写真を見るとほんのチョットだけでガッカリしたり…。こんな感じでこれまで挑戦したフロントアップの結果はいつも微妙だったけれどカブは間違いなくボクの人生最大角度を叩き出してくれた!

 

最初は大泉洋に対し、「カブのパワーであんなに前輪を上げるなんて、どれだけアクセル回してたんだよ」なんて思っていたけれど、カブの低速トルクはすさまじく、いとも簡単に前輪が持ち上がる。で、気をよくして自分の愛車で挑戦してみたけれどうまくいかない。なぜだ。低速トルクだけならカブの何倍もあるハズなのに…。カブならうまくできるんですよ! ホントです!

 

※正確には、その場でフロントを持ち上げる技のことはフロントアップと呼ぶ。ウイリーはフロントアップの状態で走行すること。

サブロー

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サブロー

ほめられて伸びるタイプを主張するクセに、ほめられることをやらない36歳。出身地である徳島県の一級河川・吉野川の別名“四国三郎”から、このニックネームに命名された。映画やマンガにすぐ影響される悪癖があり『ベストキッド』を観て空手を始めたり、『バリバリ伝説』を読んでCB400SF(当時は大型二輪免許を持っておらずCB750Fに乗れなかった)を買うなどの単純明快な行動が目立つ。

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