【特別コラム】首都圏ツーリングプランは高速料金引き下げを実現するロードマップの始まりだった!?

日本の高速道路が始まって半世紀。車重も定員も半分以下のバイクが、なぜ四輪車と同じ料金なのか。その疑問に答えが得られそうな気配だ。国土交通省高速道路課は、都市高速で5車種区分にしたばかりで、料金の細分化は時間がかかると及び腰だが、自民党二輪車問題プロジェクトチームの国会議員は、“なぜ、二輪車料金は四輪車と同じでなければならないのか”を突き付けて改革を促す。自民党だけではない、公明党や野党・民主党、維新の会も後押しする。

ライダーに最適化した首都圏ツーリングプラン

この7月から首都圏ツーリングプラン(TP)の予約受付が始まった。中日本高速の「速旅」、東日本の「ドラぷら」など四輪車向けは数あるが、バイク利用者のための周遊定額パスは、史上初の画期的なことだ。

待望のTP、その特徴とは何か。それは大きく2つ、ライダーの使い勝手に合わせたことと、料金を通常の半額程度に設定したことだ。

これまでの周遊定額プランは、高速道路を使ってドライブし、点在する観光地を巡るファミリー層が主なターゲットだ。これに対してライダーの高速道路利用は、どちらかといえば目的地往復、より遠くへ行くためのショートカット。高速で目的地に近づいたら、一般道で存分に走りを楽しむという使い方が多い。TPを企画した高速道路会社もこうしたバイク特有の使い方を想定して商品を構成し、エリアを4つに絞り込んだ。①のみ中日本高速、ほかは東日本高速の商品だ(※下図参照)。

首都圏ツーリングプランの内容

①の対象区間は、東名、新東名など高速道路と新湘南バイパスなど10区間
東名=東京IC~沼津IC / 新東名=御殿場JCT~長泉沼津IC / 中央道=高井戸IC~韮崎IC、大月JCT~河口湖IC / 中央横断道=双葉JCT~六郷IC / 圏央道=茅ヶ崎JCT~八王子西IC / 新湘南バイパス、西湘バイパス、小田原厚木道路

②の対象区間は東北道など7区間
東北道=川口JCT~宇都宮IC / 関越道=練馬IC~沼田IC / 上信越道=藤岡JCT~碓氷軽井沢IC / 北関東道=高崎JCT~岩舟JCT、栃木都賀IC~都賀IC / 外環道=大泉JCT~草加IC / 圏央道=あきる野IC~幸手IC

③の対象区間は東北道、常磐道など8区間
東北道=川口JCT~宇都宮IC / 常磐道=三郷JCT~日立南太田IC / 北関東道=佐野田沼IC~岩舟JCT、栃木都賀JCT~水戸南IC / 東関東道=茨城空港北IC~茨城町JCT / 外環道=川口中央IC~三郷南IC / 圏央道=白岡菖蒲IC~つくば牛久IC / 東水戸道

④の対象区間は東関東道、館山道など10区間
館山道、京葉道、富津館山道、新空港道、千葉東金道、東京湾アクアライン、東京湾アクアライン連絡道 / 東関東道=湾岸市川IC~潮来IC / 圏央道=下総IC~大栄JCT

 

価格は2日間利用で2500円。この設定は各コースで想定した利用経路の片道分をイメージしたという。つまり、通常料金の半額だ。2500円というラインを、商品企画を主導した国土交通省高速道路課は「エリアを広げると、それにともなって料金を上げざるを得ない。使いやすい手ごろな価格でエリアを設定した」と話す。

あまり話題になっていないが、TPはその予約のタイミングがとんでもなく柔軟だ。予約というのは普通は事前にするものだが、TPは予約なしでエリア内の高速道路に乗り入れても、まだ間に合う。エリアに入って、初めて高速道路を降りるまでに手続きを完了すればいい。

例えば、天候不順で先行きが怪しいがとりあえず出発という場合、走りながら天候のようすを見て、SA/PAで休憩。良好ならスマホで予約を完了させてツーリングを継続させるということができる。

有効期限は2日間だが、その利用範囲も広い。通常の感覚で2日間といえば、1日目の0時〜2日目の24時までだ。しかしTPの2日間は、起点か終点のどちらかが有効な2日間に入っていれば、すべて2500円の範囲で再計算される。

例えば、利用前日の0日目にエリア内の高速道路に乗り入れても、1日目になって降りれば2500円の範囲内だ。また、利用2日目にエリア内の高速道路に乗り入れたが、24時を超えてしまって3日目になって降りた。こんな場合も起点が利用期間の2日間に入っているため有効だ。融通が効くこのシステムで、エリア内のSA/PAで予定外の仮眠もできるし、大幅に予定が狂う渋滞に巻き込まれても、無用にあせる必要がない。

予約のキャンセルも、手続きは一切不要だ。予約日にエリア内の高速道路を利用しなければ、後日2500円が請求されることはない。キャンセル料もなしだ。予約日にエリア外の高速道路を使った場合は、その通常料金が請求されるだけだ。予約してしまったら“絶対に行かなければ!”と思いがちだが、これなら気まぐれな一人旅も安心ではないか。

 

首都圏限定TPは価格改定の試金石!?

中島みなみのプロフィール

63年、愛知県出身。記者。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。世の中に起きる割り切れない出来事と、世の中を動かそうとする主張を伺い記事に反映させていきたいと思っています。

コメント 1件

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    by 白髭爺2017/8/1 11:15

    料金の値下げが 収入源になる → タバコの増税と同じで 全体総量に変化は与えない可能性が高い まずはやってみれば・・・
    それよりも マナー違反のバイクで事故が増える(経費が増える・渋滞が増える) 
    ちょっとした落下物でも 道路の穴やつなぎ目の整備不良でもバイクなら死亡事故になるので
    バイクの為のインフラ(さらには高速からの落下防止など)に金がかかるから嫌!が本音では?
    また
    レーズ場を走るような異常に高性能なバイクを市販して重大事故の原因を作っていることが問題
    結論として 値下げの効果を双方にもたらすためには
    ETCと連動したスピードリミッターの義務化が必要 (車にもネ!)

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