重言なんて言葉さえ知らなかった

重言なんて言葉さえ知らなかった

タンスタの原稿を上司にチェックしてもらったときのこと。『マグカップ』とボクが書いたところに赤ペンで訂正が入っていた。「あれ?」と思って上司に質問してみたら

 

「マグ(mug)は英語で取っ手の付いたカップって意味だから『マグカップ』は同じ意味が続く重言になるから注意ね」

 

鳩が豆鉄砲を食ったような顔になってしまったボク。知らなかった…。「でも『マグカップ』自体が和製英語になっているからどっちでもOKではあるんだけどね」と上司は付け加えた。そうなのか…。今後同じ指摘をされないようにと、と他にもこうした重言(じゅうげん/じゅうごん)の言葉がないかどうか調べてみたらけっこうな数の事例が出てきた。

 

・チゲ鍋(『チゲ』そのものが鍋料理の一種))
・ロコモコ丼(『ロコモコ』そのものが丼料理の一種)
・クーポン券(クーポンはフランス語で『券』)
・ポタージュスープ(ポタージュはフランス語で『スープ』)
・サルサソース(サルサはスペイン語で『ソース』)
・グレイビーソース(グレイビーは英語で『肉汁(ソース)』)
・フラダンス(フラはハワイ語で『ダンス』)
・ラム酒(ラムは英語で『酒』)
・マスケット銃(マスケットは英語で『銃』)
・初デビュー
・一番最初or一番最後
・過半数を超える
・切磋琢磨し合う

 

…など。ジャイアンが使う「のび太の危険が危ない」みたいなわかりやすい表現はスグ気付くけれど、意外と知らず知らずのうちに使ってしまっている言葉が多いなぁ。

バイク雑誌で使う言葉だと

・トリコロールカラー(コロールもカラーも『色』)
・約60㎞/hくらい
・排気ガス(これは微妙。正しくは排ガス?)
・轍の跡
・バイクに乗車する
・製造メーカー

 

このへんが重言にあたるらしい。「ヤバい。昔の自分の記事で、やらかしてないよな…?」。と不安になってタンスタのバックナンバーを読み返すと、あった…。重言ではなかったけれど「初心者OKの敷居が低いイベントだ」と書いてある記事を見つけた。敷居が高いというと『申し訳ないことをして、その相手のところに行きにくいこと』を表す言葉なので、そもそも敷居が低いなんていう言葉自体がない。かろうじて重言はなかったけれど、日本語の難しさをあらためて思い知らされた。って、もしかして『バックナンバーを読み返す』も重言!? ああ、もう!!

重言なんて言葉さえ知らなかった

サブローのプロフィール

ほめられて伸びるタイプを主張するクセに、ほめられることをやらない36歳。出身地である徳島県の一級河川・吉野川の別名“四国三郎”から、このニックネームに命名された。映画やマンガにすぐ影響される悪癖があり『ベストキッド』を観て空手を始めたり、『バリバリ伝説』を読んでCB400SF(当時は大型二輪免許を持っておらずCB750Fに乗れなかった)を買うなどの単純明快な行動が目立つ。

コメント 2件

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    by ksk2017/10/19 08:59

    いつも楽しく読ませていただいてます。
    ただいま入院中で時間が余っているので読書三昧の日々なのですが、普段の斜め読みをやめてじっくり読むと、割と有名な雑誌でも「おや?」と思う表現を目にすることがあります。
    伝わればいいのだとは思いますが、みんなで間違えれば怖く無い、なんて風潮はいいものとは言えませんよね。
    これからも綺麗な日本語にこだわって紙面を作って下さると期待しています。

    ちなみに入院は、バイクで事故って鎖骨を折った結果です。
    廃車になったメインバイクの後継者(車?)を探すべく、ただいま「バックナンバーを読み返す」真っ最中です(笑)

  • by サブロー2017/10/21 11:19

    文中に挙げたいくつかの重言は、ボクみたいな者がいちいち「これは間違いですよ!」なんて言わなくても十分に意味が伝わる言葉ばかりです。
    とはいえ、こうした違和感のある言葉を世に発信し、定着させた大元は雑誌をはじめとするメディアだと思います。
    『クーポン券』『敷居が低い』『トリコロールカラー』なんかはその筆頭かも…

    適切な表現が生まれ、定着し、それを取り入れる。言語の進化ってそういうモノなのですが、だとしても! せめてメディアは誤った表現を世に発信・浸透させてはいけない。ボクはそう考えています。ホント気を付けないといけませんね…。

    それにしても事故で入院中とは…。よくなって早く退院できるといいですね。新しいメインバイクを購入されたら、そのときはぜひ本誌の『愛車自慢コーナー』へ!
    お待ちしています。

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