第10回 島根県・出雲

この企画は隔月連載なので、連載スタートから1年以上が経過してようやく「第10回」を迎えることができました。スローペースな連載ではありますが、これからも日本各地の魅力をお伝えしていきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いします。

この連載の第1回目は伊勢神宮に訪れたこともあり、「記念すべき第10回目もまたお参りに行こうかな」と思ったわけです。そこで今回目指したのは、島根県の出雲大社。ここもまた、全国的にその名を知られている有名な神社ですよね。しかも、昨年は伊勢と出雲で「ダブル遷宮」の年になったことも話題になりました。出雲大社に参拝すること、そして『古事記』に出てくる日本神話のスポットめぐりが今回の旅のテーマです。訪れたときがちょうど桜のシーズンで、すばらしく感動的な風景を見ることができましたので、ぜひ誌面をチェックしていただければと思います。


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出雲大社の境内に、このような柱がドーンと立っていました。3本の大木を金属の輪っかでまとめて1本としているのですが、実は古代の出雲大社は、このような柱を使った超高層建築だったのでは…? という説もあるのです。それをモチーフとした企画が行なわれたそうで、古代へのロマンを感じさせてくれます

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こちらは、出雲大社にお参りしている写真。…なのですが、本殿の正面ではないのがわかりますか? 実は出雲大社のご本尊って、正面ではなく横を向いているんだそうです! これを知っている人は、正面だけではなく横からもお参りするんですね。はたしてご利益に差があるのかどうかはわかりませんが、それを知ってしまうとやはり「横からも祈願しておこう…」という気になってしまいます

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出雲の名物といえば、なんといっても出雲そば。「割子」という小さな丸い漆器にそばが入っており、それを何段か重ねた状態で出てきます。その割子に、そのまま薬味やツユをかけて食べるというスタイルですね。ちなみに僕が訪れたのはこの「羽根屋」というお店。有名店らしく、次から次へとお客さんがやって来ていました

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出雲そばといえば、亀嵩(かめだけ)駅も忘れられませんね。なんとこの駅、駅舎とそば屋が融合しているというオモシロスポットなのです。普通ね、駅の中にあるそば屋というと、面積の大きさからして当然「駅舎>そば屋」じゃないですか。しかし亀嵩駅の場合は、「駅舎<そば屋」なのです!「そば屋・兼・駅舎」といった感じなのです! ここでは、割子そばではなくて「釜揚げそば」を食べてみました。そばを釜揚げで食べるというのはめずらしいですよね

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「ツーリングといえば温泉!」という人も多いと思いますが、出雲にももちろん温泉地があります。今回僕が訪れたのは、出雲湯村温泉というところ。いい意味であまり観光地化されておらず、ひっそりとしていい雰囲気。ここには国民宿舎があるのですが、ここのお風呂ももちろん温泉! 国民宿舎からちょっと離れたところにある共同浴場の方のお湯にも浸かってみました

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今回の旅では、“スサノオ”という神様ゆかりの地をめぐったのだけど、この八重垣神社もそのひとつ。縁結び占いで有名な神社でもあり、若い女性が数多く訪れるスポットです(このあたりのことは本誌をぜひ!)

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島根県といえば、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)ゆかりの地でもある。小泉八雲とは、ギリシャ出身、のちに日本に帰化した作家(明治の人です)。島根県松江市に在住していたことから、帰化名を旧国名の「八雲」としたのだとか。ちなみに小泉八雲は八重垣神社にも訪れているそうで、神社の境内にも案内板がありました

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八重垣神社には非常に古い時代の壁画が残されており、境内には、その壁画が収められている宝物庫がある。やはり出雲は、何かしら神話の世界とつながっているのだろうな

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宍道湖へと流れ込む、斐伊川(ひいかわ)という川。「この川の氾濫こそがヤマタノオロチだったのではないか」という説もあるそうだけど、もちろん現在はとてものんびりとした川の流れでした

今回の旅はおもに島根県が舞台だったのですが、旅の冒頭に訪れたのが鳥取県の大山(だいせん)でした。この雄大な姿には、神々しさが宿っていますよね。ちなみにこの動画、解説でしゃべっているのはカメラマンの武田さんです

旅の相棒は、ヤマハのSR400でした。もはや説明の必要もないほどの、伝説の名車ですよね。ツーリングに出かけてみるたびに「やっぱりいいバイクだこれ…!」と、しみじみ感じます

誌面の最終ページに紹介しているすばらしい桜並木。写真でもその美しさが十分に伝わると思いますが、動画でもご紹介します! なんだか夢の中にでもいるような、幻想的な風景でした…

コメント 1件

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    by 白髪じじい2014/5/3 14:11

    こんにちは。白髪じじいは転勤族だったので全国各地を跋扈いたしました。
    島根県にも住んでおりましたので、実になつかしいでゴンス。

    斐伊川の氾濫がやまたのおろち伝説となったのは、つとに有名であります。

    かつて、大陸に近い出雲は文明伝来の玄関口でありました。裏日本は、当時は表日本だったのであります。

    よって製鉄法も早くから伝来しており、しかも斐伊川から砂鉄も取れる。製鉄に必要な燃料となる木材も中国山地に沢山あった。

    ということで、当時の出雲は先進工業都市だったそう。

    しかし先進工業都市は、これまた先進環境破壊都市でもあった。
    山の木を切り倒しては製鉄し、鉄器を作って全国に供給したのでありましたが、木を切りすぎてはげ山になり、それが原因で
    斐伊川が大氾濫を引き起こしたそうです。

    環境破壊・公害問題というと、つい最近のことのように思いますが、実は千年以上前に既にあったのでアリマス。

    では、では。

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