10月25日、ホンダはバッテリー交換ステーション「Honda Power Pack Exchanger e:(パワーパックエクスチェンジャーイー)の販売を開始し、バッテリーシェアリング事業を行なう株式会社Gachacoに納品された、日本で1台目となる量産機の稼働がスタートしたと発表した。
ホンダは2050年にホンダの関わるすべての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指している。しかし、この目標を達成させるにはモビリティの電動化にあたって「短い航続距離、長い充電時間、高いバッテリーコスト」という3つの課題がある。そこでホンダはバッテリーを交換式とし、シェアリングすることでこれらの課題を解消し、電動化の加速と再生可能エネルギーの活用拡大に貢献するべく取り組んでいるところだ。
ちなみに交換式バッテリーに関しては国内車両4メーカー合同で共通規格を採用することが2021年3月の時点で合意されている。
Honda Power Pack Exchanger e:は、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパックイー)」を複数同時に充電し、電動二輪車をはじめとするHonda Mobile Power Pack e:ユーザーのスムーズなバッテリー交換を可能にするバッテリー交換ステーションとなる。ユーザーは街中のステーションで必要なタイミングで充電済みバッテリーにアクセスすることができ、充電時間を待つことなく、効率よく電動モビリティを利用することが可能になるというものだ。
交換に際してはバッテリーをスロットに差し込むだけで、自動で充電を開始。バッテリー交換時は、本機上部のパネルにICカードをタッチすることでユーザー認証を実施。高いセキュリティーを担保するとしている。そして登録されたユーザーIDに紐づく、利用モビリティの情報(搭載バッテリー数、直列・並列といった搭載条件など)から適切な充電済みバッテリーを判断。LED表示でユーザーに知らせることでスムーズな交換作業を促すとしている。
バッテリーシェアリングサービスの運用に必要な情報をクラウド上で一元管理するシステム「Honda Power Pack Cloud(パワーパッククラウド)」も採用されており、 バッテリーユーザーはユーザー登録からステーション検索、交換、料金決済まで一括してシステムを通じて行なえるほか、貸出バッテリー情報などをスマートフォンからリアルタイムに検索可能。スムーズなバッテリー交換に寄与するほか、バッテリーシェアリング事業者は、機器の状態をクラウド上で一括管理することで、効率的な管理・運用が可能となるので、ユーザーと事業者の両方にとっての利便性を高める取り組みも行なわれている。
すでに海外では、インドの現地法人Honda Power Pack Energy India Pvt. Ltd.(HEID)にて電動三輪タクシー(リキシャ)向けバッテリーシェアリングサービス事業を開始しており、Honda Power Pack Exchanger e:を運用している。
また、10月25日には東京都が二輪車の非ガソリン化に向けた先駆的取組「EVバイク等利活用促進事業」の一環として、都が支援するEVバイクバッテリーシェアサービスを始めるにあたり、開始式を行なっている。
東京都『EVバイクバッテリーシェアサービス開始式』(2022年10月12日 産業労働局)
開始式ではEVバイクの普及促進に向け、都内バイク販売店が加盟する東京オートバイ協同組合と協力していくことを目的とする協定の締結を行なうとのこと。こういった動きは今後全国でも広がってくことになるはずなので、Honda Power Pack Exchanger e:を目にする機会が増えていくことになるだろう。
なお、バッテリーシェアリングサービスの詳細についてはホンダではなく、株式会社Gachacoへ問い合わせいただきたいとのことだ。
CONTACT
- 問い合わせ先
- Hondaお客様相談センター
- 電話番号
- 0120-086819
- URL
- https://www.honda.co.jp/motor/