雨の日に何をしよう

 最新号では秋キャンプを特集したが、この本を作り終えたときには当然のように、プライベートでもキャンプに行く気で満々だった。ところがご存知のように10月は2度の台風に見舞われ、都合のよい週末の2日間が快晴になることはなく…。休日を野外で過ごしたい僕にとって悪天候ほど残念なことはない。10代後半から20代前半までは完全なインドア派だったが、現在では外に出ないと休日がもったいないと感じるようになった。キャンプを好きになって自然のよさや気持ちよさに気付いたという変化もあるだろうけど、歳を重ねると人間変わるものだとつくづく思う。

 

 しかし前述のとおり、締め切り後の、もっとも休みに浮かれるはずの休日が悪天候で台ナシ。「会社に寝泊まりした後の休日をムダにしてたまるか!」。僕はただ休みを満喫したい一心で、以前から気になっていたアメリカのテレビドラマ『24-TWENTY FOUR-』シリーズの最新作『24:レガシー』のDVDを全話借りることにした。テロリストとの闘いを描く1日の出来事が、1話1時間のリアルタイムで進行するという、日本でも絶大な人気を誇る『24』初のスピンオフ作品。どうせ外に出れないなら家に閉じこもろう、そう決めたのだ。

 

 とはいえ、その破壊力(?)たるやものすごい。“次が気になって観ることをやめられない”という中毒性こそが『24』最大の持ち味だが、このスピンオフ作品でも目まぐるしく展開が変わり、手に汗にぎる緊迫したシーンが続く。主役がキーファー・サザーランド演じるジャック・バウアーではないのがファンとしては寂しいところだが、新主人公のエリック・カーターは、ほとんどジャックみたいなもの(笑)。周りに迷惑をかける暴走っぷり、『24』のお約束ともいえる展開の連続に多少あきれてしまうところもあるにせよ、その中毒性は望んだとおりの強烈さだった。

 

 スーパーに行くのもめんどくさい、料理を作る時間も惜しい、風呂に行くタイミングも見当たらない…。物語に没頭して、ただただ家の中で無気

力に過ごした週末。観続けられる幸福感と、終わったときの疲労感と。キャンプに行くのとどちらがいいかなんて比べるものではないけど、たまにはこんな休日があってもいい。どんなときでも、夢中になれる何かがあるって幸せなことだ。

イトウくん

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イトウくん

「人生最後の晩餐は何がいい」と聞かれたら、味噌煮込みうどんと正気で答える、愛知県出身ではないのに名古屋メシに熱狂する28歳。ロングツーリングといえば味噌煮込みうどんを目指す名古屋までが鉄板(あぁ名古屋に住みたい)。編集部内では年齢的に若手といわれているが、外見的には35歳前後といわれることもあり、焼き魚や煮物の食卓に心和む男にフレッシュ感は皆無。若いのかおっさんなのか微妙な年ごろである。

コメント 2件

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    by ノビー スギウラ2017/11/7 22:57

    表紙を飾る秋キャンプでの仕事がレジャーみたいなもんだから、じゅうぶんシアワセかと(^^)
    完璧な整備の広報車は新型で、オフの得意な谷田貝さんとかと走れて。
    平日が楽しそうです(^^)
    これなら土日ね雨も我慢できます(^^)

  • by イトウくん2017/11/8 09:32

    平日が楽しい、仰るとおりです(笑)。しかも、この最新号のキャンプツーの記事担当は編集長で、僕はただ普通にキャンプ場で過ごしただけだったんです…。土日の雨で文句言っちゃいけないですね

    イトウくん

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