埼玉の高校生に原付解禁!?『3ない運動』いよいよ見直しへ!

高校生の安全運転教育が今後の課題

文:岸田彩美

 

81年2月、埼玉県内の高校生がバイクに関わることを禁止する、いわゆる“三ない運動”が採択されました。この運動は、一時は全国規模でしたが、現状として約半数の都道府県がただ漠然と運動を継続させている状態でした。その背景には、二輪車での暴走行為や交通事故死者数を減らしたいという想いがありました。そんな三ない運動をとおして、埼玉県では高校生とバイクとの関わりを制限させることで、高校生が二輪車事故の当事者にならないよう長年方針を継続し、高校生の二輪車事故抑制に一定の成果を上げてはいましたが、37年という月日が経った今、高校生へのより深い安全運転教育の在り方が問われていたところでした。今回、ついにその教育方針の見直しを求める意見書が提出されたのです。

 

この日を迎えるまで計9回にわたり、有識者による“高校生の自動二輪車等の交通安全に関する検討委員会”が行なわれました。その中で、“交通事故の当事者にならないために二輪車と高校生はどうあるべきか”について「学校主体での講習は時間や場所、指導者の確保が難しい」「交通安全教育は、保護者はもちろん社会全体で取り組むべき」など、多角的な議論が交わされました。

 

この流れの中、三ない運動は廃止するが、安全確保を最優先で考えた指導要綱を新たに制定するという提言を含めた報告書を、18年2月、検討委員会の稲垣会長から埼玉県小松教育長に提出しました。今後は、高校生ライダーの意識向上と、交通安全教育にどう取り組むかが課題となってきます。この流れが全国へと広がっていくことを期待したいですね。

開催日
2018年2月20日(火)
開催場所
埼玉県教育委員会室
イベント主催者
高校生の自動二輪車等の交通安全に関する検討委員会

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