2018年版 二輪車ツーリングプラン4月27日からスタート

 

昨年、首都圏で実施された高速道路史上初めての「二輪車ツーリングプラン」(=TP)が今年も始まる。2017年版のツーリングプランは7月のスタートだったが、2018年版は「ゴールデンウィーク前の開始」を目指して前倒し。実施期間も実施エリアも拡大する。

今年は中京圏、関西圏、九州圏にも拡大!

今年は首都圏に加えて、名古屋市を中心とする「中京圏」、大阪市を中心とする「関西」、それに熊本市を中心とする「九州」の3都市圏が新たに設定された。全国13コース。高速道路会社も西日本が増えて、東日本、中日本の計3社で取り扱う。国土交通省が「二輪車保有台数の80パーセントを占める地域に拡大して実施する」(高速道路課)と自信を見せる展開だ。

 

各プランを利用するには、条件としてETC車載器とETCカードを使ったETC清算が前提で、申し込み制。該当区域へ走り出してからも申し込めるのが便利。期間は4/27〜11/30で受付は4/25〜

 

首都圏ツーリングプラン

首都圏TPは、都心を起点に4つのコースが設定された。高速道路で距離を延ばし、その先の観光道路で走りを楽しむそんなライダーならではの使い方を、高速道路会社がTPに盛り込んだ結果、利用できる区間が延長されて、より多くの観光スポットを訪れることができるようになった。100キロ〜150キロだった利用エリアは、200キロ〜300キロに拡大した。

 

東北道、常磐道、磐越道コース

「今年は人気の高い『磐梯吾妻スカイライン』などのスポットを取り込めるように、福島県まで範囲を広げた」(東日本高速)。

 

会津方面は常磐道・会津若松IC辺りまで対象範囲。北上するルートでは東北道、常磐道の相馬IC辺りまでの走行が可能になる。昨年は東北道が宇都宮ICまで、常磐道は日立南太田ICまでが限界だったことを考えると、かなり充実した旅ができそうだ。料金は5000円。走行可能エリアが広がった分だけ、昨年のように2500円とはいかなかった。そのかわり広いエリアをカバーするため3日間有効。後述する他のコースより1日長い。

関越道、上信越道、中央道コース

群馬県、長野県方面へと足を延ばすことができる。「蓼科、八ヶ岳、『ビーナスライン』『メルヘン街道』といった長野県央を回れるプランとした」(東日本高速)。

 

中央道は中日本高速の管轄、プランは東日本高速だが、ライダーの使いやすさを考えて会社の枠を超えたエリアに。料金は4000円。有効期間は2日間。

東関東道・館山道・常磐道コース

千葉県中心のプラン。昨年、最も利用が少なかったこのコースだが、新たに常磐道が使えるようになった。つくば方面へも足を延ばせる。

コース名 利用期間 料金(税込)
東北道、常磐道、磐越道コース 3日間 5,000円
関越道・上信越道・中央道コース 2日間 4,000円
東関東道・館山道・常磐道コース 2日間 3,000円

お申込みはNEXCO東日本公式Webサイト「ドラ割」から

 

中京圏ツーリングプラン

今年、初登場の中京圏は、名古屋市を中心に3つのコースがある。プランはいずれも2日間有効。

 

東名、中央道コース

首都圏のそれが、東京から西へ向かうプランなら、これは名古屋から東へ向かう、静岡県、長野県方面へのプラン。東名、新東名は清水JCT辺りまで。中央道は長野道と分岐する岡谷JCTあたりまで。料金は3500円。

東海北陸道、北陸道コース

東海北陸道は飛騨清見ICを含んだ辺り、北陸道は中部縦貫道が接続する福井北JCT辺りまでをエリアとする。山と海の両方の走りを楽しむことができる。料金は3000円。

伊勢道コース

三重県伊勢方面と京都方面の両方を含むエリアだ。伊勢方面は伊勢道を勢和多気JCTを超えて紀勢道・紀伊長島IC辺りまで。京都方面は名神・京都南IC辺りまで。料金は3000円。

コース名 利用期間 料金(税込)
東名、中央道コース 2日間 3,500円
東海北陸道、北陸道コース 2日間 3,000円
伊勢道コース 2日間 3,000円

お申込みはNEXCO中日本公式Webサイト「速旅」から

 

初めて手がける西日本、価格は抑え目

もともと二輪車TPは、四輪車の周遊プランとは異なった成り立ちがある。ライダーや二輪車業界は「二輪車の通行料金は『軽自動車等』の8分の5(=普通車の半額)」を求める。高速道路会社は、独立した二輪車の料金区分がないので利用実態がわからない。二輪車料金区分を作るのは時間がかかると難色を示す。それなら二輪車限定のTPを作ろう。利用料金を安くしながら、利用実態も調べようという一種の妥協が、TPとして実を結んだ。その経緯を考えれば、西日本高速はもっと早く対応すべきだったかもしれないが、そのぶん今年から関西と九州で、高速会社最多の6コースを販売することになった。

関西ツーリングプラン

関西TPは、高槻・吹田の両JCTを中心に、3コースが用意される予定だ。利用期間は3コースともに2日間。

 

名神、北陸道、京都縦貫道コース

名神、北陸道、京都縦貫道と琵琶湖を大きく一周するエリアで、京都縦貫道を使って北上すれば宮津天橋立ICで天橋立を目指すことができる。料金は3000円。

舞鶴若狭道、中国道、山陽道コース

雲海に浮かぶ竹田城跡や城崎温泉などの観光スポットを含むエリアだ。西は山陽道なら播磨JCT辺り、中国道なら佐用JCT辺りまで。料金は3000円。

阪和道コース

阪和道を南端の南紀田辺ICまでカバーする。料金は、今年の二輪車TPでは最も安い2500円。

コース名 利用期間 料金(税込)
名神、北陸道、京都縦貫道コース 2日間 3,000円
舞鶴若狭道、中国道、山陽道コース 2日間 3,000円
阪和道コース 2日間 2,500円

お申込みはNEXCO西日本公式Webサイト「みち旅」から

 

九州ツーリングプラン

九州は起伏に富んだ地形で、ライダーにとっては北海道に負けないくらいに人気が高い。そこでもTPが実現した。熊本を中心に構成され、九州全域の高速道路をカバーする以下の3コースが用意された。利用期間は3コースともに2日間。

 

熊本、大分、福岡 / 熊本、佐賀、長崎コース / 熊本、宮崎、鹿児島コース

九州TPは、すべてコース名に熊本が入っているが、TPは対象エリア内を有効期間中、何回乗り降りしてもOKという仕組みだから、起点が決まっているわけではない。

 

例えば、大阪からフェリーを使って九州に上陸(新門司港)した場合、熊本より福岡のほうが近い。福岡ICから乗り出すなら「熊本、大分、福岡コース」と「熊本、佐賀、長崎コース」が使える。この2つのコースは料金は3000円。「熊本、宮崎、鹿児島コース」は、エリアが広めなので料金は3500円。

コース名 利用期間 料金(税込)
熊本、大分、福岡コース 2日間 3,000円
熊本、佐賀、長崎コース 2日間 3,000円
熊本、宮崎、鹿児島コース 2日間 3,500円

お申込みはNEXCO西日本公式Webサイト「みち旅」から

 

BLF期間限定ロングプランも

今年、二輪車TPがこれだけ多彩な理由は、昨年の実績が、四輪車用の各種周遊プランよりダントツに利用者が多く大成功だったからだ。

 

その勢いに乗って今年は、もう1つ「バイク・ラブ・フォーラム(=BLF)一関スペシャルコース」が、期間限定で販売される。開催地を毎年変えて実施されるBLFは、本来はバイクの利用環境を考えるお堅い会議だが、昨年から一般ライダーでも楽しめるイベントとジョイントして、今年はそれに向けたツーリングも予定されている。

 

開催地である岩手県一関市を中心に、平泉、三陸沿岸の道路を周遊できる設定。川口JCT・三郷IC付近〜松尾八幡平ICまでの常磐道、東北道などをカバーする。設定されたエリアを縦断すると片道約580キロ。通常料金では片道約1万円だが、これが他のTP同様にエリア内乗り放題になり、9000円を予定する。 開催日の前後1週間、販売期間を限定して売り出す。

 

開催は8月を予定しているが、日程詳細が未定のため、販売開始時期は未定だ。

 

TPの利用はETC車限定。高速道路各社のホームページから希望のプランを選んで予約する。予約後、雨天などで予約したプランの対象エリアを利用しなかった場合は、TP料金は請求されない。

 

TPの実施期間は4月27日〜11月30日。予約開始は4月25日15時・同時刻に開設される各高速道路会社のホームページで受け付ける。

 

今年はTPの利用者に対して、二輪車料金区分についてのアンケートも行なわれる予定だ。「軽自動車の8分の5(=普通車の半額)が妥当か」という設問だ。こうしたアンケートを高速道路会社が行なうことは、50年以上続く高速道路史上で初めてのことだ。ぜひライダーの意見を反映してほしい。

中島みなみ

written by

中島みなみ

63年、愛知県出身。記者。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。世の中に起きる割り切れない出来事と、世の中を動かそうとする主張を伺い記事に反映させていきたいと思っています。

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