BMW F850GS/F750GS

連載新車体感 ニューモデルインプレッション

No.
192
連載新車体感 ニューモデルインプレッション

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※公開中の誌面内容はNo.192(2018年3月24日)発売当時のものになります

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アドベンチャーマシンの雄。GSのミドルマシンがF700GS&よりオフ性能を強化したF800GS。並列2気筒エンジンを搭載した両モデルがフルモデルチェンジ! フレンドリーなキャラクターはそのままに、まったく異なるマシンに進化!

文:鈴木大五郎/写真:BMWモトラッド ジャパン

F系エンジンが大幅にパワーアップ!

まるでVツインマシン見た目も走りも完全刷新

BMWのFシリーズは、もともとがシングルエンジンを搭載したフレンドリーなマシン。2006年に並列2気筒のエンジンが登場し、2007年よりミドルGSにもそれを搭載。日本の道にマッチするほどよい大きさと扱いやすさで人気を博したが、およそ10年ぶりにエンジン、車体も完全なるフルモデルチェンジされての登場となった。

 

やはり、最大のトピックはエンジンだ。同じく並列2気筒という型式ながら、クランク角が変更になり、印象がガラリと変わっている。

 

360度クランクの従来モデルは同社のボクサーエンジンを彷彿させるフラットでスムーズな吹けあがりだけでなく、そのエギゾーストノートもそれに非常に似たものだった。ところが270度クランクの新型は、Vツインエンジンを感じさせるそのフィーリングと音質を持っている。

 

従来型ではしばしば、発進時のトルクの薄さを指摘されることがあったが、新型は発進時から力強い。これは排気量アップによる恩恵もあるとは思われるが、やはり270度化も効いている。適度な鼓動感とともに力強く吹け上がっていくさまがGSの新たなキャラクターでもある。

 

このエンジンユニットは従来モデル同様、車名が異なれど両モデル共通となるのだが、出力。トルクは850のほうが上回る。これはすべてコンピューターによる設定とのことだ。

 

車体も大幅な変更がされている。フレームはトラス状のスチールフレームからモノコックタイプのスチールブリッジフレームに。また、シート下に位置していた燃料タンクは通常のエンジン上部に。これにより、マスの集中がはかられたというが、ハンドリングの軽快さや運動性の向上にそれが見て取れる。また、とくにオフロードで感じられたフロントまわりの荷重不足から来る不安感が軽減された恩恵も大きい。

 

両車のキャラクターの違いだが、フレーム。エンジン排気量が共通というだけで、その印象はまったく異なる。スポーツネイキッドマシンにさらなる汎用性をプラスしたかのような750と、そんな汎用性を持ちつつそこにオフ性能もプラスした850。もともとビギナーから玄人まで納得させてきた稀有なマシンであったが、電子制御の進化もあって、新型はどちらもフレンドリーかつ、ディープな世界観までもしっかり広げている。とくに我が国で乗るのであれば、ベストマッチな1台となるはずだ。

 

 

F850GS / F750GS共通ディテール

点火タイミングを270度に変更

従来型はオーストリアのロータックス社との共同開発だったが、新型はBMWモトラッドによる設計で製造はロンシンが担当。90度の位相角を持つクランクシャフトを装備し、270度で爆発。Vツインエンジンのような鼓動感はあるが、嫌な振動は見事に打ち消されている。ストローク量を稼ぎ、豊かなトルクを確保した。

フレームの変更
スチールパイプのトラス状フレームから新設計のモノコック状のスチールブリッジフレームに。剛性バランスの最適化とともに、コストダウンにも寄与。両車共通

 

 

F850GSのディテール

 

F850GSの足つき&乗車ポジション

ライダー:身長165㎝/体重62㎏
車両は欧州のSTD仕様。オフロードでの走破性を考慮した設定は、やはりシート高が高めで足つき性が良好とはいえない。反面、大柄でゆったりしたライポジで視界も良好。スタンディングもしっくりくる

 

F850GS SPECIFICATIONS※データは海外仕様

全長×全幅×全高
2,305×922×─㎜
軸間距離
1,593㎜
シート高
860(815~890)㎜
車両重量
229㎏
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列2気筒・853㎤
最高出力
70kW(95㎰)/8,250rpm
最大トルク
92N・m(9.3㎏f・m)/6,250rpm
燃料タンク容量
15ℓ(ハイオク仕様)
燃費(WMTC)
価格

 

次ページではF750GSを紹介

※記事の内容はNo.192(2018年3月24日)発売当時のものになります

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