MV AGUSTA ブルターレ 800RR

特集ビギナービッグバイクデビュー
大型デビューにぴったり!ミドルビッグ最前線

No.
193
特集ビギナービッグバイクデビュー大型デビューにぴったり!ミドルビッグ最前線

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※公開中の誌面内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

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“走る宝石”と呼ばれるイタリアの高級オートバイブランド、MVアグスタのマシンとなれば、いくら800クラスといえども高嶺の花である。しかし、扱いやすさという点ではどうだろう。新型のブルターレ800RRからでも大型デビューはできるのか!?

文:和歌山利宏/写真提供:MV AGUSTA JAPAN

イタリアの宝石が美しく、やさしく生まれ変わった

格段に扱いやすくなったイタリアンベーシック

ミドルクラスで3気筒というのは、高性能かつテイスティで扱いやすく、大型バイクとしての魅力を十分に堪能できるエンジンだ。日常域から扱いやすく、大型バイクへのデビューには理想的な対象の一つかもしれない。

 

新型ブルターレ800の高性能バージョンであるRRの最高出力は140㎰(スタンダードは109㎰)。ストリートバイクとして過ぎるくらいに高性能だし、それでいて低中回転域の性能もスタンダードと変わらない。

 

おまけに4気筒モデルには期待できないスリムさで、何より持て余さないパワーだ。エンジンからの独特の鼓動感は心地よく、ベーシックスポーツとしての高い資質を備えている。

 

ハンドルバーはヨーロピアンネイキッドらしくワイドに開き気味で、ビギナーには少々違和感があるかもしれないが、積極的にマシンを操るための設定と考えれば納得できるだろう。上体の前傾度は強くなく、やはりベーシックスポーツを思わせる。

 

ただ、従来モデルの場合は、いい意味でも悪い意味でも、少々イタリアンっぽいところが多分にあった。とくにスロットルレスポンスは、わずかな遅れの後にシャープに反応するきらいがあって、そのエキサイティングさをイタリアンらしい個性と肯定的にとらえていたものの、やはり洗練された扱いやすさには欠けていたのかもしれない。

 

ところが、この新型のスムーズで上質なレスポンスや、粘りのある低回転域のエンジンマナーときたら、国産車と見まがうほどの優等生ぶり。エンジンをアイドリングで回していても、メカノイズのない静粛ぶりがスキッとした気分にさせてくれる。排出ガスがユーロ4に適合したことが、走りを上質なものにしているようだ。

 

今回の試乗は、イタリア北西部からスイスにまたがっているマッジョーレ湖を1周する約200㎞のコースで行なわれた。この辺りには、走り屋にとっては最高のワインディングが多くあるというのに、景観を楽しめるツーリングコースらしい道が選ばれたのだ。

 

おそらくは、「コーナリングがいいのは従来型でご存知だろうから、今回は一般的なライダーが楽しむシチュエーションでよさを知ってほしい」ということだったのだろう。実際、扱いやすいから疲れ知らずで、快適にツーリングを楽しめた。取りまわしがしやすいから小柄な僕でもストレスがない。

 

もちろん、スポーツ性能に関しても、そうしたすぐれた日常性能の犠牲になっておらず、むしろテコ入れされている。正確には、コントローラブルになったことで、より楽しみやすくなっているということになろうか。

 

豊かな低回転域トルクが高回転域に向かってリニアに上昇するエンジンは、ピークを過ぎると上限までなだらかに減じていくというもので、エキサイティングにして扱いやすい。ハンドリングも車体剛性が改善されたことにより、高速安定性に落ち着きが出て、コーナリングラインを忠実にトレースしやすいものとなっているのだ。

 

価格は191万7000円。まさに超高級マシンである。しかし、そのぶん“MVアグスタ乗り”という注目度や所有欲は計り知れないものがある。

 

はたして、ブルターレ800RRはビギナーにはハイグレードすぎるだろうか? バイクは、純粋にスポーツの対象とするのでなければ、まず“使える”ことが第一義である。そのうえでスポーツとして楽しめれば最高だ。そう考えたとき、扱いやすく、所有欲も満たしてくれるこのバイクは、魅力的な選択肢になり得るのである。

3気筒の親しみやすさがアップ!
新しいブルターレ800RRは、ユーロ4に適合させるために、エンジンとその電子制御に大きく手が入れられた。排出ガスが低減されていることはもちろん、メカノイズが大幅に低減している。また、低回転域の粘りやスムーズさもすばらしく、神経質さがない。シフト機構にも手が入れられたうえに、アップダウン両効きのオートシフターも秀逸で、クラッチ操作の負担を軽減してくれる

BRUTALE 800RRのディテール紹介

 

BRUTALE 800RRの足つき&乗車ポジション

身長161㎝/体重57㎏
ハンドルバーは広く開き気味だが、乗車姿勢は上体が無理なく起きて、ストリートモデルとして自然だ。足つき性は身長161㎝で両つま先がかろうじて接地する程度である

 

SPECIFICATIONS※[ ]内はABS仕様

全長×全幅×全高
2,045×875×―(㎜)
軸間距離
1,400㎜
シート高
830㎜
半乾燥重量
175㎏(燃料含まず)
エンジン型式・排気量
水冷4ストローク 4バルブ並列3気筒・798㎤
最高出力
102kW(140㎰)/12,300rpm
最大トルク
86.9N・m(8.87kgf・m)/10,100rpm
燃料タンク容量
16.5ℓ
燃費(WMTC)
価格
191万7,000円(税8%込)

BRUTALE 800RR製品ページ

CONTACT

問い合わせ先
MVアグスタジャパン
電話番号
0538-23-0861
URL
http://www.mv-agusta.jp

※記事の内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

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