Husqvarna VITPILEN701

特集ビギナービッグバイクデビュー
大型デビューにぴったり!ミドルビッグ最前線

No.
193
特集ビギナービッグバイクデビュー大型デビューにぴったり!ミドルビッグ最前線

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※公開中の誌面内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

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ハスクバーナが満を持して送り出す大型ロードモデル、ヴィットピレン701に試乗する機会に恵まれた。エンジン型式でいえば、大型クラスでは希少ともいえる単気筒エンジンを搭載する。はたしてビギナーにこのビッグシングルはどう映る?

文:和歌山利宏/写真提供:ハスクバーナ モーターサイクルズ ジャパン

ビッグシングルを操る快感!

普遍的なマニアックさが扱いやすさのなかに共存

ミドルクラスのバイクは、大きい車体や過剰なパワーを持て余すことがなく、純粋にライディングを楽しめる存在だ。また、電子制御の武装によって調教されているのではなく、“素”のバイクというものを楽しみやすいモデルが多い。そうした意味で、大型ビギナーでなくとも、私が多くの人にお勧めするのがミドルクラスである。

 

それらは性能と扱いやすさのバランスにすぐれているのだが、ここで注目したいのがエンジンの気筒数だ。特徴が気筒数に左右されるからである。このクラスにも2、3、4気筒のモデルがそろっているが、今回、新しくシングルモデルとして加わったのが、ヴィットピレン701だ。

 

一般に、多気筒であるほど、高出力化には有利である。ただし部品点数が増え、これも一般論ながら、車重は重くなる。エンジンが大きく、車体も幅広で、扱いやすさは損なわれがちだ。もちろん技術の進歩もあって、今日の4気筒車が重くて大きくて扱いにくいわけではない。それに4気筒では燃焼間隔が密になり、スムーズさのおかげで扱いやすくなることも事実である。

 

これがシングルだと、一度ドカンと燃焼して次の燃焼まで2回転ある。スムーズでなく、2回転も待ちきれずエンストしたりと、鼓動感を楽しめても、必ずしも扱いやすくはない。それに、気筒当たりの排気量が大きいと排ガス対策の難しさもあり、シングルモデルはここのところ姿を消していた。

 

そこで、そうしたネガを最新技術によって払拭し、シングルの魅力を今日に再認識させてくれるのが、このヴィットピレンである。

 

シリンダーヘッド内にもバランサー軸を設け、2軸バランサーとしたエンジンは、鼓動感こそあっても、不快な振動は皆無。電子制御によるエンジンマネージメントは完璧だし、スロットルの実開度は電子制御で最適化されている。スムーズに回せて極低回転での粘りがあり、低速域での取りまわしでも神経質さがないのだ。

 

足着き性はあまりよくないが、スリムな車体のおかげでバランスが取りやすい。やはり、これはシングルの持ち味だ。昨今はシングルからご無沙汰していただけに新鮮でもあった。車体の軽さは軽量級を思わせ、取りまわしの負担は少ないだろう。ライポジはカフェレーサーらしく前傾度が強くても、着座位置の自由度が高く、街乗りでひどく前傾を強いられることもない。

 

そしてワインディングのコーナリングでは、こうした素性を活かし、純粋にスポーツとして楽しめるのだ。しかも軽薄なヒラリ感はなく、むしろどっしりとした落ち着きを感じさせる。運動性が高くても、マシンなりではなく、乗り手への依存度が高いのだ。

 

エンジンのベースとなったKTMの690デュークよりも、やや高回転高出力化されたエンジンは、高回転域のトルクのパンチを楽しめるようになっている。そのぶん2000rpm以下での粘りこそあっても、4000rpm以下ではややギクシャクしがちである。しかし、それだけに高回転域に向かってエンジンを回すのが楽しくなってくる。

 

つまり、街中で使える一方で、ときに峠をエキサイティングに楽しめる、実にカフェレーサーらしいのだ。その意味で、ビギナー向きではないと言えなくもない。しかし、根底には、シングルの特質を活かした軽さとスリムさによる扱いやすさがあり、決してハードルは高くない。登場前から話題を呼んでいるハスクバーナの新型ロードモデルは、多くの人に門戸を開きながら、マニアックさを秘めているのである。

スリムさと楽しさをもたらす単気筒
エンジンのベースとなったのは、KTM690デュークの水冷OHC単気筒エンジンで、排気量は693㏄。大きな特徴の一つは、振動対策としてシリンダーヘッド前側に第2バランサーを設けていることである。デュークの73ps/8,000rpmから75ps/8,500rpmに高回転高出力化され、12.7から12.8に高圧縮比化される。

 

VITPILEN701のディティール紹介

 

VITPILEN701の足つき&乗車ポジション

身長161㎝/体重57㎏
上体の前傾度は強めだが、着座位置に自由度があり、写真のように前に座れば、快適さをたもてる。足着き性は決してよくないが、バランスをたもちやすく安心感はある

 

SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高
―×―×―(㎜)
軸間距離
1,434±15㎜
シート高
830㎜
半乾燥重量
157㎏(燃料含まず)
エンジン型式・排気量
水冷4ストローク OHC 4バルブ 単気筒・693㎤
最高出力
55kW(75㎰)/8,500rpm
最大トルク
72N・m(7.3kgf・m)/6,750rpm
燃料タンク容量
12ℓ
燃費(WMTC)
価格
135万5,000円(税8%込)

VITPILEN701製品ページ

CONTACT

問い合わせ先
ハスクバーナモーターサイクルズジャパン
電話番号
03-6380-7020
URL
https://www.husqvarna-motorcycles.com/jp/

※記事の内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

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