“停まりたくない”は危険です

平成22年度までの統計(PDF)によると、近年、交通事故全般における自転車事故の割合が急増しているんだそうな。なんでこんな回りくどい言い方をしているかといえば、交通事故の件数自体は減っているからであり、そこで問題視されているのが自転車の事故率の高さなのである。確かに都内の交通事情を見ていると、自転車絡みでヒヤッとする場面によく遭遇するので、個人的には「やっぱりな」と思ってしまう傾向ではある。

先ほどの資料によると自転車事故の主な原因は「安全不確認」「一時不停止」「信号無視」の3つであるという。またそれに加えて歩道での接触事故も近年増加傾向にあるそうだが、逆を言えばそれ以外に何があるのかという感じだし、「それでは皆さん気を付けましょうね」と言ったところで、そう簡単には減らないのではないかと思ってしまう。もちろん自転車自体の数が増えているのであれば、その割合だって自然に増えるのはいたしかたないとは思うが、バイクと同じく体がむき出しである点や、むしろバイクと違ってヘルメットの着用義務がないので、死亡事故につながる危険性は自転車の方が高いのではないかという気さえしてくるのだ。(実際に一番多いのは歩行者だったりします。次に四輪、二輪、自転車の順)

ではなぜ自転車を乗ると、きちんと安全確認をせず、また一時停止もせず、さらに信号まで無視してしまうのだろうか。個人的に思うのは、自転車の動力源は自分が生み出す運動エネルギーしかないので、とにかく停まりたくない心理が働くからなのではないかと思っている。特に狭い路地が入り組んでいるような道は、いちいち止まると面倒なので、大半の自転車が停止線を無視して交差点に突っ込んでいく光景がよく見られる。先ほど上げた3つの要因も、すべて停まるか、もしくは減速しなければできないことだし、せっかく出したスピードをなるべく落とさないようにしたいなら、まず怠けたほうがいいのはその3つである。

まぁそれに加えて世の中がせっかちになっていっているのも、要因として考えられるわけだが、「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」である。最近交差点などに放置してある自転車をよく見かけるのだが、よくよく見るとタイヤがグニャリと曲がっていて、これは何かと接触してこうなったのだな、と思わせるものがけっこうある。果たしてこの自転車のオーナーは無事だったのかと心配になるわけだが、実感として事故は確実に増えていると思う次第だ。ちなみに自分も何度かクルマと接触したことがあったが、クルマの方もどけと言わんばかりに強引に追い抜いてくる輩も多いので、自転車に乗る際はくれぐれもご注意を。とにかく「しっかり停まる」が大切ですよ。

C.ARAi

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C.ARAi

Web制作班所属。何事にもしっかりしていたい気持ちはあるものの、やってることはかなり中途半端。基本的に運命にはあまり逆らわず生きていくタイプで、いきあたりばったりが自分にはよく合っていると思っている。悪く言えば計画能力ゼロ。モットーは「来るもの拒まず、去るもの追わず」。

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