靴でいろいろ思い知る

えらい久しぶりにローカットの靴を買った。とはいってもローファーやビジネスシューズではなくて、単なるスポーツシューズ(笑)。バイクを趣味にしているとどうもハイカットの靴、というか重たいブーツばかりが目に入り、そんなカタチのかさばる靴が玄関に増えていくのだ。…とはいっても、ここ数年は電車で動くことも多くて、通勤にはカカトのあるサンダルを愛用。会社にサンダル通勤とはいかがなものかとは思うが、「終電間際にいざ帰るっ!」なんて状況が多い仕事をしていると、履きっぱなしで飛び出せるこの手のサンダルが便利でね。気が付いたら、一日中どころか、一年中それしか履かなくなってた(笑)。冬とはいえ、屋外を歩くのは家と駅と会社までだから、寒さも我慢の範疇だしね…。会社に対外用のマトモな靴を置いておいて、必要なときだけ履いて出るってワケだ。

ところがである。最近の自転車ブームに便乗して、20数年前に買ったマウンテンバイクを引っぱりだしたら自転車に乗るときの靴がないことに気付いた。ハイカットのブーツや登山靴ではゴツすぎるし、なにしろハイカットのおかげで足首が動かないから妙に漕ぎにくい。夏の間は愛用のスポーツサンダルで走っていたけど、この時期になるとさすがにねぇ…。

ってなワケで、チャリンコに乗れるようなローカットのシューズを探しに靴屋に行ったんだが、これが迷う。最近のスポーツシューズは、蛍光ピンクにキイロなんかが使われていて、なんだかムダにきらびやか。茶とか黒とかのブーツを履き慣れたアラフォーライダーには、なんだかどれもハデすぎてどうもなぁ…(笑)。

そこでデザインで決められないなら、用途から選ぶことにした。マウンテンバイクに乗っても違和感がなくて、少々走れて、ちょっとした山なんかでも使える軽い靴。結局、軽登山靴のローカット版みたいなヤツにした。なんだかんだと考えてみたものの、要はいつもと同じようなところに落ち着いた。靴一つ買うのに思わぬところで冒険できない、自分の年齢と嗜好を思い知らされたってワケだ。

だが、履いてみるといいねぇ靴。サンダルと違ってグリップはいいし、走れるし、そして何より段違いに暖かい(笑)。この歳になって靴の効用に改めて気付きました。えっ? 年相応の振る舞いをするなら、そもそもサンダル通勤するなって?  …そりゃぁ、ごもっとも!

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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