バイク業界はいま、大きな転換点にある。カーボンニュートラルの流れを受け、各メーカーが電動化へ舵を切る中、原付クラスも例外ではない。海外では電動スクーターがすでに日常の足として浸透し、日本でもインフラ整備とともに現実的な選択肢になりつつある。
その中で、二輪のトップメーカーである本田技研工業が送り出したのがICON e:である。単なる「電動モデルの追加」ではない。原付に乗るすべての人へ向けた、新しいスタンダードの提案だ。そんなICON e:の特徴を紹介する。
ガソリン原付ユーザーにこそ刺さる理由
いま50㏄クラスのガソリン原付に乗っている人が電動スクーターに対して気するのは、航続距離や充電の手間だろう。ICON e:はその不安を、現実的なスペックで払拭する。一充電あたりの走行距離は81㎞(30㎞/h定地走行テスト値)。通勤や通学、日常の買い物が中心であれば十分な距離だ。動力用電源には着脱式バッテリーを採用。フロアステップ下に配置されたバッテリーは取り外して室内で充電できるほか、車体に装着したままでも充電可能。家庭用100V電源で約8時間で満充電となる。
「毎晩スマホを充電する」感覚に近い。ガソリンスタンドへ行く手間がなくなるというのは、想像以上に快適だ。
静かでスムーズ、それが電動の魅力
後輪にはコンパクトなインホイールモーターを採用。パワーコントロールユニットが出力を効率的に制御し、発進は驚くほど滑らかだ。振動が少なく、信号待ちではエンジン音も排気音もない。早朝や夜間でも気兼ねなく走れる静粛性は、住宅街で日常的に使う原付ユーザーにこそ大きなメリットとなる。走行時にCO₂を排出しないクリーン性能も、時代に即した選択だ。
さらにECONモードを搭載。スイッチひとつで出力特性を穏やかにし、省エネ走行に貢献する。電費を意識しながら走る楽しさも、電動ならではの新しい感覚だ。
使い勝手はこれまでの原付以上
電動だからといって実用性が犠牲になっているわけではない。むしろ日常性能は大きく進化している。EM1 e:と違い、シート下には26Lのラゲッジボックスを装備。ヘルメットや買い物袋をしっかり収納できる容量だ。フロント内側には500mlペットボトルが入るインナーラックとUSB Type-Aソケットを標準装備。スマートフォンの充電にも対応する。
買い物袋を掛けられるコンビニフックも備え、通勤・通学・買い物といった日常シーンに抜かりはない。ブレーキはホンダ独自のコンビブレーキを採用し、前後輪に適切に制動力を配分。フロントにはディスクブレーキを装備し、安心感も高い。LED灯火器とフラッシュサーフェスのヘッドライト、反転液晶のフルデジタルメーターが先進性を演出しつつ、視認性も良好だ。
「Easier and Economical Commuter」という答え
ICON e:の開発コンセプトは『Easier and Economical Commuter』。つまり、もっと気軽で、もっと経済的な通勤・通学の相棒である。ガソリン代の変動に左右されず、メンテナンスもシンプル。日常の移動をより静かに、よりクリーンに、よりスマートに変えていく。
原付に長く乗ってきた人ほど、その進化の幅に驚くはずだ。「次も原付」ではなく「次は電動」という選択。ICON e:は、そのキッカケになる一台である。発売は3月23日からで、価格は22万円(車両本体および走行に必要となる着脱式バッテリーと充電器各1個を含めた参考価格。販売価格は販売店が独自に定めている)だ。
COLOR VARIATION
スペック
- モデル名
- ICON e:
- 型式
- ZAD-EF23
- 全長×全幅×全高
- 1,795×680×1,085(㎜)
- 軸間距離
- 1,300㎜
- シート高
- 742㎜
- 車両重量
- 87㎏
- 一充電走行距離
- 81㎞(30㎞/h定地走行テスト値)
- 原動機種類
- EF21M・交流同期電動機
- 定格出力
- 0.58kW
- 最高出力
- 1.8kW(2.4ps)/618rpm
- 最大トルク
- 85N・m(8.7㎏f・m)/110rpm
- 動力用バッテリー
- リチウムイオン電池 48/30.6(V/Ah)
- タイヤサイズ(フロント・リヤ)
- 90/90-12 44J・100/90-10 56J
- 乗車定員
- 1名
CONTACT
- 問い合わせ先
- Hondaお客様相談センター
- 電話番号
- 0120-086819
- URL
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