ほぼノーマルのまま、最高速は340km/h超! Ninja H2R モハヴェマイル仕様

2016年2月9日~2月21日までカワサキワールドで開催される特別展「カワサキモーターサイクルフェア〜カワサキを愛するライダーたち〜」にて展示されていたニンジャH2R モハヴェマイル仕様。チーム38モハヴェマイルに参戦し、実測216.4マイル(348.2km/h)の最高速を達成したマシンである。 フルカーボンのフロントカウルに、大型のフロントフェンダー、チェーンカバーなどを採用したうえで、サスペンションの調整で車高を落としてはいるが、エンジンはスタンダードのまま。ニンジャH2/Rと同様の銀鏡塗装をほどこし、ディフューザー類をすべて取り外したヘルメットや、革ツナギの背中には空気抵抗を減らすべく巨大なコブを装着しているものの、その状態で348km/hの最高速を発揮するニンジャH2Rの性能に驚くばかりだ。

 

 

そもそも、モハヴェマイルって何? チーム38って何という人が大半だと思うので、解説したいと思う。 モハヴェマイルとは、ロサンゼルスの北方にあるモハヴェ空港にある2マイル(3.6km)の滑走路を利用して行なわれた最高速チャレンジのこと。本来であれば、5マイル(8km)の直線コースを利用して行なわれるボンネビル・スピードウィークに挑戦する予定であったのだが、豪雨によりボンネビル・ソルトフラッツが水没してしまったため、急きょ開催された。モハヴェマイルでは、全長3.6kmのコースを使用したため、実際の加速区間はわずか1.6kmほど。その1.6kmを約25秒で走り抜け、時速348kmという最高速を達成したのだ。

チーム38は、カワサキの社内有志で結成されたレーシングチーム。その詳細は下で解説するが、今回モハヴェマイルに挑戦したのは実際にニンジャH2/Rの開発を行なったメンバーたち。ライダーを務めたのも、ニンジャH2Rの開発テストを行なった人物だ。 なお、本来は260k㎡に及ぶ塩湖の上を走るボンネビルとはまったく違うチャレンジとなったため、苦戦をした部分もあったとか。2016年のボンネビル・スピードウィークは2016年9月13日~19日に開催予定。チーム38の再びの挑戦に期待が高まるトコロだ。

 

Team38の歴史を振り返る

カワサキ社内の二輪開発ライダーによるモトクロス同好会として1976年に発足したチーム38。ネーミングの由来は、川崎重工明石工場第38号棟だという。1978年に鈴鹿8時間耐久ロードレースへの参戦を開始して以来、86年までさまざまなレース活動を行なってきた。86年に活動を休止するが、94年に復活。以後、ロードレースを中心に、社内の有志が集い活動を続けている。 上の画像左は1998年にバーハンドルのままのZRX1100で鈴鹿8耐に参戦したときのモノ。ネイキッドとして唯一基準タイムをクリアし、27位でチェッカーを受けた。 画像右は2006年に岡山国際サーキットで行なわれた3時間耐久レースでの1枚。スーパースポーツの中に混じり、ネイキッドモデルのER-6nで参戦した。 下の画像は、GPZ750RのエンジンとKR1000のアルミダブルクレードルフレームを組み合わせたKR750。ベンチテストが途中まで進められたところで、開発が中止。幻のマシンとなってしまった。

 

カワサキモーターサイクルフェアでは、他にこんな展示も

2012年に放送された竹野内豊さん主演のドラマ『もう一度君に、プロポーズ』にて使用されたZ1-Rや、2012年に放送されたAKIRA(EXILLE)さん主演のドラマ『GTO』にて使用されたZ2(750RS)、1994年~2004年に放送された高橋克典さん主演のドラマ『サラリーマン金太郎』にて使用されたZ2(750RS)が展示されていた。 ちなみに、高橋克典さんはドラマで使用したZ2をそのまま購入し、15年以上にわたり所有し続けているのだという。さらに、バイク雑誌などでおなじみのちぱるさんの愛車であるGPZ900R ちぱる1号や、バイクマンガ『ばくおん!!』に登場する来夢先輩の愛車であるZX-12Rの姿も。

 

その他にもニンジャH2Rでの最高速アタック動画は、さまざまある。愛知県にショップを構えるトリックスターは、自社でカスタムしたニンジャH2Rで最高速385km/h(実測352.99km/h)を達成している。

 

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