バイク用語辞典

『バイクの構造・状態』に関する用語

  • スーパーチャージャー

    過給機の一種で、排気を利用して吸気を加圧することで燃焼効率を高めようとするターボチャージャーと異なり、クランク軸の回転運動を利用して吸気を加圧する構造を指す。自然吸気以上に爆発的なパワーを得ることができる。パイク用として過去に純正採用された例はなく、ごく一部でチューニングパーツとして流通していたが、2015年にカワサキがニンジャH2で純正採用。現在では同社ニンジャH2シリーズのほかZ H2も純正採用する。

  • クルーズコントロール

    通常、バイクは手を放すとアクセルオフになるが、設定した一定の速度を維持できる機能。クルマではオートクルーズと呼ばれている。ブレーキやクラッチ操作でキャンセルできるが、キャンセル操作後も直前までの設定速度で定速走行できる機能などもすでに採用ずみ。さらに発売予定のドゥカティ・ムルティストラーダ1260GTでは周辺状況を認識して速度・車間距離を調整するレーダー式クルーズコントロールを世界で初めて純正採用する予定だ。

  • IMU

    Inertial Measurement Unitの略で、日本語では慣性計測装置となる。走行中のバイクがどれだけ加減速しているか? またコーナリング中で寝ているのかどうか? などを計測している。つまり車体の走行状態をこのIMUで正確にリアルタイムで計測することで、直進、コーナリングといった走行状況に合わせた車体制御が可能になる。トラクションコントロールシステムやABSとセットで活用される。

  • センタートンネル

    スクーターの構造に使われる用語で、左右のステップボードの間にある盛り上がった部分のこと。スポーツ性の高いスクーターほどこのセンタートンネルが高く、乗り降りがしづらくなる傾向にある。というのも車体剛性を確保するためにはフレームをより高い位置に通す必要があり、この部分が高くなってしまうのだ。一方、走行性能よりも、乗り降りなどの利便性や服装の自由度を優先するスクーターはこの部分をフルフラットにすることにこだわる。一口にスクーターといっても、このセンタートンネルがあるかないかで、スポーティな走りなのか? 利便性重視なのか? が判断できるのだ。

  • スロットルバルブ

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  • バタフライバルブ

    アクセルの開け閉めによって動かされるパーツで、エンジンへ送る混合気の量をコントロールしている。アクセルを開けばバルブが開き混合気の流入量が増えてエンジン回転数が上昇。逆に閉じれば混合気の供給が減ってエンジン回転数は下がる。スロットルバルブともいう。

  • リザーブ

    ガソリンを一度に使い果たしてまったく走行できなくなる事態を防ぐ仕組みで、燃料タンクとキャブレター間にあるフューエルコックで操作する。通常走行でガソリンが一定量以下になると供給を止め、最初のガス欠が起こる。そこでコックをRES(リザーブ)に切り替えることで、残りのガソリンを使ってスタンドを探せるというワケ。FI車には存在しない。

  • リターン式

    ギヤチェンジ(変速)の方式の一つ。教習車に多く採用されているCB400SFのように、チェンジペダルを踏み込むと1速、上に持ち上げるとN(1速とNが逆の場合もある)-2速-3速とギヤが高くなるのがこの方式。

  • リンク(式)

    Link=つなぐ、連結すること。バイク用語としては、棒状やプレート(アーム)状のパーツを介してリヤのサスペンションユニットとスイングアームを結合している機構のことを指すことが多い。また、そのパーツ自体を指す場合もある。

  • レスポンス

    直訳すれば“応答”ということになるが、バイクの場合はアクセル操作でのエンジンの反応を主に指す。「レスポンスがいい」というのはアクセル操作にエンジンが敏感に反応するということ。なお、プレーキ操作による効き方、悪路やコーナリングでのサスペンションの動きを示すこともある。

    ヤマハのナイケンと、MT-09のエンジン音聞き比べ動画。両者とも同じ直列3気筒エンジンで、同排気量ですが、クランクまわりの慣性マスが異なり、音を聞くと吹け上がり方に大きな違いがあるのがよくわかる。MT-09は軽めのクランクマスで吹け上がりが早くスポーティ。一方、ナイケンはツアラーテイストのおっとりめな吹け上がりで、アクセルを戻したときの回転の戻りも遅め。走ってみると吹け上がりももちろんだけど、ナイケンの方が、スプロケットの丁数が違うこともあり、 低速コーナーでギヤをおとさずと粘ってくれる。やはりツアラーテイストのナイケンはゆったり気持ちよくワインディングを流せる。…でもそんなつもりがなくてもけっこう速いんだよね、このバイク。乗るだけで腕が数段上がった気になってくる!

    タンデムスタイルさんの投稿 2018年10月29日月曜日

  • ロータリー式

    ギヤチェンジ(変速)の方式の一つ。ホンダのカブのように、チェンジペダルを踏み続けると、…1-2-3-4-N-1-2(速)…、とギヤが一周するのがこの方式。

  • モノサス・モノショック

    リヤショックのユニットが1本のタイプのもの。二本のツインショックより軽く、リンクの追加など性能面でもすぐれるため、スポーツモデルに多く採用されている。

  • 油圧

    エンジン内部を潤滑、清掃、冷却、密閉するエンジンオイルはオイルポンプによって圧力をかけ、各部に送られている。この油圧が低くなるとオイルが行き渡りづらくなり、焼き付きなどの原因となる。なお、パスカルの原理を利用して力を増幅させるディスクブレーキのことも油圧式というが、エンジンオイルの油圧とはまったく別物。

  • 油冷

    走行風とエンジン内部を循環しているオイルでエンジンの冷却を行なう方式のこと。オイルクーラーや冷却ファンなどによって熱を放出している。スズキが得意とした冷却方式で、GSX1400やジクサーSF250などがそれに該当する。

  • ラムエアシステム

    フロントカウルなどに設けられた吸気口から走行風を取り入れ、高密度の空気をキャブレターやフューエルインジェクションに送り込む、ハイパワーを引き出すためのシステム。走行風が勢いよく流れる200km/h以上の高速域で3〜5%ほどパワーアップするとされている。

  • ブロックパターン

    オフ車に採用されているような、タイヤのトレッド部分(直接路面に接するところ)に、四角いブロック状の突起が並んでいること。未舗装路の走行での駆動/制動力にすぐれている。

  • ベアリング

    bearing=軸受け。回転する軸を支え、動きをなめらかにする働きがある。たとえば前後輪を支えているアクスルシャフト(軸)はそのまま取り付けると、タイヤが回転することによって生まれる摩擦でうまく動かなかったり、すり減ったりしてしまう。そこで摩擦を減らすベアリングが必要になってくる。

  • 並列(エンジン)

    直列エンジンが横向き(ハンドルをまっすぐにした状態で、ハンドルと平行)になっているタイプのエンジン。

  • ベベルギヤ

    回転軸の角度を変えて動力を伝えるのに使われるギヤ。カワサキW800のエンジンやシャフトドライブに採用されている。

  • 4スト・4ストローク・4サイクル

    吸気、圧縮、爆発、排気の4行程をシリンダー内でピストンが2回往復する間に行なうエンジンのこと。

  • フリクションロス

    friction=摩擦。主に金属部品同士に摩擦が起き、力を損失してしまうこと。これを減らすことで、燃費の向上、パワーアップなどにつながる。

  • パワーバンド

    搭載されているエンジンがもっとも効率よく働く回転域のこと。「パワーバンドが広い(狭い)」というように、エンジン特性を説明する際に使うことが多い用語だ。

  • ハンドルロック

    その名のとおりハンドルをロックすることで、盗難抑止のために考えられたモノ。フレームのヘッドパイプ近くにカギ穴が設置されていることもあるが、イグニッションスイッチで操作することが多い。

  • ピーキー

    アクセル全閉から全開までなだらかにパワーが上がるのではなく、ある回転数から突然、力強さを増すような特性のことをいう。「ピーキーなエンジン」のように使われる。

  • ビルトイン

    そのパーツがはめ込まれていること。ウインカーがカウルに埋め込まれているスタイルのことを「ウインカーはカウルにビルトインされる」と説明する際に用いる。

  • Vツイン

    V型は2つのシリンダーがV字に傾いたレイアウトになる。独特の鼓動、排気音にファンも多い。スポーツバイクにはV字の角度が75〜90度Vツインが多く。アメリカンなどのモデルにはさらにV字の角度が狭い(挟角)Vツインエンジンが採用され、もちろんキャラクターも鼓動感も違う。

    本日の相棒は、スズキのVストローム650のスポークホイール仕様、XTの方。従来モデル比でずいぶんエンジンフィーリングが変わってますね。従来モデルはもっとこうドカドカッという小粒なパルス感があった記憶がありますが、モデルチェンジした新作は、バイイインと軽やかにフケあがるキャラクターになってます。また、気になる新装備のトラクションコントロールの介入具合を知りたいんだけど、このあたりにダートってあったっけ?

    ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2017年6月27日火曜日

    ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2016年12月6日火曜日

  • 熱ダレ/タレる

    長時間の連続走行により発熱してしまい、本来の性能が発揮できていない状態を指す。タイヤ、エンジンなどで発生しやすい。

  • ノーマル(STD)

    新車そのままの状態でユーザーによる変更点がいっさいほどこされていない車両のこと。ちなみに中古車はすでにカスタムされていることがあり、買ったままの状態でもノーマルでないことがある。STD(=スタンダード)と書くこともある。

  • バースト

    タイヤが破裂してしまうこと。発生する代表例は高速連続走行時で、タイヤの空気圧不足が主な原因。タイヤへの負荷が大きくなる高速連続走行時、タイヤ空気圧が低いと“たわみ”が大きくなる(=スタンディングウェーブ現象)。たわみが連続するとタイヤは異常発熱し、最終的には破裂してしまう。

  • バーチカルツイン

    シリンダーが地面に対し垂直に配置されている並列2気筒エンジンのこと。W800などに採用されている。

  • ハイサイド

    コーナリングで後輪がスリップした際にアクセルを戻すなど、何らかの要因でタイヤのグリップ力が急激に回復し、突然バイクが激しい挙動を起こす現象。転倒につながる危険な状態。

  • バックファイア

    エンジン内の爆発が、点火時期の狂いなどの原因で吸気側(エアクリーナーなど)へ逆流すること。対して、エンジンで完全燃焼しなかった混合気がそのまま排気され、マフラーの中で爆発するのはアフターファイアという。

  • バッテリーあがり

    なんらかの原因でバッテリーの電圧がセルモーターを満足に回せないくらい低下(放電)してしまった状態。

  • パラ(レル)ツイン

    並列2気筒エンジンのことで、シリンダーが平行に並んでいるタイプ。バーチカルツインとの違いは、車体に対してシリンダーが垂直方向に直立しているのか、そうでないかの違いだけ。

  • デコンプ

    デコンプレッション=圧抜きの略。セルスターターではなくキックでエンジンを始動させる場合、ピストンが混合気(ガソリン)を圧縮するので、大きな力が必要となる。その際、排気バルブを開きシリンダー内の圧を抜く装置がデコンプである。レバーで操作する手動式のもの以外に、キックアームの動きと連動するオートデコンプがある。

  • トラクションコントロール(トラコン)

    前後輪の車速センサーが、アクセルの開け過ぎなどで起こる後輪の空転を感知すると、自動的にエンジンの出力を制御を行なって空転を抑え、スリップダウンなどによる転倒を防ぐ安全装置。