逃走劇の結末は…

逃走劇の結末は…

 減速したはずの2台のバイクが一転、猛烈な加速で迫ってきたと思ったらあっという間に横を抜けていった。そして、サイレンを鳴らした覆面パトカーもそれに続いていく――。「カーチェイスだ!」。日曜日の夕刻、中央自動車道で覆面パトカーの取り締まりを拒否した2台のバイクが逃走したのだ。クルマを運転していた僕は、思いがけない事態に少し興奮してしまったのだが、その結末がどうなったのかはわからない。追いかけたいという興味本位な気持ちも生まれたものの、とてもじゃないが追い付けるような速度ではなかった。その先に渋滞区間があったことから、バイクが逃げ切った可能性は十分にある。

 

 いや、本当の意味で逃げ切れるのだろうか? いくらその場でパトカーの追跡を振り切ったとしても、バイクのナンバーを記録されていたらアウトだ。警視庁の交通相談センターに問い合わせてみると、「警察車両にも料金所にもいたるところにカメラがあるので、その場で逃げても結局は家に来る」というもっともな回答。もしその場で捕まったら現行犯逮捕となり留置場で拘束。検察に身柄を送検され、罰金か起訴されるか処分が下るというのが一般的らしい。どちらにしろ、あのライダー2人は取り返しのつかない選択をしてしまったのだろう。

 

 逃走時に重ねた違反もすべて加算されるそうで、捕まれば免許証の一発停止は確実。追いかけられるという焦りからスピードを出し過ぎ、操作や判断を誤って事故を起こす可能性だってある。自分が命を落とすか、他者を巻き込んで仕事も家庭もすべて失うか…。もしかしたらパニックで思考が働かなかったのかもしれないが、“逃げる”リスクはとてつもなく重い。

 

 一つ気になったのは、逃走の決断を下したのはおそらく先頭のライダーであって、後ろのライダーにそんな気はなかったかもしれないということ。つい先頭の動きに引っ張られてしまい、「お前なにやってんだよ~!!」と絶叫していたかもしれない。先頭の人は他者を思いやり、後ろの人は流されることなく冷静であることも大事といえそう。

逃走劇の結末は…

イトウくんのプロフィール

「人生最後の晩餐は何がいい」と聞かれたら、味噌煮込みうどんと正気で答える、愛知県出身ではないのに名古屋メシに熱狂する28歳。ロングツーリングといえば味噌煮込みうどんを目指す名古屋までが鉄板(あぁ名古屋に住みたい)。編集部内では年齢的に若手といわれているが、外見的には35歳前後といわれることもあり、焼き魚や煮物の食卓に心和む男にフレッシュ感は皆無。若いのかおっさんなのか微妙な年ごろである。

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