バイク用レインウエアで知っておくべき5つのポイント

[POINT4] 防水と撥水はじつは別モノ!

防ぐのと弾くのでは作りが異なる。使い方もじつは別

レインウエアに「防水性にすぐれ…」「撥水性を高め…」といった説明書きがあるのを見たことがある人もいるだろうが、防水と撥水は何が違うのか? じつはこの両者は似ているようで異なる。防水は、水を通さないよう生地表面にコーティングなどの加工をほどこしたモノ、あるいは塩化ビニールや合成ゴムなどそもそも水を通さないモノのことを指す。撥水は、生地の繊維レベルでコーティングをほどこしたり、特殊な起毛生地を使って水滴を弾くモノを指す。

防水と撥水の仕組みのイメージ

防水は状態を強固な保持させやすいものの、撥水は強固なコーティング効果を保持できず、徐々に効果が薄れていく。さらに、水を弾ききれないほどの大雨や霧のような細かな水滴も防ぎきれないこともある。そのため現在のレインスーツは撥水素材と防水透湿素材を組み合わせているモノがスタンダード化しているのだ。

 

ただし、用途に応じてレインウエアは選んだほうがいい、とは最初にも書いた。長距離や大雨が降るケースを別として、小雨やほどほどの雨のなかを数㎞を走る程度なら、防水ではなくても撥水処理されたウインドブレーカーでも代用可能だからだ。だがゲリラ豪雨や防寒までを想定すれば、防水素材を選びたい。

 

防水と撥水のいずれかを重視するかはライダーの目的次第。それぞれの特性の違いをまず理解したうえで、通勤、ロングツーリングごとの緊急事態に幅広く備えられるのだ。

[POINT5] レインウエアを長持ちさせる!

適切なメンテナンス=洗濯で寿命は大きく変わる

レインウエアは数年ごとに買い替える、という印象を持っている人も少なくないだろう。ところがメンテナンス次第で寿命は大きく改善できる。レインウエアが短命だと思っている人の多くは、洗濯もできないから使うたびに撥水性や耐水性が落ちたり、シーリングの剥がれによる染み込みを理由に挙げることが多いだろう。しかし、洗濯することによって汚れをしっかり落としたほうが生地が傷みにくくなり、防水性をたもつことにつながるのだ。

 

とくに防水透湿素材は微細な穴が開いているわけだが、生地が汚れていると水も水蒸気も通さず、透湿性が失われてしまう。そのため専用洗剤を使用して清潔な生地をたもつべきなのだ。

 

しかし撥水性の素材は洗濯することでコーティング成分が落ちることもあるので、洗濯後には撥水スプレーなどで撥水対策を補完すること。

 

着るたびに洗濯すべきかと言われれば、できればしたほうがいいのだが、使用後には少なくとも汚れや水分をふき取ること。自然乾燥では雨に含まれる汚れがそのまま付着したままになるので、汚れを取り除くことを意識しよう。適切なメンテナンスによってレインウエアは長寿命化してくれるし、高性能・高機能なモノの性能を維持しやすくなるぞ。なのでレインウエアは洗濯可能なモノから選ぶのが賢い選択になるってわけだ。

レインウエアを水滴を拭き取る様子

レインウエア選びのポイントは以上。では具体的には?

有名メーカーから各数値を参考に選びたい

量販店にある膨大なレインウエアから何を基準に選ぶべきかは、まずバイク用のなかから用途・素材・耐水圧・洗濯(整備性)を考慮して選びたいと挙げてきた。とはいえ具体的にこういうモノがある、とわからないまま膨大なレインウエアと総当たりするのは賢明な話ではない。

 

そこで編集部でセレクトした以下のレインウエアを参考にしていただきたい。いずれも高性能モデル、あるいはスタンダードとして使いたいモデルが中心となるが、備えがないと雨に降られればズブ濡れになるしかないのがバイク乗りの現実。各数値を参考にしつつ、以上で挙げてきた点などを加味して、自分に最適な1着を購入していただきたい。

ライダー向けレインウエアセレクション

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