ライダーにとっての悩み、それは料金所における後続車からのプレッシャー
試験的に無料化されている路線もいくつかあるものの、主要な高速道路はほとんどが有料。つまり走る際には、高速道路の入口もしくは出口で、お金を支払う必要があるわけだ。バイクの場合、この“料金所の通過”というシーンが一つの関門になっていると言っていい。というのも、クルマ(四輪)であれば料金所待ちをしている時間に料金を用意することもできるけれど、バイクではそれが不可能だからだ。
もちろんETC車載器を装備したバイクであればストレスなく料金所を通過できるのは言うまでもない。しかしバイクに乗り始めたばかりの初心者にとってETC車載器は高嶺の花…、金銭的なハードルが高いことだろう。なのでここではETCレーンは使わず一般レーンを使用する前提で話を進めていく。
なぜバイクは料金所の通過に時間がかかる?
クルマの場合、10秒程度停止する時間があれば十分に料金所を通過することができる。チケットを受け取るだけなら、5秒でも可能だ。しかし、クルマにとってはそんな普通のことが、バイクにとっては大仕事なのである。
まず料金所の前で停止したらグローブを外し、サイフを取り出し、そこでようやく料金の支払いができる。それが終わったら、またサイフをしまい、手にグローブをはめて、再出発…。30秒以上かかることもめずらしくないだろう。
本線から遠いレーンを狙おう
ETCを装備していない車両は“一般”のレーンを利用することになるのだが、本線の真っ正面にあるレーンは、やはりクルマも集中しがち。自分の後ろにクルマがズラッと並ぶプレッシャーをさけたいなら、もっとも本線から遠いレーンを目指せばいい。多くの場合、左端となるだろう。料金所が近付いてきたら(看板の表示で確認できる)左端へ寄る心構えをしておこう。
キルスイッチを使う
料金所で停止するとき、ニュートラルを出すのが苦手な人はそれだけで時間がかかってしまうだろう。そんなときは一速の状態でキルスイッチを使ってエンジンを止めてしまうと早い。ただしリスタートするときは、セルボタンを押す前にキルスイッチを元に戻すのと、クラッチをにぎるのを忘れずに。「セルが回らない!」と、アセる事態を招いてしまうと本末転倒だ。
タンクバッグやウエストバッグなどを活用
“ポケットからサイフを取り出して支払う”というのは、スピーディな方法とはいえない。たとえばウエストバッグやタンクバッグなどを使い、すぐに現金を取り出せるように用意しておくと便利だ。またお金を払うときには、小銭があってもあえてお札を出すというのも手。紙幣を手渡すだけなのでスピーディなのだ。
支払いはクレジットカードで
複数台いるときは、まとめ払いをしよう
もし仲間と一緒にツーリングに出かけるのなら、たとえごくわずかしか高速道路を走らない(休憩が必要ないほどの距離)だとしても、途中でSAやPAに立ち寄るようにしよう。というのも、休憩時に代表者が全員分のチケットを回収しておけば、高速道路を降りるときに“まとめ払い”ができるからだ。
やり方はカンタン。インターを降りて料金所にアプローチする際に、全員分のチケットを持つライダーが先頭を走り「後ろのバイク○台も一緒にお願いします」と言うだけ。こうすれば、支払い作業をするのは先頭の1台だけでOK。後続車はそのまま料金所を通過できるので、かなりスピードアップにつながるのだ。