SUZUKI GIXXER SF250

車両インプレ・解説

メーカーイチオシ！バイクセレクション 2024

SUZUKI, 126㏄〜400㏄

2024年3月17日

規制や時代の変化に合わせて進化した油冷エンジンを搭載

スズキならではのエンジン冷却方式、油冷。その油冷を新しいカタチで採用するなど、パフォーマンスを高めるために投入されているさまざまな技術と、それらが生み出す走りにこそ、このモデルの真価はあるのです

スズキ広報さんのオススメポイント

軽くて取りまわしがしやすい車体で存分に楽しめる、ライトウエイトスポーツモデルです。
ほかとかぶらない個性を独り占め！一目でジクサーSF250とわかる特徴的なヘッドライトに加え、切削加工をほどこしたホイールなど、細部まで高級感のあるデザインです。
気持ちのいいパワー感を演出する油冷エンジン。高回転域まで回る単気筒エンジンで、軽快かつ爽快なライディングを堪能できます。

GIXXER SF250のスタイリング

LSB2024_SUZUKIジクサーSF250_01 — マットステラブルーメタリック

各部から伝わってくる作り手の車両への熱い想い

油冷エンジンって？　簡単にいうと空冷と水冷のいいとこ取りのようなエンジンなのです。水冷ほど複雑ではないから重くはならず、空冷よりしっかりエンジンを冷却できる。過去にスズキが採用していた冷却方式を、再び採用したのです。

ジクサーに搭載のエンジンは、高出力でありながら環境性能にすぐれたエンジンにするため、スズキが以前使っていた油冷エンジンとはまったく異なる新しい冷却方式が開発されました。作り手の情熱と苦労がすごく詰まっています。また、エンジンを軽く・小さく・シンプルにと考えて作られているのは、車両の軽量化にも貢献しています。軽いことで気軽に乗り出すことができ、実際に乗っている時も軽やかに走れるのって大事だと思います。

デザインに目を移すと、縦目2灯のLEDヘッドライトがスズキのスポーツモデルらしさを表し、左右に広がりキリッとした特徴的な表情はジクサーらしい個性となっています。また、ブロンズ塗装のエンジンカバーや、ホイールの細いスポークにほどこされた切削加工、加えてリムデカールも2色使うなど、ルックスからしてしっかりとアピールできているスポーティなモデルなのです。撮影車両の、シックで大人びたブルーも素敵な色合いです。

また、スタートボタンをエンジンが始動するまで押し続けるのではなく、ワンプッシュするだけですむスズキイージースタートシステムを装備していたり、ヘルメットホルダーが用意されていたりとライダーへの細かな配慮がされているところも、この車両のポイントになっています。

近年250ccクラスの現行モデルが高額となり、100万円近い車両もある中で、フルカウル仕様ながら51万円台ということが驚きです。極力機能をシンプルにしたり新しい技術を取り入れないことで価格を抑えるのは簡単にできそうですが、ジクサーは違います。新しい技術を取り入れ、前後LEDライトを採用し、デザインのディテールにもしっかりこだわったうえで、この価格を実現しているのです。

そして、ネーミングからも、この車両に込められたメーカーの“スポーツモデルとして楽しんでほしい”という想いが伝わってきます。由来はスズキのGSXというスポーツブランドにあります。長い車名は、万国共通で短く略されるようで、GSXをアメリカのライダーたちは、“ジクサー”と略していたのです。それを逆にメーカーが車名にしたのが、このジクサーなのです。

油冷エンジン搭載モデルはネイキッド版のジクサー250やアドベンチャーモデルのVストローム250SXがあるので、フルカウルモデル以外を検討している人は、ぜひそちらをチェックしてみてほしいです。