YAMAHA XSR700

特集ビギナービッグバイクデビュー
大型デビューにぴったり!ミドルビッグ最前線

No.
193
特集ビギナービッグバイクデビュー大型デビューにぴったり!ミドルビッグ最前線

誌面を“まる読み”できます!

※公開中の誌面内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

インプレッションの誌面を開く
Zoom inZoom inZoom inZoom in
Zoom outZoom outZoom outZoom out
Toggle full pageToggle full pageToggle full pageToggle full page
前のページ
次のページ

 

バイク界の新たな潮流となっているネオレトロモデル。クラシカルな見た目に反して、走りのレベルが引き上げられているのがミソだ。それに加えて、大型クラスで扱いやすさと楽しさも兼ね備えたモデルといえば? 真っ先に浮かんだのが、このXSR700である。

文:横田和彦/写真:増井貴光

鼓動感あるエンジンと軽量ボディがコラボ!

 

近年、注目のカテゴリーとなっている“ネオレトロ”に位置する大型ミドルバイク・XSR700。他社のネオレトロモデルとの違いは、過去のバイクをモチーフにしていないこと。現代のマシンのディテールを昔のモデル風に仕上げているのが特徴。それだけに他にはない個性的なスタイリングとなっている。ベースとなったのはベストバランスとの評価が高いMT-07。スチール製ダイヤモンドフレームに搭載された並列2気筒エンジンや足まわりなどのプラットフォームは共通で、外装を中心に変更されている。

 

ハンドル幅が広くシートが厚くなっているので、ポジションは大柄な人でもヒザの曲がりが楽に感じられるもの。逆に言えば小柄な人にはちょっと高いかもしれない。しかし車重が軽いので支えるのは苦じゃない。タンク形状も独特だがニーグリップ感は自然だ。

 

並列2気筒エンジンはリズミカルにアイドリングを刻み、アクセル操作に対しての反応も上々。爆発にあわせて路面を蹴り出すようなトルクフィールだが、決して暴力的ではなく扱いやすい。そのため兄貴分にあたるXSR900に搭載されているような切り替えられるパワーモードはないが、とくに不足は感じない。ここで勘違いしてほしくないのは、だからといって大人しすぎる性格のエンジンではないということ。低いギヤのときにアクセルを大きく開けると、フロントの接地感がスッと薄れるほどの瞬発力をみせるのだ。低回転域では鼓動感があり、リズミカルに回転が上昇していく感覚は躍動感に満ちている。パワーの出方は唐突じゃないので、ビギナーでも安心して走り出せるフレンドリーさがあるのだ。

 

ハンドリングはヤマハらしく軽快。ただMT-07とはフィーリングが異なる。そうなる理由はポジションが違うからだと想像できる。ハンドル幅が広いので車体コントロールがより容易に行なえる反面、小柄なライダーだとUターンなどで腕が伸びきってしまうことも。しかし車体が軽いので、落ち着いて対処すれば余裕を持ってクリアできるはずだ。車体が軽いことはワインディングでも強みになる。より短い時間でブレーキングを終わらせ、素早くバンクさせることができるのだ。サスペンションがよく動くのでコーナリング中の姿勢も安定。コーナーの出口では2気筒エンジンのトルクを活かして軽快に立ち上がることができる。XSR700のよさは、この一連の流れをまったく気負わずに、自然にこなせること。これはビギナーにとって大きな安心材料であると同時に、ベテランにとっても新鮮な感覚だといえよう。

 

じっくりと試乗してわかったのは、XSR700が単にクラシカルなスタイルだけを追ったバイクではないということだ。走り始めてすぐにライダーとシンクロし、思いのままに走らせることができるので、バイクで移動するということがいかに楽しいかを再認識させてくれるのである。

 

そもそも取りまわしが極端に重い大型バイクだと乗るまでに緊張してしまい、走り出しても信号待ちなどが気になってなかなかリラックスできない。しかしXSR700のように軽量であれば、乗ろうと思ったときにすぐ走り出せ、どこへでも行こうという気になる。毎日の生活の一部に自然と溶け込んでくれるのだ。大型バイクのカテゴリーでは貴重な存在である。

扱いやすく楽しい2気筒エンジン
6,500回転で最大6.9kgf・mのトルクを発生する並列2気筒エンジンは、低回転域で粘り強く、街中でのストップ&ゴーや低速走行時でもギクシャクすることなくスムーズに操れる。もちろん、ひとたびアクセルを開けられ元気よく加速。パワーの供給が鋭すぎないのでアクセルワークに神経を使わなくてもいい。フレンドリーでありながらどんなシチュエーションでもライダーを楽しませてくれる奥深いエンジンだ

 

XSR700のディテール

 

XSR700の足つき&乗車ポジション

身長166㎝/体重70㎏
MT-07よりわずかに腰高だが、スリムで軽量なため不安は感じない。ハンドルが高いので上体が起きた姿勢になる。ステップ位置は低めでヒザの曲がりには余裕がある

 

SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高
2,075×820×1,130(㎜)
軸間距離
1,405㎜
シート高
835㎜
車両重量
186kg
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列2気筒・688㎤
最高出力
54kW(73㎰)/9,000rpm
最大トルク
68N・m(6.9kgf・m)/6,500rpm
燃料タンク容量
13ℓ
燃費(WMTC)
23.9㎞/ℓ
価格
89万9,640円(税8%込)
メーカー製品ページ

https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/xsr700/index.html

CONTACT

問い合わせ先
ヤマハ発動機カスタマー コミュニケーション センター
電話番号
0120-090-819
URL
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/

※記事の内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

この記事が気に入ったら
いいね!とフォローしよう

タンデムスタイルの最新の情報をお届けします