Kawasaki ニンジャ H2 SX SE

特集ビギナービッグバイクデビュー
あこがれの超大型

No.
193
特集ビギナービッグバイクデビューあこがれの超大型

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※公開中の誌面内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

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998㏄直列4気筒エンジンにスーパーチャージャーを装備したニンジャH2の登場は、驚愕と同時に大いなる夢を提供してくれた。それから3年。過給器エンジン搭載モデルは新たなステージへ進んだ。ツアラーへ転身したマシンのフィーリングは果たしてどのようなものだろうか?

文:横田和彦/写真:武田大祐

最高出力200馬力はビギナーに扱えるのか?

Ninja H2とはまったく違うキャラクター

機械式スーパーチャージャーを搭載したニンジャH2(以下H2)の登場は我々に大きな衝撃を与えてくれた。乗り味も強烈で、アクセルを開けた瞬間に見せる身体が置いていかれるような過激な加速力は、他のどのバイクでも感じられなかったもの。このモンスターをコントロールし続けるには相応のテクニックと精神力が必要だと思ったものだ。その印象が強く残っているだけに、H2をベースにしたツアラーが発売されると聞いたとき、どんなマシンになるか興味津々だった。

 

ニンジャH2 SX SE(以下SX)は、H2と酷似したデザインのフロントフェイスを持つ。巨大なエアダクトが開口したフルカウルが印象的で、高いスクリーンやパニアケースがツアラーらしさを高めている。ポジションはやや高く手前にセットされたハンドルにより、無理のない軽い前傾姿勢。シートは肉厚がありニーグリップしやすい形状だ。フィット感が高く馴染みやすい。座り心地もよく長距離ランも余裕でこなせそうだと感じた。

 

エンジンを始動するとインペラの作動音だろうか、通常の直列4気筒とは異なるサウンドが響く。静かな住宅街では気をつかうかもしれない。ギヤを入れH2のことを思い出しながら慎重にクラッチをつなぐ。予想に反して走り出しはスムーズ。少々ラフなアクセル操作でも唐突に加速しない。実にジェントルでなめらか。そこからアクセルを開けると、過給器付きエンジン独特の“パワーが倍々に上乗せされていくような加速”をするのだが、ジャジャ馬感満載のH2とは違いコントロールできるようしっかり調教されている。交通の流れにあわせつつ楽しみながらアクセルを開けられるのだ。

 

高速道路では先進のトレリスフレームや伸ばされたスイングアーム、よく動くサスペンションなどにより高い安定性を誇る。大型スクリーンの防風効果も高く居住性はバツグン。高速コーナーでのハンドリングも落ち着いている。その感覚は2人乗りでも変わらないので安心して長距離のタンデム走行ができるキャラクターだ。

 

峠道ではSXが持つもう一つの顔が見える。コーナーの手前でブレーキングすると重量感がある手応えを感じさせながら減速。ブレーキのタッチは良好でコントロール幅も広い。確実に減速し、ねらったラインをトレースしてバンクしていく。コーナーリング中の車体姿勢も安定していて精神的な余裕を持てる。コーナーの出口でアクセルを開けるというH2であればかなり慎重になるシーンでも、SXなら一般的なリッターバイクと変わらない感覚でいける。ライダーの意志に忠実なエンジン特性と、積極的に車体コントロールできるポジションの組み合わせによって、その気になればスポーティな走りもできるのだ。

 

SXがビギナーにも乗れるかと聞かれれば、日常での扱いやすさを重視し開発されているため一般的な大型バイクに乗った経験があれば対応可能だろう。常用回転域のエンジン特性やハンドリングはいたって素直なのだ。ただし一気にパワーが盛り上がる高回転域を駆使するには相応の技量が必要。といってもそれはSXに限らずリッターバイク共通のハナシだけれど。

 

SXのコンセプトはリッターバイク並の車体サイズで、メガスポーツ級の動力性能を発揮すること。また川崎重工が持つ技術の粋を集めて開発した、世界に類を見ないスーパーチャージド・エンジンをより身近に体感できることも魅力だ。カワサキは新たなツアラーの世界を切り開いたのである。

 

スーパーチャージャーとは?

シリンダー内に送り込まれる混合気(空気とガソリンが混ざったもの)をファンなどで強制的にの供給量増やし、エンジンの回転上昇率を飛躍的にアップし、パワーアップする仕組みのこと。ニンジャH2シリーズは、クランクシャフトから動力を取り、ファン(インペラ)を回して混合気を送り込む機械式スーパーチャージャーを採用している。

 

スーパーチャージャーの要であるインペラは高精度・高耐久を重視。鍛造のアルミブロックから5軸CNCマシニングセンタを使い、削り出されている

 

Ninja H2 SX SEのディテール紹介

 

Ninja H2 SX SEの足つき&乗車ポジション

身長166㎝/体重70㎏
着座位置は低め。シートが絞り込まれているので足つき性は良好だ。前傾姿勢が強すぎないポジションもロングツーリングに適している。タンデム時も車体姿勢は大きく変化しない。

 

SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高
2,135×775×1,260(㎜)
軸間距離
1,480㎜
シート高
820㎜
車両重量
260㎏
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列4気筒・998㎤
最高出力
147kW(200ps)/11,000rpm
最大トルク
137N・m(14.0kgf・m)/9,500rpm
燃料タンク容量
19ℓ(ハイオク仕様)
燃費(WMTC)
17.9㎞/ℓ
価格
237万6,000円(税8%込)

Ninja H2 SX製品ページ

CONTACT

問い合わせ先
カワサキモータース ジャパンお客様相談室
電話番号
0120-400819
URL
https://www.kawasaki-motors.com/mc/

※記事の内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

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