HONDA ゴールドウイング ツアー Dual Clutch Transmission〈AIRBAG〉

特集ビギナービッグバイクデビュー
あこがれの超大型

No.
193
特集ビギナービッグバイクデビューあこがれの超大型

誌面を“まる読み”できます!

※公開中の誌面内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

インプレッションの誌面を開く
次のページ
前のページ
新型ゴールドウイング  ツアーでコーナリング
ゴールドウイング ツアーでコーナーを攻めるとエンジンのガードが路面に接触しはじめる。しかし、樹脂パーツなので安価に交換が可能。もちろん立ちゴケ対策としても有効だ

 

新型ゴールドウイング  ツアーで高速道路を走行

 

ビギナーから一番遠いビックバイクはなんだろう? と考えたときに真っ先に思い浮かぶのが、このゴールドウイングではないだろうか? 価格、装備、そして重さなどなど、どれをとってもかなり敷居は高いハズだが、新型ゴールドウイングはどうなのだろう!?

文:谷田貝洋暁/写真:武田大祐・関野 温

走り、デザイン、快適性、全てにおいて予想以上

GOLDWING TOUR DCTのスタイリング

 

「オジさんバイクとは言わせん」そんな気迫がみなぎる改変

17年ぶりにゴールドウイングがフルモデルチェンジし、6世代目へ突入。今回刷新された機能装備はたくさんあるが、最大のフューチャーポイントは、やはりフロントサスペンション機構の改変である。従来のテレスコピックタイプから、ダブルウィッシュボーンタイプに構造が変更されたのだが、いったいこれで何が変わるのか?

 

まず第一にエンジンの搭載位置を前にできたことで前輪荷重と後輪荷重の最適化が行なえた。…なぜ、サスペンション形式を変更すると前輪荷重が増やせるのかって? 順序立てて説明しよう。まずダブルウィッシュボーンのサスペンションは、一般的なテレスコピックとはタイヤの動く方向が違い、垂直方向に弧を描く。つまりテレスコピックサスペンションのように車体方向へ縮まないのだ。これにより最大重量物であるエンジンを前方へ追いやれ、全長のコンパクト化はもちろん、ライダーの着座位置もマシンの重心位置に近付けることができた。スポーティでより操作しやすいキャラクターへと進化することができたというワケだ。

 

またフロント足まわりの剛性も飛躍的に向上している。筒の中で筒が動いてストロークするテレスコピックサスペンションでは、支えられる車両重量に限界がある。筒の径を太く厚みを増せば剛性は確保できるだろうが、今度はトップブリッジが幅広になり、ハンドル切れ角が確保しづらいといった弊害が出るからだ。

 

では新採用のダブルウィッシュボーンサスペンションはどうか? テレスコピック式のサスペンションが行なっていた操舵と懸架の二つの仕事を構造的に分離独立させることで、足まわりの剛性確保と舵角、操安性の確保が効率よく行なえたというワケだ。

 

実際走ってみると、これがもう別物。旧ゴールドウイングで走ると、停止直前やUターン時など、車体の重さがもろにフロントフォークにかかる場面で、ハンドルが左右にグラグラと不安定に感じるときがあった。足まわりが車体の重さでタワむことで起きるブレだが、これが新型のゴールドウイングならまったく皆無。フロントブレーキをがっつりかけながらの減速もスムーズで、ロードスポーツバイクのような自然な動きでリーンする。旧オーナーはこの足まわりだけで乗り替えを決意していい。

 

先進装備という意味では、最上位機種のエンジンに、7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)のオートマチックエンジンを採用したことも大きいだろう。DCTはアフリカツインなどでも採用され、定評を得ている機構だが、いよいよフラッグシップモデルであるゴールドウイングにも採用されるに至ったのだ。

 

このDCTの制御も非常に的確でストレスフリー。コーナリングで減速すればそれに合わせたシフトダウンを行なうし、極低速やUターンなどのアクセルコントロールがシビアになるような場面でも、きっちりライダーの意図どおりの動きをしてくれる。変速ショックが少ないという意味でも、コンフォート性を追求する本車のキャラクターにぴったりの機構だろう。

 

DCTについてもう少し突っ込んだ話をすれば、今回のゴールドウイングではレイン、ツアー、エコノ、スポーツの4つのライディングモードから選べるのだが、このキャラクターの味付けの方向性が、それぞれに際立っていて非常に変化を体感しやすい。

 

特に顕著に感じたのがスポーツモード。発進時、無闇にアクセルをガバ開けしてみたら、フロントアップしないまでも、フロントの接地感がはっきりと抜けるのがわかるほどの加速をする。このスポーツモードは間違ってもタンデム時には、二人の良好な関係性を保つためにも使わない方がいいだろう(笑)。一方でエコノは極力、アクセルのオンオフや変速のショックで車体の挙動変化が起こらないようなセッティングがほどこされている。

 

マシンインプレのために、まずは6時間ほどこのニュー・ゴールドウイングを走らせてみたが、このモデルの真価を味わうにはもっと長い時間を走らねばなるまい。僕はこのゴールドウイングとロングディスタンスな旅に出る決意をしたのだ。

 

新型ゴールドウイングは長距離でもらくらく

 

新型ゴールドウイング  ツアーでダートを走行
砂利道でもダブルウィッシュボーンサスペンションのおかげで怖くない。旧型のゴールドウイングにはなかった特性だ。今回、インプレッションがてら都内から青森の尻屋崎まで走ってみた。そのツーリングの模様はトップページのPDF版にて公開中!

 

尻屋崎!!

ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2018年4月10日火曜日

 

次ページでGOLD WING Tour DCTのディテール&足つき紹介!

CONTACT

問い合わせ先
Hondaお客様相談センター
電話番号
0120-086819
URL
https://www.honda.co.jp/motor/

※記事の内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

この記事が気に入ったら
いいね!とフォローしよう

タンデムスタイルの最新の情報をお届けします