YAMAHA トリシティ 155

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トリシティ155となら雪山だって射程圏内

そんなこんなで、シャーベット状の雪道から圧雪路、ツルツルのアイスバーンと、タイヤチェーンを付けていろいろな雪質の上を走ってみたけど、LMW機構をもつトリシティの雪道への適性能力の高さは十二分に証明できたのではなかろうか?

 

さて話をツーリングに戻そう。今回、僕がトリシティ155と目指したのは、長野県は八ヶ岳の中腹にある稲子湯という一軒宿。通年営業している鉱泉の温泉宿なのだが、八ヶ岳登山をするための登山口でもある。

 

まず1日目はトリシティ155で雪道を楽しく走って、登山口の温泉宿までアプローチ。明けた次の日は、朝からスノーシューを履いて雪山散策。条件がよければ片道2時間ほどのところにある山小屋を目指してみよう、…というのが関越道のチェーン規制で行き先変更を余儀なくされたときに立てた代替プランだ。ちなみに新潟県へと問題なく抜けられたなら、湯沢あたりのスキー場で遊ぶ予定を立てていた。

 

その場で宿泊の予約とともに、道路状況と天候も確認したのだが、どうやら数日間は天気も安定するようだし、雪山散策も楽しめそうである。

 

僕が親に連れられて登山らしい登山をしだしたのは小学生のころ。一方、バイクはそれよりは短いものの、かれこれ20年以上走っている。だけどバイクで冬山へ乗り付けるのは今回が初めてのこと。もちろん無雪期の山へならいくらでもバイクで乗り付けたことがある。公共交通機関のように時間に縛られず、機動性もあって便利なのがバイクを使う理由だけど、雪道となるとあまりに無謀で、やろうと思ったことすらなかった。雪道でのリスクが低い原付二種クラスの小排気量車では高速道路に乗れなくてアプローチが大変だし、マシンが大きくなれば、重くて雪道でのコントロール性が悪くなる。それに冬山に入るとなれば、それなりの装備も必要になるから荷物も多い。

 

そこへトリシティ155が登場したわけだけど、コイツとなら高速道路でラクラクアプローチできて、LMWのおかげで雪道にも強そう。しかも荷物かなり積めそうだと踏んだのが今回のトライの根幹というワケだ。

 

まぁ、温泉宿のおかみさんは「バイクで来たの?」と、さすがにあきれていたが、「バイクは雪がかからない軒下に停めていいから、早く温泉に入って温まりなさい。濡れモノはこの部屋のストーブで乾かしていいから」とトリシティともども暖かく迎えてくれた。

 

いやはや、寒風の中を走ってきていただく温泉は格別である。外気温はマイナス5℃。夜になればマイナス10℃以上に冷え込むだろう。そんな極寒の世界へだって、トリシティ155となら来ることができてしまうのだからたいしたもんだ。

 

雪道を楽しみながら本日の宿へと到着。トリシティで遊びすぎたおかげで到着が遅くなってしまったぜ

 

一軒宿の稲子湯は八ヶ岳登山の玄関口でもある。泉質は硫黄系の鉱泉だが、強すぎず弱すぎずでかなり温まる。このお湯のためだけに走ってくる価値があるぞ
2日目、雪山散策を存分に楽しむ!
朝8時30分。稲子湯を出立するが、どうやら今日の登山は僕らが一番乗り。踏み固められてない雪道を歩くのが大変だけど、一番乗りというだけでなんだかうれしいもんだ

 

 

標高2,097mにある、しらびそ小屋に到着。名物のみどり池は雪原になっていた。正面は北八ヶ岳の最高峰・天狗岳で標高2,646m

 

 

木漏れ日を見付けたら、お湯を沸かして小休止。こんな気温だと陽が当たるだけでもありがたいのだ

 

非常食がてら持って来たのは、コンデンスミルクとゆであずき。カップによそえばサラサラのパウダースノーかき氷の出来上がり

 

 

トリシティ155+タイヤチェーンで厳冬期の深い雪道を試乗インプレッション
装備しだいでは厳冬期の山で、温泉どころかスノーシューハイクも楽しめてしまった。こんな旅ができるのは、LMWで荷物も積みやすいトリシティ155ならではなのだ

 

トリシティだから、ここまでやってこれた!

これをもってトリシティとなら、ウインタースポーツだって十分楽しめることが実証できたはず。それに今回はスノーシューで雪山散策を楽しむことにしたけど、ゲレンデでレンタルスキーやスノーボードで遊んでみるのも楽しいだろうし、今回の稲子湯のようにベース基地さえ、しっかりしたところを選べば、厳冬期登山用のプラブーツやアイゼンなんかを持ち込んで、ピークを目指すなんてこともできるだろう。

 

まぁ、そこまでではなくてもトリシティとなら、寒いというぐらいの理由では、真冬のツーリングを諦める理由にならないってことは十分証明できたのではないだろうか?

いやぁ、トリシティのLMW機構、恐るべし。雪中行軍大成功である。

今回のツーリングスポットマップ

今回のやたぐわぁの防寒装備

厳冬期のツーリングということで極寒仕様のジャケット&パンツは必須アイテム。今回は中綿にシンサレートウルトラを使用したFUMA+1 ランドクルーザージャケット&パンツを試してみたがコレが快適! マイナス8度の世界でも薄着で走れたのだ

 

TRICITY 155の足つき&乗車ポジション

ヤマハ・トリシティ155の足つき状況。試乗インプレッションライダーは172cmの谷田貝 洋暁
身長172㎝/体重68㎏
カカトまでベッタリと着く足つき性でツーリング中も疲れにくく、フロアボードのおかげで荷物を積んでも足を振り上げる必要もない。ポジションの自由度が高くなったおかげで長時間走行も快適だった

 

SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高
1,980×750×1,210mm
軸間距離
1,350mm
シート高
780mm
車両重量
165kg
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークOHC 4バルブ単気筒・155cm3
最高出力
11kW(15ps)/8,000rpm
最大トルク
14N・m(1.4kgf・m)/6,000rpm
タンク容量
7.2ℓ
価格
45万3,600円(税8%込)

TRICITY 155製品ページ

CONTACT

問い合わせ先
ヤマハ発動機カスタマーコミュニケーションセンター
電話番号
0120-090-819
URL
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/

※記事の内容はNo.179(2017年2月24日)発売当時のものになります

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