YAMAHA SR400

特集最新モデル徹底試乗

No.
199
特集最新モデル徹底試乗

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※公開中の誌面内容はNo.199(2018年10月24日)発売当時のものになります

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SR400でのコーナリングインプレッション。やはりSRはググッとリヤに荷重をかけて曲がっていく“後ろ乗り”で走ると気持ちよく曲がる
やはりSRはググッとリヤに荷重をかけて曲がっていく“後ろ乗り”で走ると気持ちよく曲がる

 

セロー250、トリッカーに続きSR400も、生産終了モデルから現行モデルへと復活を遂げ、2018年11月22日から発売されることになった。しかもうれしいことに、従来モデルから大きく姿を変えることなくSR400は復活してくれたのだ。

 

文:谷田貝洋暁/写真:関野 温

排気系刷新で激変した、音とエンジンフィーリング

SR400のスタイリング

SR400の造形美。やはり“ヤマハが美しい”と言いたくなる

 

キックスタートも健在、空冷の火は消させない

“いよいよセルスターターが付くんじゃないか?” “2年後に迫るABS装着義務への対応でついに後輪もディスクブレーキ化する?” “光量の規制も厳しいらしいし、ヘッドライトのLED &マルチリフレクター化も考えられる…”

 

人気車のモデルチェンジにあたり、さまざまなウワサが飛び交うのはいつものことだ。しかし、SRはSRのまま戻ってきた。カットガラスを採用したヘッドライトも、指針式のアナログメーターも、ドラム式リヤブレーキも、キックスターターも従来どおり。外見上の前モデルとの違いは、新たに追加された、蒸散ガス放出防止のキャニスターぐらい。よほどのマニアでなければ、新作と旧作をこのパーツ以外で区別するのは難しそうだ。

 

ところがである。SRのアイデンティティでもあるキックアームを踏み下ろし、エンジンに火を入れて驚いた。排気音がまったく違うのだ。まず単純に音が大きくなったような印象を受ける。しかも、これがうれしいことに野太いサウンド。重みを増したというか、排気音に塊感が出たというか…。ヤマハとしても“音響解析技術を駆使し、低音と歯切れの良さを向上させた新マフラー”と、正式発表するくらいだから相当な変わりようである。

 

ヤマハだけに限ったことではないが、日本国内の“二輪車平成28年排出ガス規制”がユーロ4へ準拠したことにより、キャニスターなどの取り付けが義務付けられる一方で、排気音に関しては少しだけ規制が緩まる方向へ動いた。そのマージンを活かしての音質変更というわけだ。

 

ちなみに今回のモデルチェンジで発表されている改変ポイントは大きく分けて4つ。1つ目は先に触れたキャニスター装着。2つ目は、灯火器類の法規対応。3つ目が、排気系の変更。そして4つ目が排出ガス規制対応のためのフューエルインジェクション(以下:FI)セッティングの変更である。

 

最適化されたFIセッティングに関しては、O2フィードバック制御の精度を向上させプログラムも変更。設定変更ももちろんだがECUそのもののサイズが大きくなったためシート下へと移設することになったとか。またマフラーに関しても、キャタライザー(触媒)のハニカムセル数を増やして面積を増やし、排ガス浄化能力をアップ。

 

結果、最大出力は発生回転数はそのままに2馬力ダウン。最大トルクに関しても1N・mほど下がり、その発生回転域が、5500回転から3000回転へと移った。ただ、これに関しては、もともと性能曲線が台形で、わずかに高回転側の山が高かったところが、FIセッティング変更で、わずかに下がり、3000回転側が最大トルクになったという。ややこしい話だが、おしなべて言えば、常用域の出力特性にあまり影響はしていないという。

 

復活して強まった!? ビッグシングルの鼓動感

エンジン!? マフラー!? 鼓動感が強まってる!

 

体感的にもしっかり排気音に鼓動が出たSR。走り出してみると、「それほど変わってない」というアナウンスがあってなお、予想以上にエンジンのフィーリングが変わったように感じた。

 

音が大きくなった、その聴覚的効果ももちろんあるだろう。しかし、なんだかエンジンの燃焼1回1回の鼓動感が増し、ビッグシングルらしさが強まったような気がするのだ。2,000回転ぐらいからアクセルを開けて行ったときの「ストトト…」という吹け上がりが、「ズトットットッ…」と心なしかクランクに重みが増したような、そんなフィーリングだ。またアクセルを全閉してエンジンブレーキを効かせた場合のバックトルクの“オツリ”も増えたように思う。それこそ、ヤマハさんに「エンジンの中身もなんかいじってない?」なんて本気の問い合わせをしてしまったくらいだ。

 

まぁ、返答は、「エンジン内の慣性マスに関わるところはどこも変えてません」というものだったが、とにかくエンジンの鼓動まで野太くなっていると感じたのは確か。ただ、エンジンをいじっていないとなると、マフラーの仕様変更による排気圧変化くらいしか、想像できる要因はないのだが、ビッグシングル好きとしては非常に楽しく走らせることができたのも確かである。やっぱりビッグシングルは、少々乗りにくかろうが、なんだろうが、エンジンがドコドコいっていたほうが楽しいもんだ。新型SR400、いいじゃないか。

 

 

次ページ:SR400のディテール&足つきを紹介!

※記事の内容はNo.199(2018年10月24日)発売当時のものになります

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