YAMAHA MT-09

特集エンジン大解説/実走編:3気筒

No.
203
特集エンジン大解説/実走編:3気筒

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※公開中の誌面内容はNo.203(2019年2月23日)発売当時のものになります

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YAMAHA MT-09 走行イメージ

 

2年前に大幅なモデルチェンジをして、より戦闘的なデザインに生まれ変わったヤマハMTシリーズの急先鋒。並列3気筒エンジンを積んだ走りは進化しソフィスティケートされた。それを大いに楽しむ

文:濱矢文夫/写真:武田大祐

乗り手の意思に一瞬で反応するエンジン

MT-09のスタイリング

 

とてもエキサイティングな乗り物である

沈むスピードが速く低速でも大きく動く、一般的な言い方をすると柔らかい前後サスペンション。またがってゆするとユッサユッサと前後に動く。ここが他のストリートファイター系モデルとは確実に違うところ。コーナーに入る前にブレーキレバーを握ってフロントフォークを深く沈ませ、縦方向に前のめりになるピッチングモーションからコーナーへ飛び込んで、後ろのサスペンションがググッと深く入ってタイヤのグリップを探りながらアクセルを開けていきコーナーを脱出する。

 

並列4気筒エンジンより、横幅がコンパクトな並列3気筒エンジンのサイズ的な恩恵というよりも、そのエンジンを前で抱えながらスイングアームを取り付けているピボット付近でキュッと細くなった独特な形状をしたアルミダイヤモンドフレーム。それに合わせて燃料タンクの太ももでニーグリップする部分も絞り込まれている。腰かけたシート面からハンドル位置は高くて近い。だから、普通のロードスポーツのように乗るより、これはオフ車に17インチホイールを履いたスーパーモタードだと思って運転する方がしっくりくる。上体をおこしてハンドルをひきつけて、ステップに荷重しながらひらひらと車体をリーンさせながら曲げる。ハンドルバーの幅はスーパーモタードほど広くはないが、そんなイメージ。

 

2014年にMT-09が発売されたころのインライントリプルエンジンは、トルクの出方が荒々しく唐突で、場面によっては乗りづらいこともあったけれど、現行モデルになってかなりなめらかに洗練された印象だ。最適なスロットルバルブ開度をECUが演算して判断する電子制御スロットルの恩恵もあるだろう。低中回転域から押し出すようなトルクが出るが、とにかくスムーズで、そのまま高回転域まで盛り上がりながら続いていく感じ。回転域によってトルクの落ち込みが小さく、かつ高回転域の気持ちいい伸びは、並列2気筒とも4気筒とも違う3気筒ならではなのか。はっきりと言えるのは、とにかく右手の動きに回転の上昇だけでなく落ちも、かなりリニアに反応すること。これが気持ちいい。欲しいときにタイムラグが少なく瞬時に加速できる感覚は、極端に言うと脳とエンジンが直結しているようだ。ライン取りの自由度が大きい軽快なフットワークと、快楽的な加速がスポーツライディング好きにはたまらない。

 

YAMAHA MT-09 走行イメージ

 

Dモードという走行モードの切り替えがあり、スタンダードでも満足できるが、Aモードにするとエンジンの反応がもっとシャープでソリッドになって痛快だ。ただ、正直に書くと、難しい面もある。コーナーでフロントサスペンションからリヤサスペンションに仕事が移るシーンで、状況によってややトラクション不足を感じることだ。すばらしいエンジントルクも手伝ってしまいタイヤが横に滑り出すことも。

 

ありがたいことにトラクションコントロールが装備されており、制御が強い“2”を選択しておけば、ズリッときても持ち直しに働くので即転倒とならないが、もっと万人が路面にタイヤをしっかり押し付けやすいセッティング、リヤショックユニットが欲しいな。ベテランライダーならば対処しやすいけれど、ビギナーを脱出してちょっとうまくなって、どこでも不用意にガバッと右手をひねる人は気を付けた方がいい。まあ、気になるならオーリンズのフルアジャスタブルリヤショックでより好みのセッティングが可能なSPモデルという選択肢もあるからね。それを含めても自由自在に動かせるエキサイティングな乗り物なのは間違いない。

クロスプレーンコンセプト

コンパクトに仕上げた水冷並列3気筒DOHC4バルブエンジンは、120°の等間隔爆発で、クランクシャフトが回るときに出る慣性トルクが小さいのが特徴。これによって、より爆発して得られるトルクを主体としたリニア感がMT-09の走りを印象づけている。この設計思想をヤマハでは“クロスプレーンコンセプト”と呼ぶ。スリッパークラッチやクイックシフトも付く。

 

YAMAHA MT-09 エンジン

 

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※記事の内容はNo.203(2019年2月23日)発売当時のものになります

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