アウトドア用やスポーツ用防水透湿ウエアはバイク用途のベストチョイスではない!
日本は梅雨に限らず年中どこでも雨が降る。バイクで出かけて雨に遭遇したことがない、という人のほうが稀だろう。そこでバイクに乗る以上、用意したいのが雨具(レインウエア)。バイクだとカッパを着ることになるが、そもそも「レインウエアって必要なの?」と思っている人もいるのではないだろうか。だって、世の中にはいわゆる防水透湿素材を用いたウエアであふれているからだ。
防水透湿素材の歴史は古く、1970年代には実用化。スポーツやアウトドア、ミリタリーなどなど、さまざまな分野で用いられており、今となってはかなり一般的な素材といえる。その代表例といえるのが“ゴアテックス”。ゴアテックスに関しては過去、本サイトでも触れているので今回詳しくは紹介しないが、リンクを以下に紹介しておくので興味がある人はご覧いただきたい。
参考記事:ゴアテックスって知ってる? なぜバイクシーンとの相性がいいと言われるのかを徹底解説!
さて、ゴアテックスに限らず防水透湿素材が市場にありふれているのだから「ゴアテックスなり防水透湿素材が使われているアウトドア系などのジャケットかレインウエアをライディング時に着ればいいんじゃないの」と思う人も少なくないだろう。ところが、それはあまりお勧めできなかったりする。
というのも、スポーツやアウトドア、ミリタリーと、バイクのライディングとは環境自体がかなり違うからだ。スポーツやアウトドア、ミリタリーでの使用環境と人が走る速度の数倍速く走行するバイクとは受ける雨の圧力がまるで異なる。防水透湿素材にはどの程度の雨に対応できるかという“耐水圧”や“透湿性”の指標があるが、これは厳密には素材の話。つまり、ウエアとしての作りとは話が別だったりする。
アウトドア系の防水透湿素材ジャケットを着ていれば安心だろうとツーリングに出かけ、想定外に濡れてしまったことがある人も少なくないだろう。これは素材そのものの差やジャケットとしての性能の優劣ではなく、使用用途の違いや作りの問題ともいえるのだが、とくに作りの差がライディングの快適性を大きく左右することを知っておきたい。
バイク用レインウエアは専門メーカーであれば、バイクでの用途を前提に開発・設計されているのがアウトドア系ジャケットなどとの大きな違いとなる。素材の選定はもちろん、バイクだとどこから雨が浸入しやすいのか、それを避けるにはどうすればいいのかをしっかり考慮しているものなのだ。正直なところ、単純に素材の数値の高低だけでライディング用レインウエアとしての評価を下すのはなかなか難しい(もちろん一定の指標にはなるけども…)。だからこそ、信頼できるメーカーからレインウエアを選び出したいところだ。
その点、ゴールドウイン製ならかなり安心できる。さまざまな高性能ライディングギアを展開する老舗メーカーだからだ。そこで今回はゴールドウイン製レインウエアを実際に着用し、その実力を検証してみた。
今回は雨天時をねらって、都内を約1時間ほど実走したインプレッションを紹介したい。まず、いずれも感じたのは着用した時点で「軽いな」という点。レインウエアは耐久性や撥水性などを加味するとゴワゴワしがちだが、ゴールドウイン製は着心地から軽い。では、それ以外の要素はいかに?
GSM22008 GORE-TEX COMPACT RAIN SUIT
バイク用として必要な要素を詰め込んだ高性能レインウエアの決定版
この製品は2019年に登場したGORE-TEX PACLITE® PLUSを採用しており、ゴアテックス製品のなかでもとくに軽量・コンパクトさを追求したプロダクトとなっている。そのおかげか着ていても軽い。カッパ特有のゴワツキ感がほぼなく、さらりとした着用感で、アウターとしてとても優秀だと思える。レインウエアは素肌にではなくジャケットなどを着用時に上から着重ねるモノなので、この軽さはかなりのアドバンテージだ。
また本製品は耐水圧などの数値の高さもさることながら、防水性を高めているのもポイント。降水量2~3㎜/h程度の雨なら水はけがよく、少し払えば水滴として落ちてくれる。これは表面が冷えることを防ぐことにもつながるので、夏場はもちろん冬季にも活躍してくれるだろう。文字どおり年間を通じて使いやすい。
製品情報
- 製品名
- GSM22008 ゴアテックスコンパクトレインスーツ
- 価格
- 6万4,900円(税込み)
- 素材
- ゴアテックス パックライト プラス2L
ジャケット:〈本体〉ポリエステル100%(コーティング等樹脂加工)
パンツ:〈見頃上〉ナイロン100% 〈見頃下〉ポリエステル100% - SPEC
- 初期耐水圧:45,000mm以上(B法)
透湿性:13,500g/m2・24h(B-1法)
重量:700g