バイクデビュー前にまずはじめに知っておきたい「250㏄を選ぶことのメリットとは!」

バイクにはさまざまな排気量がある。今回スポットライトをあてる250㏄クラスは、販売台数的に見ればどの排気量より売れている。それはいろいろなメリットがあるからだ。まずはそのメリットを知って頂きたい。

POINT 1 サイフにやさしい!

“バイクに乗って何をしよう”。相棒を購入する前は、こんな思いで頭がいっぱいだろう。ただ、まずは現実に戻ってほしい。というのもバイクに乗るにはいろいろとお金がかかるのだ。この点を考えないと、購入後のバイクライフに影を落とすことになりかねない。

この点で250㏄には有利な点が多い。まずは同じカテゴリーで比較すれば排気量が小さいほど車両価格が安くなる。快適にバイクライフを送るにはヘルメットや相応のギアが不可欠。車両価格の差で、ワンランク上のギアを手にいれることもできるのだ。

またバイクで走るということはお金を撒き散らす行為でもある。ガソリンを消費し、タイヤやブレーキパッドなどを消耗させていく。排気量を問わず安全かつ快適に走るためには、消耗した部分に手を加える〝メンテナンス”が必須。この作業もお金がかかるからだ。排気量が小さければ燃費もよく、消耗が進むペースが遅い。また交換する消耗品もリーズナブルですむ傾向にあるのだ。

加えて車検だ。251㏄以上の排気量の車両は、新車なら3年、その後は一律2年ごとに車検を受けなければならない。この車検はまとまった出費となるが、250㏄以下なら車検がないのもメリット。ただし車検がないからといってノーメンテナンスはNG。車検は“安全に走れるか?”をチェックすること。車検で不適切な箇所があれば是正しなければならない。車検がなければ自己責任でやらなければならないことを肝に銘じること。

ともあれ、250㏄はコストの面でいろいろとメリットがある。そこに魅力を感じて選ぶライダーも多いのだ。

POINT 2 扱いやすい車格!

大型二輪免許を教習所で取得できるようになり、普通二輪免許から一気に大型二輪免許取得。ビッグバイクでバイクライフデビューをはたすライダーが増えた。もちろんほしいバイクに乗ることを否定はしない。しかし、まずは250㏄からバイクの世界に入ることをオススメしたい。

バイクは四輪と違って路上での教習がない。免許を取得すると即公道デビューになる。大型車は重い・大柄・ハイパワーだ。最初はおっかなびっくり乗っている人が多いのでは?いくらか走って慣れてもマシンの潜在能力を発揮させる技術があるのか?それなら軽く・コンパクト・扱いやすいパワーの250㏄で腕を磨いてから大型車にステップアップした方が、長い目で考えると有利だと思うからだ。

ちなみに軽量・コンパクトという点はメリットがある。これはバイクに乗っていないときにも影響をおよぼす。重量はバイクから降りて取りまわすときや、万一の転倒時の引き起こしのしやすさを左右する。とくに重く大柄だと取りまわしがしにくいのは自明の理。中には駐車場所から引っぱり出すのが億劫になり、バイクに乗らなくなってしまうという人もいるのだ。また、Uターンが不安なビギナーであれば、降りて取りまわすときにも軽い方がやりやすい。そのため狭い路地などにも進入しやすいという面もあるのだ。

また同じカテゴリーを比較すると、排気量が小さい方が足つき性がいい(例としてKTM 250DUKEと390DUKEは基本的な車体パッケージが同じなので差はほとんどないが)。足つきはバイク選びの中でも重視される要素。この面でも250㏄は有利なのだ。

POINT 3 ツーリングも楽しめる!

“遠隔地に行くなら大排気量車の方が有利”と思っている人も多いだろう。確かに250㏄と比較すればパワーに余裕があるし、その気になればスピードも出せる。だからといって250㏄で長距離を走るのが難しいという話にはならない。十分ツーリングを楽しめるポテンシャルを持っている。

大型有利と考える人は、おそらく高速道路走行のことを考えているのだろう。確かに一般道よりも速いスピードで走っている四輪の流れに乗るのは大型の方が楽だ。しかし250㏄でも合流時に十分な加速をしてくれるし、法定速度内であれば追い越しだってこなせる。先でも触れたが、250㏄は大排気量車と比べて燃費がいいので、気軽に長距離ツーリングに出かけやすいというアドバンテージもある。

ちなみに日帰りならともかく、長距離ツーリングをするとなると荷物が増え、積載性が気になる人も出てくると思う。この点も差はない。車体に直接バッグ類を積載する場合、大型車が若干有利な面もあるが、250㏄も工夫すればかなりの量を積載でき(厳密にいえば長さ・幅・高さ・重量に制限があるので要注意)、流行りのキャンプツーリングだって楽しめる。

さらにいえばツーリングは高速道路を走るだけではない。それこそ街中の細い路地に入ったり、次の目的地に向かうため車両を取りまわしたり、道を間違えてしまいUターンせざるを得なくなったり…。こういったシーンも先で触れたとおり250㏄の方が有利になる。

余裕を取るか、気軽さを取るか。経験が浅いなら気軽さを取った方がツーリングを楽しめるぞ。

 

いろんな意味で気軽に乗り回せるのが250㏄

※本記事はタンデムスタイルNo.236(2021年11月24日発売号)に掲載された内容を一部抜粋・再編したものです。

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