スキー板でイタかった話

先日あるバイクイベントにスタッフとして参加したのだが、その会場というのがスキー場だった。スキーといえば、ボクは残念ながら学生時代に一度行ったきりで、社会人になってからは一切経験がないのだが、もし今行ったらきちんと滑れるのかどうかかなり怪しい。そもそも学生のときでさえも滑りは怪しく、実はあまりいい思い出がないのである。

ボクが初めてスキーに行ったのは高校生のとき。当時のボクはスキー板も満足に装着したことがない、完全なビギナーだった。が、宿泊する宿がゲレンデの中腹にあったため、スキー場に着いたらいきなりリフトに乗せられ、ぐんぐんコースを登っていった。この時点でかなり不安になっていたのだが、まわりはほとんどが経験者で「大丈夫」としか言ってくれない。みるみる標高が上がって行くにつれ、ボクの心拍数も上がっていったわけだが、そうして宿に到着して身支度を調えると、もう目の前はゲレンデである。テンションの上がった一同は、ビギナーのボクなどお構いなしに、一斉に飛び出して行ってしまったからタチが悪い。ボクは必死に付いていこうと見よう見まねでスキー板を装着し、コースに挑んだわけだけど、すぐにうまく滑れるほどボクには運動神経がなかったため、滑り出して10mか20mぐらいのところで転倒してしまったのだ。

まぁここまではよくある話だと思うが、そもそもビギナーのボクは転び方もよく知らない。激しく転んで焦ったボクは、必死に立て直そうとするから余計激しく前転してしまい、外れたスキー板にぶつかりながら、かなり下まで転がり落ちてしまった。もう本人的には何が起こったのかまったく分からなかったのだが、やっとの思いで止まったかと思いきや、なにやら足がぬれていることに気付いたのである。あわてて足を押さえてみると、この日のために新調したスキーウエアが、スキー板のエッジで無残にも引き裂かれ、みるみる赤く染まっていくではないか。そんなわけで、初めてのスキーは、いきなり友人たちに置いてかれるわ、気がつけば転倒して流血するわで、踏んだり蹴ったりのデビューになってしまったのだ。

ただ幸いにもキズはそれほど深くなく、恥ずかしさからか痛みはそれほど感じなかった。それとゲレンデの医務室がかなりヒマだったため、それはそれは丁寧に傷口を縫合してもらい、翌日以降はまたゲレンデに出られるようになるぐらい素晴らしい処置をしていただいた。あの日のことはあまりにも衝撃的で、今でもつい先日のことのように覚えているのだが、スキー経験が当時でストップしているのはそんな理由からなのである。

足の傷は今でも大きくスネに残っているが、今度はどれくらい滑れるのか、そろそろチャレンジしてみてもいいかなとも思っている。でもこんな歳になって、また流血とか骨折とかしたら恥ずかしいよなぁ…(汗)。

C.ARAi

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C.ARAi

Web制作班所属。何事にもしっかりしていたい気持ちはあるものの、やってることはかなり中途半端。基本的に運命にはあまり逆らわず生きていくタイプで、いきあたりばったりが自分にはよく合っていると思っている。悪く言えば計画能力ゼロ。モットーは「来るもの拒まず、去るもの追わず」。

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