温浴施設の刺青対応が変わる?

温浴施設の刺青対応が変わる?

 先日、箱根の『天山湯治郷』に行ってきた。ここはお湯がいいというだけでなく、風情のある館内にカフェや読書室、座敷があり、お湯に浸かった後も心静かにのんびり過ごせるところが気に入っている。しばらく滞在したくなる環境が整っているため、本を持参して朝から夜まで入り浸ることもあるほどだ。

 

 ただ今回は、入口でとある変化に気付いた。『今のところ、刺青を入れた方はお一人の場合に限りお断りはしていません』という注意書き。たしか、これまでは“刺青お断り”という内容だったような…。その新しいと思われる注意書きには続きがあり、『複数での入浴は固くお断りします。お一人で静かにお過ごしください』とあった。

 

 僕自身はもちろん刺青をしているわけではないが、刺青がびっちりと入った海外のサッカー選手をよく見ているから、彼らは日本で温泉に入れないのだろうか?とぼんやり考えることもあった。たとえば日本でも有名なデイビッド・ベッカムは両腕、背中、脇腹、首、胸と上半身が刺青だらけだ。

 

 “欧米ではファッション感覚で刺青をする”という認識はちょっと誤解のようで、実際のところ有名人を除く一般人が刺青をすることに対してあまりよいイメージではないという。ただ日本よりも刺青に対して寛容なところがあり、刺青をしていた外国人観光客が日本で入店を拒否されることについて理解を得るのは難しい。明らかに反社会勢力ではない彼らに対して、もっと柔軟な対応ができないものだろうか? 外国人観光客はOKにするとか、見た目で判断するとか…。

 

 もちろんお店側も対応に苦慮してきたんだと思う。『天山湯治郷』では苦慮した結果、“お一人の場合に限り”という人数を限定することで外国人観光客に配慮したのだろう。たしかに一人と複数人では威圧感が違うし、イザコザが起きにくいかもしれない。いずれにしても“今のところ”と書かれていたように、試行錯誤しているようすに好感がもてた。

 

 『公衆浴場法』によると、街中にある銭湯などの日常的なお風呂で刺青を理由に入店を拒否することは人権にかかわるため禁止されているが、温泉施設などの娯楽性の高いところは各店の判断に任せられているそうだ。ホテルや旅館を展開する星野リゾートでは小さなタトゥーなら配布されるシールで隠して入浴することができるという。2020年の東京オリンピックに向けて、さまざまなインフラ整備・受け入れ準備が進んでいる。日本人憩いの場である温浴施設も変化していくことになるのだろうか。

温浴施設の刺青対応が変わる?

イトウくんのプロフィール

「人生最後の晩餐は何がいい」と聞かれたら、味噌煮込みうどんと正気で答える、愛知県出身ではないのに名古屋メシに熱狂する28歳。ロングツーリングといえば味噌煮込みうどんを目指す名古屋までが鉄板(あぁ名古屋に住みたい)。編集部内では年齢的に若手といわれているが、外見的には35歳前後といわれることもあり、焼き魚や煮物の食卓に心和む男にフレッシュ感は皆無。若いのかおっさんなのか微妙な年ごろである。

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