チョイフル特別編! 2000年代前半のチョイ古バイクも熱い?! KAWASAKI ER-6n(2006)

カタログやメーカーのHPを見ても載っていない、でも街で見かけることもある…。絶版車の中でも“旧車“と言うには古すぎない、そんな車両を紹介している“チョイ古“コーナー。基本は1990年代のバイクを紹介しているけれど、今回は特別編ということで、2006年生まれのカワサキ・ER-6nをピックアップ。カワサキパラレルツインの伝統を受け継ぎ斬新なストリートファイターとして海外で高い評価を得たが、日本での認知度がさほど上がらないまま消えてしまった名車である

 

※撮影車両は2007年モデル。メーターバイザー、リヤキャリア、ミラー、リムテープなどアフターパーツを装着したカスタム車両です。

 

写真:夏目健司  取材協力:レッドバロン

海外で高評価を得た、隠れロングセラーモデル

古くはWの時代から、カワサキにはパラレルツイン(並列2気筒)エンジンにおける長い伝統がある。4気筒エンジンが登場した後も、1987年リリースのフルカウルモデル・GPZ500S(仕向地によってNinja500R、EX500Rと名称は変更された)やネイキッドモデル・ER-5など、エントリーユーザーをターゲットとしたミドルクラスのロードスポーツモデルに水冷のパラレルツインエンジンを採用してきた(欧米では500㏄だが、国内では免許制度から400㏄に排気量ダウンしたモデルが流通)。

 

低回転からスムーズに吹け上がるエンジンの出力特性や軽快でクセのないハンドリング、軽量コンパクトで取りまわしやすい、燃費がいいといった素行のよさはツーリングの相棒としては申し分のない特性で、さらに峠ではレーサーレプリカを追い回せるほどの走行性能も発揮した。そのポテンシャルを生み出していたのがGPZ900Rのエンジンを半分にしたといわれるパラレルツインである(ゆえにGPZ500Sはハーフニンジャとも呼ばれた)。そのうえ手に入れやすい価格ということもあり、欧米では人気を博しロングセラーとなっていた。しかし2006年の排ガス規制強化に対応するのが難しく、モデルチェンジを余儀なくされる。

 

 

そこでカワサキはエンジン、フレームとも開発に着手。より磨きをかけた新生パラレルツインミドルスポーツを2006年に誕生させる。それがER-6nだ。開発コンセプトは“Fun to Ride”。排気量は650㏄へと引き上げられ、低・中速を重視した扱いやすいパワー特性に。また、リヤショックを車体中心からオフセット、レイダウンして配置するという特徴的なレイアウトのフレームなど斬新な手法が取り入れられ、これによって操縦安定性を確保した。曲線を基調とするデザインが独創的なルックスながら乗り味は非常にビギナーフレンドリー。まさに“操る楽しさ”を具現化したといえよう。同年にはフルカウルを装備した姉妹モデル・ER-6f、07年にはマルチパーパスモデル・VERSYSもリリース。国内では排気量をダウンさせたER-4nとNinja400Rが2010年にリリースされたが、2013年にNinja400RがNinja400へとフルモデルチェンジする際にER-4nの販売は終了した。

 

日本での認知度は上がらなかったものの欧州で高く評価されたER-6nは、二度のフルモデルチェンジを受けながら2015年まで販売。10年も継続されたロングセラーモデルとなり、その後は同系の水冷パラレルツインエンジンを搭載したZ650に引き継がれるのである。

 

KAWASAKI ER-6n(2006、MA仕様)の主要スペック
全長×全幅×全高
2,100×760×1,095(㎜)
軸間距離
1,405㎜
シート高
785㎜
乾燥重量
174㎏
エンジン形式・排気量
水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列2気筒・649㎤
最高出力
46kW (62.5ps)/7,000rpm
最大トルク
63.2N·m (6.4kgf·m)/6,500rpm
燃料タンク容量
15.5ℓ
タイヤサイズ
F=120/70-17・R=160/60-17

 

Buyer’s Guide

輸出モデルのため中古車台数が少ない希少車の部類に入るものの、最終モデルが2015年なので、後期型なら10年落ち程度となる。見極める必要はあるが、比較的車両の状態がよく低走行の個体も望める。フルカスタムというよりは部分的にパーツを交換した個体が多くフルノーマル車は貴重。ヨーロッパでの評価に比べて国内では人気モデルとはいえなかったおかげで車両価格は30万円程度〜60万円ほどと、ミドルクラスにしては控えめだ。

 

この記事が気に入ったら
いいね!とフォローしよう

タンデムスタイルの最新の情報をお届けします