ミドル史に名を刻む名車たち vol.02 KAWASAKI ZEPHYR〈後編〉

ミドル史に名を刻む名車たち KAWASAKI ZEPHYR

かつて多くのライダーから支持を受け、のちに多大な影響を与えたアンダー400 にスポットをあてる連載企画。第2回はそのマシンの誕生により時代の流れを変え、新たなカテゴライズまで確立してしまった1 台を紹介する

扱える等身大の性能が初めて評価されたバイク

ゼファーの成功は時代の先見性だけではない。徹底した作り込みがなされた結果でもある。まずデザイン面では、タンクやシートなどのシンプルなシルエットはもちろん、機能パーツにも魅せるといった要素を多く取り入れている。水冷ではなく空冷を選択したのもシリンダーヘッドや冷却フィンといったエンジンが持つ造形を美しく魅せるといった意図もあったのだ。

 

また、スペック的には高いとはいえないが、一般ライダーが公道走行するには十分なレベルであり、操ること・扱いきれることの楽しさを味わうことができる等身大のバイク。そんな魅力もゼファーが支持された由縁である。

 

ゼファーが脚光を浴びたことで、92年のHONDA・CB400SFなど各メーカーからノンカウルモデルが続々とリリースされた。そして“ネイキッド”という現在の二輪界おけるメインジャンルが確立される。また、ゼファーとはギリシャ神話の西風の神のことだが、ゼファーの登場以降、タバコや化粧品など多くの商品名として使用されるなど、各方面に大きな影響を与え、“ゼファー現象”とまで呼ばれることとなるのだ。

マシンギャラリー

※本記事は『Under400』No.01(2006年5月8日発売)に掲載された当時の内容を再編しています

KAWASAKI ZEPHYR 〈前編〉はこちらKAWASAKI ZEPHYR 〈ヒストリー編〉はこちら

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