BMW R1250GS/HP

連載新車体感 ニューモデルインプレッション

No.
200
連載新車体感 ニューモデルインプレッション

誌面を“まる読み”できます!

※公開中の誌面内容はNo.200(2018年11月24日)発売当時のものになります

インプレッションの誌面を開く
次のページ
前のページ

BMW R1250GS/HP オンロード走行

 

BMWのGSが賑やかだ。2018年11月にフルモデルチェンジしたFシリーズが発売になり、来春には兄貴分、R1250GSが走り出す。大黒柱的なボクサーエンジンはどう変わったのか?!

文:松井 勉/写真:BMWMotorradジャパン

パワフルさ、新次元。GSの飛躍が止まらない

排気量アップとシフトカム投入

スゴイ!。走り始める前からあった予兆が確信に変わるまで3分とかからなかった。BMWが送り出す新しいRシリーズの急先鋒、R1250GSがデビューした。Rシリーズといえば、BMWにとって中心的な存在でもある。創業以来守り抜いている水平対向2気筒エンジンを搭載しているからだ。

 

前回、2013年に行なわれたビッグチェンジで、BMWとして初めて水冷化させた水平対向エンジンは、それ以前のエンジンと比較すると内部レイアウトが一気にモダンになった。結果的にコンパクト化され、シャーシ設計に自由度を与えもした。また、サイドドラフトだった給排気方式を、混合気を上から吸い、シリンダーの下から吐き出すダウンドラフト方式に変更したのもこの型からだ。今回の1250㏄エンジンはその発展型。ボア×ストロークを変更し、排気量を拡大。そこに今回のトピックスでもある可変バルブタイミングを採用した。

 

この可変バルブタイミング、BMWシフトカムと命名されている。BMWの説明によれば、1本のカムシャフトに、低回転側と、高回転側の2種のカム山を持ち、両者はアクチュエーターから伸びるピンと、カム側に刻まれたガイドにより左右にスライドすることでバルブタイミングを変化させる。

 

カムシャフトの役目は、エンジンが混合気を取り入れる量、時間を決定づける性能面で大切なもの。また、吸排気バルブが双方どんな間合いで開き、閉まるのかというオーバーラップも重要な性能の指標だ。

 

すでに4輪用エンジンには多く採用されている同様のシステム。その目的はエンジンの効率化、常用域での良好なパワーデリバリーを得ること、燃費とパワー、パワーと環境性能を両立させることだ。この新しい水平対向エンジンもその目的は同じ。2020年から施行される新しい環境規制、ユーロ5に合致させたものだ。環境規制は今より厳しくなる。排気音もパワーも下がる、というのが一般的な見方だ。しかし、それを見事に跳ね返しているのがこのエンジンだ。

 

80㏄ほど排気量が増え、可変バルブタイミングを搭載して現状維持か、と思ったら大間違い。現行の1200よりも、パワーは9%、トルクは14%もパワフルに。最大トルク143Nmという値は、通常なら1400㏄クラスのもの。文句なしに歴代BMWのナンバーワン水平対向エンジンとなった。今までで一番厳しい環境規制のなかでそれを達成したのだ。

 

エンジンの静粛性を高めるため、内部パーツの静音化も図られたが、むしろ理想的な燃焼効率を得たことで振動、燃焼音も低下していることも驚きだ。とにかく動き出しの押し出すトルク感がいい。現行の1200と比較すると、つねに3人ぐらいが押し出してくれているようなトルク感で、エンストする不安がない。実際、車重が増加したにもかかわらず、2000回転以下の領域からまるで50㎏ぐらい軽くなったような身のこなしなのだ。アクセルに少しだけ力をかけるような領域からエンジンはしっかりと応え、ライダーは信頼関係をすぐに作れるので、GSという大柄なバイクが意思通りに動いてくれる喜びにひたれる。

 

BMW R1250GS/HPの新型水平対向エンジン
エンジン全体のサイズは1200時代と同様。注目は吸気側カムに設けられた2種類の開閉タイミングを持つカムシャフトだ。このカムを横にスライドさせることで低回転側、高回転側を、5000rpmを境にシフトするもの。その変化はなめらかでまったく感じられないほど。燃焼効率が上がったと見えて燃焼振動が極めて低い

 

市街地、ツーリングレベル、そして高速道路と走ってみたが、トルクアップの恩恵は、高いギヤに入れたままでも充実の加速を、しかもスムーズにこなしてくれる。1200の水平対向エンジンもなめらかだったが、それ以上だ。まるで電気モーターのようにムダな振動がない。ここまで4000回転ほどで声が出るほどの力強さに大満足だ。

 

可変バルブタイミングが切り替わる5,000回転以上へとエンジンを回す。するとどうだ。その変換点を何度行き来しても、スイッチした感触がまるでわからないほど直線的でシームレスな特性に作り込まれている。しかし、パワーは強大。いままで体験したことのない加速だ。峠道ではカーブとカーブの間にある直線が待ち遠しく、ダートでは低速で走る場面でしっかりとサポートしてくれる。

 

きっと、二人乗りや荷物を多く積んで出かけるとき、このエンジンはさらに本領を見せてくれるだろう。ミラノでは水平対向2気筒を搭載するモデルの多くが発表された。今後の展開が楽しみなのと同時に、またGSファンが増える展開は、どうやら間違いなさそうだ。日本仕様の価格、仕様が今から楽しみだ。

 

BMW R1250GS/HP ダート走行
オンロードでの好ましい加速感、オフロードでの低回転からのトルク特性。1200より豊かになった力を得たことで、ハンドリングの印象も好転したのがすごい!

 

R1250GS

BMW R1250GS 7:3ビュー

R1250GSのディテール

 

R1250GS HP

崖をバックに佇むBMW R1250GS/HP

R1250GS HPのディテール

SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高
2,207×9,525×1,430㎜
軸間距離
1,525㎜
シート高
850/870㎜
車両重量
249㎏
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークDOHC 4バルブ 水平対向2気筒・1,254㎤
最高出力
100kW(136㎰)/7,750rpm
最大トルク
143N・m(14.5kgf・m)/6,250rpm
燃料タンク容量
20ℓ(ハイオク仕様)
燃費(WMTC)
価格
―(国内未発表)

※データは海外仕様

R1250GS 製品ページ

CONTACT

問い合わせ先
BMWカスタマー・インタラクション・センター
電話番号
0120-269-437
URL
http://www.bmw-motorrad.jp

※記事の内容はNo.200(2018年11月24日)発売当時のものになります

この記事が気に入ったら
いいね!とフォローしよう

タンデムスタイルの最新の情報をお届けします