BMW G310GS

連載新車体感 ニューモデルインプレッション

No.
189
連載新車体感 ニューモデルインプレッション

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※公開中の誌面内容はNo.189(2017年12月22日)発売当時のものになります

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排気量に見合わぬ大柄がスタイリングが与えられたG310GS。オンロオードからオフロードまで徹底インプレッションだ

 

ロードスポーツモデルのG310Rに続き、BMWの最大勢力である、アドベンチャーツアラー・GSシリーズの名を冠したミドルクラスが登場。普通二輪免許で乗れる初めてのGS。コイツは本当にGSになりきれているのか?

文:谷田貝洋暁/写真:関野 温

血統をきちんと受け継いだ普通二輪免許で乗れるGS

G310GSのスタイリング

存在感を主張する大きさそれを裏切る軽快な走り

“兄弟モデルのG310Rより、ふたまわりはデカイ”。G310GSを目の前にしたときの率直な印象だ。GSシリーズらしい見事な車格に、本当に400㏄クラス(実排気量は313㏄)なのだろうか?と疑いたくなる。

 

G310R比で延長された足の長さの影響もあるのだろう、見た目でいえば、ホンダの400Xよりも大きく、だいたい6〜700㏄クラスといったくらいの車格に感じる。ヤマハのトレーサー…、とはいわないまでも、MT‐07ぐらいの車格があるのだ。GSの名前に恥じない見事な風格である。

 

ならば、さぞかし車体は重いのだろうとまたがってマシンを起こしてみると、これが見た目ほどは重くない。確かにシート高は835㎜とこのクラスの数値としては高め。またハンドル幅がオフロードバイク並みに広かったり、ボリューミーなタンクまわりの印象など、コンパクトなマシンが好みのライダーにはちょっとばかし敬遠されそうだが、こと重さに関してだけを言えば、存在感とは逆に軽く感じるのだ。

 

走り出してもその印象は変わらない。大柄な車格で出そうなネガティブ要素が走りにいっさいない。むしろ小まわりが利く印象すら受けるのだ。

 

これこそが実はGシリーズが採用している後傾エンジンの恩恵。通常、バイクのエンジンはシリンダーが前方へとわずかに倒れており、後方から混合気を吸って、前方から排気ガスを排出するのが一般的。

 

一方、Gシリーズのエンジンはまったく逆。前方から混合気を吸って後方へと排気する。…なぜそんなことをするのか? これはバイクの車体のキャラクターを作るうえで重要な、重量配分をコントロールするためだ。

 

具体的にはエンジンをなるべく前方に追い込み重心位置をフロントタイヤ側へ移すことで、バイクは体感的に軽快感が強くなり、コーナリングや車線変更といった場面で扱いやすくなる。

 

同じく後傾エンジンを採用するヤマハのモトクロッサー・YZ450Fも同じ考え方であり、ちょっと機構は違うが、新型ゴールドウイングがダブルウィッシュボーンサスペンションを採用したのも、なるべくエンジン前へ搭載することで、走りに軽快感を出したかったのだろうと推測できる。 

 

BMWというメーカーはこの手の革新的な技術に意欲的。そういう意味でもG310GSは実にBMWらしい。 こうして軽快なコーナリング特性を手に入れたG310GSは、ワインディングをヒラヒラとこなし、街乗りもラクラク。ちょっとオフロード系のバイクに乗り馴れていないと、軟らかめに設定されたサスペンションのピッチングモーションが大きく感じるかもしれないが、それも慣れの問題だろう。

 

BMWのG310GSをワインディングでインプレッション

 

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※記事の内容はNo.189(2017年12月22日)発売当時のものになります

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