いとこのミッチャン(前編)

いとこのミッチャン(仮)が上京してきた。ここ数年は年賀状だけのやりとりであったが、先日、「一晩泊めてほしい」というメールが突然届いたので驚いた。 なんでも、大好きなブロガーさんのお宅でオープンガーデンがあるそうで、それがウチの近所らしい。ステキなお庭の前夜に寄るには申し訳ないほど貧相な家だが久々の再会はとても楽しみだ、もちろん二つ返事である。

私の記憶の中で、ミッチャンといえば「メーテル」である。少し年上のミッチャンは、明るくやさしく絵が上手だった。家に遊びに行くと、いつも絵を描いて遊んだ。中でも銀河鉄道999のメーテルが特に上手で、あの目を描くために何度も教えてもらいながら練習したものである(もっとも、わたしの描くメーテルはいつも福笑いのようなメーテルだったけど…笑)。年賀状も毎年いろんなアイデアや可愛いイラストで、もらうのが楽しみだった。自分もミッチャンのような年賀状にあこがれて一生懸命書いていた記憶がある。今年こそは追いついたか追い越したかと大晦日にドキドキわくわくして待つのだが、元旦にはかならず「またやられた~!」とうれしくやしい思いをしたものだ。そんなミッチャンも中学高校大学と進学するごとに大人になって、いつしか年賀状も家族の写真や年賀状ソフトを使ったものにかわっていき、あのかわいい絵を目にする機会もなくなってしまった。すこしさみしい気もしていたが、今回のメールを見て昔もらったミッチャンの年賀状を思い出してしまった。ふだん受け取るメールのどれよりもにぎやかで目立っていたからだ。デコレーション文字もこれだけ効果的に使えたらいいな~と、ふだんはデコ文字に無関心どころか「重い! ゴチャゴチャ見づらい!」と否定的だった私が、めずらしくメールをデコってみたいと思った。さっそくリストから自分の好みのデコレーションをいくつか貼付けてみた。「よーし、できた!」と改めて客観的に見てみると…な、なんか、たくさんピコピコ動いているんだけど…なぜだろう、この地味な画面は。動いているのに地味だから、いつもよりいっそう地味に感じる(汗)。ただ貼るだけなのに我ながらどういうセンスをしているんだろう…と、ポチポチ消してまたいつものシンプルなメールになおして返信した。

(後編につづく)

チャンカメ

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チャンカメ

タンスタ創刊号の〆切間際に入社した古株女子だが貫禄はまるでナシ。かわいい=へんなものについつい手が伸び、デスク周りは癒やし(?)小物だらけ、少々アク抜きの必要な40代。イラスト担当。愛車は現在Z250。乗るたびに ”最近のバイクはすごいな〜” と可愛さ倍増中☆

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