自転車とクルマの狭間で原付はどこを走る?

自転車ブームでユーザーが激増しているからだろう。最近、都内や都市近郊の道路で道路の左端に、こんなペイント(下写真参照)を見かけるようになった。…のだが僕らバイク乗りからすると、これがなんだか非常にわかりにくくて厄介だ。

 

もともと、きちんと歩道が設けられた道路左端の空間は、白線があったとしても、それは“車道外側線”(※歩道が設けられていない道路の路側帯とは違うので注意)。これは“道路が広すぎても走りにくいでしょうから、この辺りを走るといいよ”的なガイドラインだったハズだ。

つまり、車道外側線の白線の内側も外側も純然たる車道。車道を使う車両のなかでも、自転車、30km/h制限や左側端走行が義務付けられている原動機付き自転車(原付)といった、比較的速度の遅い車両が走る場所になっていた。いわば道路の交通の主線から外れ、安全に追い抜かれるためのセーフティゾーンだったのだ。もちろん、車道だからその他のバイクや車も状況によっては通行が認められている場所だし、信号待ちなどで車が列をなして止まっている場合には、バイクはこの車道外側線を使って前へ進むこともできる。いわゆるすり抜けだ。

 

それが最近、この自転車のマークのついたレーンの登場で、状況がなんだか変わってきている。速度の遅い原付やバイクがこの車道の左側を走ったり、すり抜けしたりしていると、ここは走っていいのか? 悪いのか? 非常に迷うことが多くなった。しかも、この自転車マークのペイントには、『自転車走行指導帯』と『自転車専用通行帯(自転車レーン)』2種類があり、これがなんだかまたわかりにくいのだ。

自転車走行指導帯

この標識がある場所は、道路交通法によって、『自転車は、歩道又は路側帯(「歩道等」)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない』。また『自転車は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては車道)の左側端に寄って通行しなければならない』とされている

 

自転車専用通行帯(自転車レーン)

この標識がある場所は、自転車専用通行帯(自転車レーン)で、道路交通法では『自転車は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により通行の区分が指定されているときは、指定された車両通行帯を通行しなければならない』と、されている。つまり、『自転車は歩道ではなく、この場所を走りなさいよ』ということだ。だから、この場所は自転車以外の車両の通行が認められていない。ゆっくり走ろうがなんだろうが、バイクや原付でここを走ってはいけない

 

 

下の写真の『自転車専用通行帯』は、文字どおり自転車専用だから、バイクやクルマはここを走ることができない。それに納得できるかできないかは別として、「ならぬものはならぬものです!」とお上からそう言われれば、法に従うしかない。

 

問題は上の写真の『自転車走行指導帯』の方だ。これは自転車に対して、“この場所は歩道ではなくキチンと車道を走りなさい”という意味合いの標識なので、バイクや原付、クルマがここにはみ出してもかまわない…、ハズなのだが、あからさまに“自転車用”みたいな表示をされたことで、このスペースがバイク乗りからするととても使いにくくなった。しかも、場所によっては車道外側線から内側にはみ出すように自転車マークが描かれたいたりする。おかげで「ここは自転車の場所なんだから左に寄るなよ?」的な扱いを受けているようで非常にやりにくい。まぁ、自転車に乗るのに特別な免許がいらないし、教習所で学科教習も受けたワケじゃないから仕方がないんだろうけどさ…。

 

ただ、これで困るのは原付だ。法律上30km/hしか出せない原付は、他の交通の妨げにならないよう、左側端走行が義務付けられている。…のだが、あからさまにこれら自転車が優遇されたような道路になってしまうと「いったいどこを走ればいいんだ?」と叫びたくなる。自転車走行指導帯を避けるように道路の中央付近を走っていると無理な追い越しをされて怖い目に遭う。かといって今までどおりに、車道外側線の左側を走行しようとすると、自転車マークの上を走ることになりなんだか居心地が悪い。そこで今度は無理な追い越しに遭わないよう、自転車走行指導帯の外側で他の車両との速度差を少しでも減らそうとすると、今度は速度オーバーで御用…というわけだ。

 

うーん。なんとかならんものか? 60km/h出せるオートバイに乗っているとあんまり不都合を感じないけど、原付にのるとこの自転車マークが妙に気になるのだ。しかも、自転車走行指導帯と自転車専用通行帯がいつのまにか切り替わってたりして、「あれ? ここ自転車専用レーンか?」なんてことも起きやすい。なんだか原付をとりまく状況はどんどん悪くなってる気がするのだが、なんとかならんもんかのう…。

 

左側端30キロ走行していると、50㏄にかせられている、いろいろな無理、矛盾が見えてくる

ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2017年11月11日(土)

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える43歳。

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