狭い日本ならではの傾向か…?

ある朝のことである。私はいつものように車に乗っていたのだが、途中いつも通る道が少し混んでいて、車の流れが一時的にとまった。ミラーにバイクの姿があらわれ、左脇からスッと一台のバイクが静かにすり抜けて行った。と思ったら私の目の前の車が急いていたのか左の抜け道に進もうと突然キュッと左折をはじめた。「あぶない!」さいわい寸前で車がバイクに気づいてギリギリ接触は免れた。バイクのほうも急停止したが、フラついたり立ちゴケすることもなく無事にそのまま通り過ぎて行った。前の車はバイクが通ったと同時にサッと曲がって抜け道に進んで行った。…はぁ〜っ。朝からなんとも心の疲れる一日である。最近はマシンの性能がいいんだろうか、バイクの教習所でしか聞かなかったような「メリハリのある(ありすぎる)運転」を、車も、自転車までもが、公道でよく披露してくれている。シャーッと坂道を激走して信号手前や大通り直前でピタッと音もなく静かに止まる。キュッと小回りで方向転換も難なくしていく。少し前だったら公道をサーキットと勘違いしているような輩が目についたが、この頃はこの手の運転者がよく目に付くのは気のせいだろうか。たしかにぶつからないし、転ばないし、ルールを無視しているわけでもない(かなり微妙かもしれないが…)。だけど対向車や周囲の運転者は一瞬ヒヤッとすることには気づいていないらしい。たいていの人は「かもしれない運転」をしている。目の前の運転者はちゃんと止まれないかもしれない、突っ込んでくるかもしれない、だから念のためブレーキを踏む。そこから連鎖して小さな混雑に発展して行く。そういう想像が少しでもできる人だったら、そういう周囲の人がヒヤッとするような運転はしないハズである。ルールはやぶっていなくても、思いやりは少し置き去りになってはいないだろうか。交通道路…通い合う道路。乗り物だけでなく、運転者の気持ちも通い合う、それが交通道路なんじゃないかな。そんなことをぼんやり考えていたら混雑もいつの間にかおさまっていた。

チャンカメ

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チャンカメ

タンスタ創刊号の〆切間際に入社した古株女子だが貫禄はまるでナシ。かわいい=へんなものについつい手が伸び、デスク周りは癒やし(?)小物だらけ、少々アク抜きの必要な40代。イラスト担当。愛車は現在Z250。乗るたびに ”最近のバイクはすごいな〜” と可愛さ倍増中☆

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