今を生きるライダーになりたい

“懐古主義”という言葉がある。昔をなつかしむあまり、過去を美化する考えのことなのだが、ボク自身にもけっこうその傾向がある。新しいモノには目もくれずレトロゲームばかりプレイしたり、昭和を感じさせる昔ながらの街並みが異常に好きだったり…。バイクに関しても、現在所有している2台の愛車は95年式&96年式とちょっと古め。最新モデルに興味がないわけではないのだが、その中でもSR400やバンバン200のような、昔ながらのデザインのバイクに心ひかれてしまうのだ。

ある日インターネットでバイクの掲示板を眺めていると、免許を取ったばかりの若者がGPX250Rを買いたいという書き込みを見付けた。GPX250Rというと約30年前のモデル。当時に青春時代を過ごした人が昔をなつかしんで乗りたいというのならともかく「若者がなぜこのバイクを…?」と疑問を感じずにはいられなかった。

その書き込みに対し、GPX250R世代と思われる人からのコメントが続く。「今のバイクよりもパワーがあっておもしろいよ」という賛成派もいれば「バイクのことをロクに知らないのにそんな古いバイクを買っても苦労するだけ」という反対派にバッサリと分かれた。ボクは若いライダーに過去の名車の魅力を知ってもらうのはいいことだと思い、彼がGPX250Rを買うことに賛成だった。しかしオジサマ方のいろんなアドバイスに翻弄され、彼はなかなか決め切れないようす。少々優柔不断な性格のようだ。ところが一人の書き込みで考えを少し変える。

「私的には、君の時代のリアルタイムの物を味わうのがいいんでないかなと思う」

この言葉は彼にももちろんだが、ボクの心にも深く刺さった。ボクの愛車たちの年式が、95年と96年(その前は99年)なんて妙にかたよっている理由が何となくわかった気がした。過去にいつまでもしがみついて、先のことを見ない姿勢ははよくないため“懐古主義”という言葉はときにマイナスイメージで用いられることもある。しかし、その人が過ごした時代の思い出は大切にすべきだと思う。まぁ、そんな考えこそが懐古主義なんだけど(笑)。

もちろん何歳になっても「今が青春!!」という気持ちを忘れないライダーはたくさんいる。そうした“今を生きるライダー”ほど、メーカーが今の時代のライダーに向けて作ったバイクを楽しんでほしい。ネット掲示板の彼も、どうやらGPX250Rを選んだ理由は安さだったらしい。単に価格に釣られるのではなく、リアルタイムの“もの作り技術”を肌で感じてもらいたいものだ。

あれ? ということはボクは今の時代に生きてないってことか!?

サブロー

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サブロー

ほめられて伸びるタイプを主張するクセに、ほめられることをやらない36歳。出身地である徳島県の一級河川・吉野川の別名“四国三郎”から、このニックネームに命名された。映画やマンガにすぐ影響される悪癖があり『ベストキッド』を観て空手を始めたり、『バリバリ伝説』を読んでCB400SF(当時は大型二輪免許を持っておらずCB750Fに乗れなかった)を買うなどの単純明快な行動が目立つ。

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