お雑煮

『お正月は帰省していたの? おいしいもの食べた?』なんて話をマンボサイトー(前編集長)としていたときのこと。『サブローの実家は徳島だっけ? 家庭のお雑煮はどんなの?』と尋ねられた。どんなの?、という意味がわからなかったので「うちは普通のお雑煮ですよ」と答えると『いや、その普通ってのが家庭によって全然違うんだって』「え???」という話題に発展した。

 

 

聞くところによると、お雑煮は西日本と東日本で調理方法がまるで違っていて、西日本の白味噌を使うスタイルに対し、東日本は醤油を使うというのだ。知っている人には常識だろうから「なに言ってんの?」と思われそうだけど、ボクは日本中がこの白味噌のスタイルだと思い込んでおり、こんな“ザ・国民食”みたいな料理の調理方法が地域によってこれほどブレまくっている事実に大変な衝撃を受けた。

 

 

ボクの反応がおもしろかったのか、マンボサイトーは追い打ちをかけるように『どうせ丸餅が入ってるのが当たり前とか思ってるんだろ』と言い出した。丸以外に何があるというのか。『知らないだろうけど西は丸餅、東は角餅を入れるんだぞ』と、さらに衝撃の事実を突き付けてきた。ボクはめまいがしてきた。中に入っている具が違うくらいならわかるけど、まさか主役である味噌と餅が違うとは…。

 

 

ツーリングをしていると地域よって食べ物の特徴の違いに遭遇するケースは多く、そのたびに「地域ごとにおもむきがあっていいなぁ」なんて思うボクだけど、元旦はどこにもツーリングに行かないせいか、地元の人間としか触れ合わないせいか、お雑煮は37年間ノーマークだった。ラーメンやうどんなら全然OKなんだけど、お雑煮はなぁ…。なんかこう“これがお雑煮です”というカチっとした、ブレのない調理方法が確立していてほしいと思ってしまう。他の編集部員にこの話をすると「はぁ…」という感じでボクだけが空回りしている感じだったんだけど、この気持ち、わかる人…いるよね?

 

 

ちなみにやたぐわぁによると、鈴鹿の峠あたりが境界になっているのだとか。食の文化っておもしろいね。

サブロー

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サブロー

ほめられて伸びるタイプを主張するクセに、ほめられることをやらない36歳。出身地である徳島県の一級河川・吉野川の別名“四国三郎”から、このニックネームに命名された。映画やマンガにすぐ影響される悪癖があり『ベストキッド』を観て空手を始めたり、『バリバリ伝説』を読んでCB400SF(当時は大型二輪免許を持っておらずCB750Fに乗れなかった)を買うなどの単純明快な行動が目立つ。

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