子育てのシミュレーション中

 育児って本当に大変なんだ。そんなことを最近、第一子を生んだ姉のそばにいて実感した。なかなか寝てくれない、抱っこをしていないといけない、寝ても3時間ごとに目を覚まして泣く、なかなか泣き止んでくれない…。母乳で育てている姉は赤ちゃんに付きっきりで、自由に動ける時間があるとしたら赤ちゃんが寝たときくらい。しかし、真夜中でも明け方でも起こされるから寝不足気味で、赤ちゃんが寝るときに一緒に眠っておかないと体力が持たない。ただ3時間後には泣き声によって起こされてしまう。授乳してお腹いっぱいになっても、なかなか眠れずにぐずって泣く。毎日がその繰り返しだ。

 

 もちろん赤ちゃんは何も悪くない。すごく可愛い(まだ生後2ヶ月でぷくぷく感がたりないが…笑)。姉も「泣いてないときは天使なんだけどね」と言う。ただ、外出して陽を浴びることもできず、室内でずっと赤ちゃんに付きっきりの姉を見て、話で聞いたよりも育児の大変さが伝わった。その大変さを見越して、名古屋に住む母親が家事のサポートに来ていたから姉の場合はよかったとしても、頼れる人がいない場合は…とつい考えてしまう。

 

 姉自身も「こんなに育児が大変だと思わなかった」とこぼしているし、泣かれることは少しキツイと言っている。その泣く姿が“自分が拒否されている”と感じるようになると育児ノイローゼなどの要因になってしまうそうだ。そんなワケないと頭でわかっていても、一日中一緒にいて外界と切り離されている状況が、そんな否定的な考えを生んでも不思議ではないと思う。姉の場合は母親もいるし、僕もちょっかいを出していたから無事にやれているのかもしれない。つまり、育児には周りのサポートも大事だということを学んだ。

 

 もし親に頼れないなら、夫を頼りにするしかない。男性の育児休暇の取得率は、女性81.5%、男性2.65%(平成27年度雇用均等基本調査より)というのが現実だけど、この男性の低い数字がけっこうマズイんじゃないかとあらためて感じる。ちょっと調べてみると北欧諸国では男性の育休は当たり前のようだし、数年前まで日本と同等だったドイツが政策によって男性の育休取得者が増えたという。国は違えど、「男性の育休はムリ」とはなからあきらめるのは間違っているということだろう。女性が安心して子どもを生めるさまざまな環境づくりが大事といわれているなかで、その一つはこの男性の育児休暇だということを今回あらためて感じられた。

イトウくん

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イトウくん

「人生最後の晩餐は何がいい」と聞かれたら、味噌煮込みうどんと正気で答える、愛知県出身ではないのに名古屋メシに熱狂する28歳。ロングツーリングといえば味噌煮込みうどんを目指す名古屋までが鉄板(あぁ名古屋に住みたい)。編集部内では年齢的に若手といわれているが、外見的には35歳前後といわれることもあり、焼き魚や煮物の食卓に心和む男にフレッシュ感は皆無。若いのかおっさんなのか微妙な年ごろである。

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