YAMAHA YZF-R1

カラー:ブルーイッシュホワイトカクテル1

MotoGPの技術をフィードバック

現行モデルは08年に発表された7代目。日本の騒音や排ガス規制に合わせてエンジンをチューニングし、国内仕様として販売されている。7台目としてとくに注目すべき要素は、エンジンに“クロスプレーン型クランクシャフト”という斬新な機構を採用していることだろう。一般的な4気筒エンジンは2気筒ずつ等間隔の爆発タイミングとなっているが、クロスプレーン型クランクシャフトは、1-3-2-4という順番で1気筒ずつ、不等感覚となっている。これにより、不要な慣性トルクのノイズを取り払い、スロットル操作にダイレクトに反応するようなフィーリングを実現している。要は、エンジン内部に非常に画期的な機構が組み込まれているというわけだ。ちなみにこのクロスプレーン型クランクシャフトというのは、MotoGPマシンであるYZR-M1からフィードバックされたテクノロジーである。
もちろんエンジンだけでなく、頭のてっぺんからつま先まで、とにかくヤマハの持てる最新技術がすべて詰め込まれた1台。ビギナーだって、こんなバイクを夢見たっていい。

DETAIL

アナログ式タコメーターのパネル内にはギヤポジション、デジタル式パネルにはスピード計、オド/トリップ、水温計などが表示。右上はエンジン・エンジンオイル・燃料・水温・ステアリングダンパー警告灯など。白い丸窓はシフトタイミングインジケーター
エンジンの出力特性は、シーンや走行コンディションに応じて3つのモードに切り替え可能。潜在能力をベストな状態で引き出す(1)STDモード、よりスポーティなレスポンスを低中速域で楽しめる(2)Aモード、STDより穏やかで扱いやすい(3)Bモードがある

ロードレースで使われる高性能ブレーキの証、ラジアルマウントキャリパーを装着。一般的なモデルではキャリパーがアクスルシャフトに対して平行に固定(マウント)されているのに対し、垂直(ラジアル)になっている。これによりロスなく制動力を発揮できる
Moto GPマシン、YZR-M1と同じ“クロスプレーン型”と呼ばれる特別なクランクシャフトを採用した、水冷4気筒エンジン。あらゆる回転・速度域で、乗り手のスロットル操作が、ダイレクトかつリニアにタイヤのトラクションにつながるような特性を発揮する

リヤタイヤの存在感を強調する、ショートタイプの2本出しアップサイレンサー。エキゾーストパイプは、効果的な排気を促す4-2-1-2タイプとなる。低周波と高周波が混在する独自の排気音は、Moto GPマシン、YZR-M1の力強いサウンドを彷彿させる

他ジャンルに比べて太い(180~ 200mm)スーパースポーツのリヤタイヤ。R1は190mmを採用する。リヤブレーキには外径220mmのディスクローターと、1ピストンピンスライドキャリパーを装着する


RIDING POSITION & FOOT HOLD

●ライダー:身長178cm/体重78kg
ポジションはスーパースポーツだけにネイキッドモデルに比べれば前傾気味ではある。ただし、決してキツい印象はない。コンパクトに感じるもののシートが前後方向に長さがあるので、きゅう屈に感じることはない


●ライダー:身長178cm/体重78kg
タンデマーの上体が起きていれば、背中に圧迫感を感じることはないが、ヒザがお尻部分に干渉するので、ライディング自体にはかなり影響がある。タンデムでのスポーティな走りはしないほうがいいだろう
●タンデマー:身長151cm/体重43kg
シート面積は必要最小限という印象。車体にはつかまる部位もないのでライダーの腰に手を添える形となるが、座面が高いため、前傾姿勢をとってもライダーとのすき間は埋まらず、心もとない感は否めない


COLOR VARIATION

カラー:ディープパープリッシュブルーメタリックC
カラー:ブラックメタリックX

SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高
2,070×715×1,130mm
軸間距離
1,415mm
シート高
835mm
車両重量
212kg
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列4気筒・997cm3
最高出力
107kW(145ps)/11,000rpm
最大トルク
99N・m(10kgf・m)/10,000rpm
タンク容量
18L
価格
141万7,500円

STAFF’S IMPRESSION

マンボサイトー

マンボサイトーのインプレッション

エンジンのフィーリングが独特!

これまで並列4気筒エンジンというと「ヒューン」とか「シューン」と吹け上がるイメージを持っていた。しかしこのR1は、アイドリング時には「ドドッドッド…」という感じで「これがクロスプレーン型クランクシャフトかぁ!」と感じさせてくれる。吹け上がりの感覚も独特で、従来の「ヒューン」という感じじゃない。この辺のフィーリングの独特さは、ビギナーにも絶対に体感できるはず!


タロー

タローのインプレッション

攻めたくなる素性のよさが光る

アクセルを開け始めたときのエンジンのなめらかさは、特筆に値する。エンジンのフィーリングはモードによってかなり差があり、路面状況や、用途に合わせて使い分けると、より走りを楽しめるのではないだろうか。ブレーキは前後ともにコントロールしやすく、必要にして十分な制動力がある。またバイク上でライダーは動きやすく、車体も軽いので連続するコーナーでも切り返しがしやすく、安定感も十分である。

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