半強制的に旅に出る方法が使える!

 今年のゴールデンウィークは、これまで記憶にないほど充実したものになった。例年ならどこも混雑する大型連休に旅行しようとは思わないのだが、ちょうど連休直前にタンデムスタイルの編集作業をやっていたのがいけなかった。なにしろテーマが“日帰りツーリング”(笑)。このときの企画で地図を使って旅の計画を立て、実行するおもしろさを味わい、これはもうプライベートでもやらねばと奮い起こされたというわけだ。

 

 しかし、そういう一時的な感情の高まりは、何か違うものに関心が向くと薄れてしまうことがある。たとえば、雑誌やテレビの旅情報を目にして「今度ここに行こう!」と強く思っても、なかなか実行できずにずるずる…なんて話はよくあるところだろう。僕の場合はメジャーリーグの生中継があるから今日出かけるのやめよう、なんてことをしているうちに機会を逃しているかもしれない。

 

 そして、激務から解放され突入した大型連休。あれほどツーリング気分だった気持ちがゆるやかに収まり、実は前日になっても行くかどうか悩んでいた。キャンプをしながら能登半島を回る予定だったのに、高確率の雨予報となっていたこともモチベーションを低下させていた。わざわざ雨のキャンプはやりたくない。辞めてしまおうか…、そう迷っていたときに好立地の安宿が1室空いていた。考えを整理しないうちに勢いで予約ボタンを押した。前日予約だからキャンセル料が発生する…。いつの間にかもう後戻りできない状況へと自分を追い込み、それに背中を押されて家を出たのだ。

 

 そして僕は、能登半島の千里浜なぎさドライブウェイ、石川県の松井秀喜ベースボールミュージアムといういつかは行きたいと思っていた場所を訪れ、心が洗われるような風景のなかを走り、途方もない充実感を味わった。すべては、あのときためらわずに予約をしたからこそ。思い立ったらすぐ宿を予約してしまうというこの方法、一歩が踏み出せないという人にいかがだろうか。

 

 

イトウくん

written by

イトウくん

「人生最後の晩餐は何がいい」と聞かれたら、味噌煮込みうどんと正気で答える、愛知県出身ではないのに名古屋メシに熱狂する28歳。ロングツーリングといえば味噌煮込みうどんを目指す名古屋までが鉄板(あぁ名古屋に住みたい)。編集部内では年齢的に若手といわれているが、外見的には35歳前後といわれることもあり、焼き魚や煮物の食卓に心和む男にフレッシュ感は皆無。若いのかおっさんなのか微妙な年ごろである。

このコラムにあなたのコメントをどうぞ

この記事が気に入ったら
いいね!とフォローしよう

タンデムスタイルの最新の情報をお届けします